通帳を見たら「休眠口座」となっていた口座がありました。放置するとお金はどうなるのでしょうか？

通帳を整理していたら、見覚えのない古い口座が「休眠口座」になっているのを見つけて驚いた！ そんな経験をした人もいるかもしれません。
 
休眠口座とは長期間使われていない口座のことですが、放置しているとお金はどうなるのでしょうか？ 本記事では、休眠口座の仕組みやお金の引き出し方、手数料の有無、将来的な管理方法まで、わかりやすく解説します。

そもそも「休眠口座」とはどんな口座？

「休眠口座」とは、最後の取引から10年以上経過している預金口座のことです。入出金や振込、通帳の記帳など、預金額に変動を伴う動きが一切ない場合、銀行側で『使われていない口座』と判断されます。
 
ただし、利息の自動入金は異動に含まれません。ちなみに、金融機関によっては「未利用口座」や「長期不動口座」と呼ぶこともあります。
 
銀行によって扱いは異なりますが、基本的には10年以上取引がないと『休眠』扱いとなり、残高が1万円以上の場合は通知が届くことがあります。ただし、Web口座で『休眠』と表示されるかどうかは銀行によって異なります。
 

放置しているとお金はどうなる？ 手数料や引き出しの可否を解説

休眠口座になったからといって、預金が消えるわけではありません。10年以上使われていない口座の預金は、「休眠預金等活用法」に基づき、預金保険機構に移管され、公益活動などに使われる仕組みになっています。
 
ただし、お金は失われたわけではなく、本人が申請すれば元本と利息を含めて引き出せます。手続きには本人確認書類や通帳、印鑑などが必要ですが、通帳や印鑑がなくても本人確認ができれば払い戻し可能です。
 
内閣府大臣官房政府広報室によると、休眠預金は毎年1200億円程度発生していますが、そのうち500億円程度は払い戻しされています。しかし、払い戻しをする際、一部銀行では手数料がかかることもあるので注意しましょう。このようなケースでは、残高が少ないと手数料によって減ってしまうリスクもあります。
 

休眠口座の確認とお金の引き出し方

休眠口座かどうかを確認したい場合、まずは通帳やキャッシュカードが手元にあるかを確認しましょう。ATMでの操作ができない場合は、銀行窓口での対応が必要です。手続きの流れは以下の通りです。

１．窓口に通帳またはキャッシュカードと本人確認書類（運転免許証、マイナンバーカードなど）を持参
２．窓口で口座状況を確認し、休眠状態であれば引き出しの手続きを依頼
３．必要書類に記入し、所定の手続きが完了すれば、預金の引き出しが可能になる

通帳を紛失してしまっている場合でも、銀行に事情を説明すれば対応してくれます。ただし、本人確認に時間がかかる場合もあるので、早めの確認がおすすめです。
 

今後のために、休眠口座にならないようにするには？

休眠口座を防ぐには、定期的に口座に動きを作ることが大切です。以下のような方法が有効です。

・数年に一度でもATMから入出金を行う
・公共料金やサブスクリプションの支払口座に設定しておく
・通帳の繰り越しや記帳をする

ただし、繰り越しや記帳が取引（異動）とみなされるかどうかは金融機関によって異なります。みずほ銀行やりそな銀行など一部では記帳も異動とみなされますが、三菱ＵＦＪ銀行では記帳だけでは異動とみなされません。
 
また、すでに使っていない口座があるなら、今のうちに整理しておくことも重要です。不要な口座は解約することで、個人情報の流出リスクや手数料の発生を防げます。
 

放置せず、早めの確認と管理を

休眠口座にあるお金は、すぐに消えるわけではありませんが、手続きが必要になったり、手数料で減ってしまったりすることがあります。気づかずに長年放置していた口座でも、早めに動けばしっかりと預金を取り戻せます。
 
これを機に、手元にある通帳を確認してみましょう。休眠口座が見つかったら、慌てず、銀行窓口での手続きを進めれば問題ありません。大切なお金を無駄にしないためにも、今後は定期的に口座をチェックし、不要なものは整理しておくことが大切です。
 

出典

内閣府大臣官房政府広報室　放置したままの口座はありませんか？10年たつと「休眠預金」に。
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー