湯船をやめて「シャワーだけ」にしています。4人家族の場合、「水道代」や「ガス代」の節約になっているのでしょうか?
今回は、4人家族のケースで、湯船とシャワーそれぞれのコストを比較しながら、節約のヒントを見ていきます。
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シャワーと湯船の水道代比較
まずは「水道代」から見てみましょう。以下のような条件を設定し、湯船とシャワーそれぞれの使用水量を計算してみます。
・東京都水道局の料金(1リットルあたり約0.24円)を使用
・湯船は1回あたり200リットルのお湯を沸かし、家族4人で共有する
・さらに1人5分間シャワーを使用(シャワーは1分あたり約12リットル)
→ 5分間で60リットル × 4人 = 240リットル
・「シャワーのみ」のパターンは、1人10分使用
→ 10分間で120リットル × 4人 = 480リットル
では、この条件をもとに、それぞれの入浴方法でかかる水道代を比較してみましょう。
表1 「水道代の比較(1回あたり)」
| 入浴方法 | 4人合計の水量 | 1回あたりの水道代 |
|---|---|---|
| 湯船+シャワー(5分×4人) | 440L | 105.6円(440L × 0.24円) |
| シャワーのみ(10分×4人) | 480L | 115.2円(480L × 0.24円 ) |
※東京都水道局 「節水について」をもとに筆者作成
これを毎日続けた場合、1ヶ月の水道代はどのくらいになるのでしょうか。30日分に換算した結果が以下の表です。
表2 「水道代の比較(1ヶ月あたり)」
| 入浴方法 | 1ヶ月の使用量 | 1回あたりの水道代 |
|---|---|---|
| 湯船+シャワー(5分×4人) | 1万3200L | 3168円(1万3200L × 0.24円 ) |
| シャワーのみ(10分×4人) | 1万4400L | 3456円(1万4400L × 0.24円 ) |
※東京都水道局 「節水について」をもとに筆者作成
このように試算してみると、「湯船+シャワー」の方が、シャワーのみよりも水道代をわずかに抑えられることが分かります。湯船はお湯を家族で共有できるため、1人あたりの水の使用量をある程度抑えられるからです。
とはいえ、実際の入浴スタイルは家庭によって異なります。あくまで傾向を把握するための目安として、参考にしてみてください。
ガス代も「湯船+シャワー」の方が安くなるケースがある
続いて、お湯を沸かすための「ガス代」を見てみましょう。ここでは、都市ガスを使って20℃の水を45℃まで温める場合のコストを比較してみます。
・2025年5月時点の都市ガス料金(東京ガス・東京地区等、料金表B)、1m³あたり165.65円を使用
・都市ガスの発熱量:10,750kcal/m³
・給湯器の熱効率:80%(=0.8)
・ガス代(円)=(温度差)× 水量(L) ÷(発熱量 × 熱効率)× ガス単価
・湯船は、1度沸かしたお湯を家族4人が連続して入浴する想定
表3 「ガス代の比較(1回あたり)」
| 入浴方法 | 1回分のガス代(4人家族の合計) |
|---|---|
| 湯船+シャワー(5分×4人) | 約211.9円 |
| シャワー(10分×4人) | 約231.1円 |
※東京ガス「原料費調整制度に基づく2025年5月検針分のガス料金について(東京地区等)」をもとに筆者作成
1ヶ月のガス代を30日分に換算した結果が以下の表です。
表4 「ガス代の比較(1ヶ月あたり)」
| 入浴方法 | 1ヶ月のガス代 |
|---|---|
| 湯船+シャワー(5分×4人) | 約6357円(211.9円×30日) |
| シャワー(10分×4人) | 約6357円(211.9円×30日) |
※東京ガス「原料費調整制度に基づく2025年5月検針分のガス料金について(東京地区等)」をもとに筆者作成
ガス代についても、月単位で比較しても「湯船+シャワー」の方がやや安いことが分かります。一方で、追いだき機能の有無や使用頻度によってもコストは変わってきますので、目安として、ガス代の傾向をつかむ参考にしてみてください。
1ヶ月のコストは「湯船+シャワー」の方が安くなる場合も
ここまで、水道代とガス代をそれぞれ見てきましたが、最後にそれらを合算した「1ヶ月あたりの入浴コスト」を比較してみましょう。
表5 「水道・ガス代を合算させた入浴コスト」
| 入浴方法 | 1日あたりの水道代 | 1日あたりのガス代 | 1ヶ月(30日)の合計コスト |
|---|---|---|---|
| 湯船+シャワー(5分×4人) | 105.6円 | 約211.9円 | 約9528円 |
| シャワー(10分×4人) | 115.2円 | 約231.1円 | 約10390円 |
※東京都水道局 「節水について」、東京ガス「原料費調整制度に基づく2025年5月検針分のガス料金について(東京地区等)」をもとに筆者作成
この比較からも、必ずしも「シャワーだけの方が安い」とは限らないということが分かります。特に家族で連続して入浴するスタイルなら、湯船を併用した方が水道代・ガス代ともに抑えられる可能性があります。節約を意識するなら、家族の生活リズムに合わせて入浴スタイルを見直してみるのも一つの方法でしょう。
家族の使い方で「節約効果」は変わる
湯船をやめてシャワーだけにすると、一見節約になりそうですが、家族全員がシャワーを長時間使ってしまうと、かえって水道代やガス代が高くなることもあります。
節約を意識するなら、シャワーの時間を短くしたり、節水シャワーヘッドを取り入れたりするなど、ちょっとした工夫が効果的です。家族のライフスタイルに合わせて、無理なく続けられる節約方法を見つけていきましょう。
出典
東京都水道局 「節水について」
東京ガス「原料費調整制度に基づく2025年5月検針分のガス料金について(東京地区等)」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
