夫の扶養内で働く50歳主婦ですが、将来の年金額は「月6万円」程度だそうです。扶養から外れて社会保険に加入したほうがよいでしょうか?

配信日: 2025.05.20

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夫の扶養内で働く50歳主婦ですが、将来の年金額は「月6万円」程度だそうです。扶養から外れて社会保険に加入したほうがよいでしょうか?
将来受け取れる年金額が少ないと、老後の生活は問題ないのか不安に思う方もいるでしょう。不安を軽減するため、扶養を外れて社会保険に加入して働く方法もあります。社会保険に加入すると年金が増える点がメリットですが、ほかのメリットも知っておくと、扶養を外れるか決める判断材料になるでしょう。
 
今回は、社会保険に加入すると年金がいくらくらい増えるのか、また社会保険のほかのメリットなどについてご紹介します。
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社会保険に加入すると年金が増える

社会保険に加入するメリットの1つは、老後の年金が増えることです。社会保険では厚生年金に加入するため、老後の年金が老齢基礎年金(国民年金)と老齢厚生年金の2階建てになります。
 
老齢厚生年金額の基本的な金額の計算式は、平成15年4月以降に厚生年金へ加入した場合で「平均標準報酬額×0.005481×加入月数」です。そのため、老齢厚生年金に加入するタイミングが早いほど、老後に受け取れる年金額が多くなります。なお、平均標準報酬額とは各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額を加入期間で割った額です。
 
厚生労働省の試算によると、年収200万円の方が5年間厚生年金に加入した場合、老齢厚生年金が月に4200円増加するとされています。さらに、加入期間を増やして年収200万円で50~65歳までの15年間扶養を外れて働いた場合、増加額は月1万2800円です。
 
少しでも年金を多く受け取りたいなら、扶養を外れることも検討するとよいでしょう。
 
ただし、社会保険に加入すると収入から社会保険料が引かれます。扶養を外れる前の収入にもよりますが、社会保険に加入することで手取り額が減る可能性があることも理解しておきましょう。
 

社会保険のほかのメリット

老後の年金額が増えるほかに、社会保険に加入すると保障の充実というメリットがあります。例えば、厚生年金に加入している方が何かしらの理由で障害を負った場合、障害基礎年金に加え障害厚生年金も受給対象です。障害の程度が軽い場合でも、一時金である障害手当金を受給できます。
 
さらに、健康保険に加入していると勤務期間中に病気やけがで働けなくなった場合、条件を満たしていれば傷病手当金として給料の3分の2相当の金額を受給可能です。最長1年6ヶ月まで支給されるため、働けない間も生活費の不安を軽減できるでしょう。
 
全国健康保険協会によると、傷病手当金を受け取れる条件は以下の通りです。

・業務外の理由で病気やけがをした
 
・働けない状態である
 
・3日間連続する期間を含んだ状態で4日以上働けなかった
 
・休業期間中に給料の支払いがなかった

なお、勤務中のけがや病気は傷病手当金ではなく労災保険の対象になるので、申請時に間違えないようにしましょう。
 

老後の年金生活が不安なときの対処法

老後の年金生活が不安なときは、老後にいくら必要なのかを試算するとよいでしょう。家庭によって老後の生活スタイルは異なります。50代の時点でどれくらいの支出があるかを家計簿などでまとめると、年金生活がスタートしてからの収支の目安になるでしょう。
 
また、必要に応じて支出を減らすことも大切です。50代から社会保険に加入すると年金は増えますが、支出をおさえることでさらに老後の貯金に回すお金を増やせます。
 

年金額を増やしたいなら扶養を外れて働くことも有効な手段の1つ

老後の年金額に不安を覚えるときは、扶養を外れて働くことで老齢基礎年金だけでなく老齢厚生年金の受給が可能です。もし年収200万円で15年間働くとすると、月額1万2800円増加するという試算もあります。ただし、社会保険に加入すると収入から社会保険料が引かれるため、手取り額が減る可能性がある点は留意しておきましょう。
 
社会保険に加入するメリットは、老齢年金額の増加のほかに障害年金額の増加や傷病手当金の対象になることなどもあります。
 
もし老後の年金生活に不安を覚える場合は、扶養を外れて働くだけでなく家計の見直しも行うとよいでしょう。将来に向けて少しずつ準備を始めることで、安心して老後を迎えられるはずです。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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