大学生の息子の仕送りは「月6万円」です。1人暮らしで家賃「5万円」ですが、食費などもやりくりできるのでしょうか? 周囲は仕送りが“月10万円”と聞き不安です…
ただし、これらはあくまで全国平均の数値であり、家庭ごとの事情や地域差も大きく影響します。例えば、「仕送りなし」が6.9%、「月5万円未満」の家庭も16.1%存在しています。
本記事では、月6万円の仕送りで家賃5万円の範囲内で生活できるかどうかを、データをもとに解説し、生活費を抑えるための具体的な方法を紹介します。
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大学生の収入源は仕送り以外にバイトや奨学金で月約5万~7万円
図表1の全国大学生活協同組合連合会「第60回学生生活実態調査」によると、図表1のとおりバイトと奨学金を合わせた下宿生の平均月収は約5万7000円です。
また、日本学生支援機構が全国で無作為に抽出した学生に対し行った「令和4年度学生生活調査(昼間部)」では、図表2のとおりバイトと奨学金を合わせた平均月収は約6万5000円(自宅生、下宿生計)となっています。
図表1
全国大学生活協同組合連合会 第60回学生生活実態調査 より筆者作成
図表2
日本学生支援機構 令和4年度学生生活調査 より筆者作成
これらの調査結果から、仕送りだけに頼らず、アルバイトや奨学金といった複数の収入源を組み合わせて生活を成り立たせていることが分かります。
ただし、これらはあくまで全国平均に基づくデータであり、地域や家庭の事情によって異なります。そのため、平均値をそのまま自分に当てはめる必要はありません。重要なのは、「仕送り以外に何を活用し、支出をいかに抑えるか」という視点を持つことです。
仕送り6万円なら家賃5万円未満を目安に固定費を抑えよう
図表3のとおり、全国大学生活協同組合連合会の「第60回 学生生活実態調査」によると、大学生の一人暮らしにかかる生活費は、平均で月約13万1700円となっています。
図表3
全国大学生活協同組合連合会 第60回学生生活実態調査 より筆者作成
この金額を多いと感じるか少ないと感じるかは、地域や生活スタイルによって異なります。
ただ、仕送りが月6万円であれば、第60回学生生活実態調査に基づき、バイトや奨学金による収入が月約6万円と仮定すると、合計で約12万円の生活費を確保できることになります。これは図表3のデータとも近い水準のため、今回はこの12万円を1つの目安として、支出のバランスを考えてみましょう。
一般的に家賃は収入の3分の1が目安とされており、12万円の収入なら約4万円が妥当な水準です。物価の上昇を踏まえると、5万円未満に抑えるのが現実的といえるでしょう。
まずは固定費である家賃を上限5万円と設定し、変動費を調整していくことで無理のない生活設計が可能になります。
大学生の生活費を抑える具体的な方法
固定費、変動費ともに抑える具体的な方法を3つ紹介します。
家賃の安さだけで住居を選ばない
賃料が安くても、交通費や通信費がかかれば固定費全体は増えがちです。「交通費がかからない立地か」「無料Wi-Fiがあるか」など、トータルコストで考えることが大切です。
食費は現物支給でサポートする
金銭感覚がまだ定まりきっていない学生にとって、食費は想定以上にふくらみやすい項目です。家庭からお米やレトルト食品、乾麺などを送るなどの現物支給によるサポートが有効でしょう。
娯楽費や書籍費などはネットサービスを活用
映画や読書などの娯楽は、動画配信や電子書籍のサブスクを使うと低コストで楽しめます。学生割引や無料プランも活用すれば、出費を抑えつつ充実した時間が過ごせるでしょう。
まとめ
仕送り額は、各家庭の事情や出せる範囲によって異なるもので、一律の正解があるわけではありません。まずは大学がある地域の家賃相場を調べ、固定費と変動費をシミュレーションしてみましょう。
不足する部分は、アルバイトや奨学金で補う方法もありますが、アルバイトと学業の両立が難しいケースも少なくありません。仕送りをする側の家計も見直しながら、仕送り額を増やすことも含めて、お子さんと一緒に生活設計を考えていくことが大切です。
出典
全国大学生活協同組合連合会 第60回学生生活実態調査
独立行政法人日本学生支援機構 令和4年度 学生生活調査結果
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー



