社会人5年目の息子が「貯金はゼロ」といっています。実家ぐらしなのに貯金できていないのは危険ですよね? 20代はどれくらいの貯金があるのでしょうか。
実家暮らしは家賃や光熱費といった大きな出費がないはずです。それにもかかわらず貯金ができていないとなると、「このままでいいの?」と親として不安を感じるという方もいるでしょう。
今回は、20代の平均貯金額や、実家暮らしでも貯金が貯まらない理由、そして親としてできるサポートについてご紹介します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
20代の平均貯金額はどれくらい?
まず気になるのが「他の人はどれくらい貯金しているのか」です。
金融広報中央委員会が実施した「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」によると、20代の金融資産を保有していない世帯を含む平均貯金額は121万円です。ただし、これは一部の高収入層や貯金が多い人も含まれているため、実態に近いとされる「中央値」は9万円ほどとされています。
この数字だけを見ると「意外と少ない」と感じるかもしれませんが、生活スタイルによって大きな差があるのも事実です。
特に一人暮らしの場合は、家賃や生活費の負担が大きく、貯金に回す余裕が少ない傾向があります。一方、実家暮らしであれば、毎月数万円でもコツコツ貯められる環境にあることが多いでしょう。社会人5年目であれば、100万円以上の貯金がある人もいるかもしれません。
なぜ貯金ゼロ?実家暮らしでもお金が貯まらない理由
「生活に困っている様子はないのに、なぜ貯金がないの?」と不思議に思う親御さんもいるでしょう。
実家暮らしは、生活にかかる固定費が少ないことが最大の特徴です。そのぶん「自由に使えるお金」が増えるため、つい趣味や交際費、ショッピングなどに使ってしまいます。
また、実家で暮らしている安心感から、「なんとかなるだろう」と将来への危機感を持ちにくいのも理由の一つでしょう。なかには、「給料日前になると口座が空っぽになるけど、特に困っていないから気にしていない」といった声も聞かれます。
さらに、貯金の方法が分からない人が多いのも一因と考えられます。「何から始めればいいのか分からない」「貯金って面倒くさそう」などの気持ちが、後回しにする原因になっているようです。
このままで大丈夫? 将来のリスク
今は困っていないとしても、貯金ゼロのままでは、将来的にさまざまなリスクが出てくるでしょう。
たとえば、転職や病気などで収入が途絶えたときに、急な出費に対応できない、結婚や独立のタイミングで「資金がなくて何もできない……」と困る可能性もあります。
さらに、「お金がないからやりたいことをあきらめる」経験が続くと、本人の自己肯定感ややる気に悪影響を及ぼしかねません。貯金ゼロの状態が続けば、将来的に親が経済的にサポートせざるを得ない状況になるおそれもあるでしょう。
親としてできること
まずは、「心配している」気持ちを伝えるところから始めてみましょう。「これから結婚したり、独り立ちしたりするときに、少しでもお金があると安心だよ」というように、未来の話を軸に声をかけると、本人も素直に受け止めやすくなるでしょう。
また、家に少しでも生活費を入れてもらうのも一つの方法です。金銭感覚が育ちやすくなり、「使うお金」と「残すお金」を意識するきっかけにもなるでしょう。
さらに、簡単な貯金方法を教えてあげるのもおすすめです。たとえば「先取り貯金(給料が入ったら最初に1万円だけ別口座に移す)」など、仕組みで貯める方法なら、無理なく始められます。
親のひと言がきっかけになることも
実家暮らしで貯金ゼロの状況は、放っておくと将来の不安材料になりえます。親として「うるさく言う」のではなく、「心配しているよ」と伝えることから始めてみると、それだけでもお金に向き合うきっかけになるかもしれません。
お金は人生の土台ともいわれます。焦らず、少しずつ自立に向けて歩めるよう、やさしくサポートしていくことをおすすめします。
出典
金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)表番号4
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
