大学生の息子は月の出費が「10万円」と聞いて心配！大学生ならそのくらい普通なの？
本記事では、大学生の平均的な支出や収入を紹介しながら、「10万円」という月の出費が妥当なのかを解説します。
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月10万円の出費は高い？ 大学生の平均支出データ
独立行政法人日本学生支援機構「令和4年度学生生活調査結果」によると、自宅生および下宿生の1ヶ月あたりの平均支出は表1の通りです。
表1
| 区分 | 自宅生 | 下宿生 | ||
|---|---|---|---|---|
| 国立 | 私立 | 国立 | 私立 | |
| 授業料 | 約3万9200円 | 約8万1900円 | 約3万9700円 | 約8万5200円 |
| その他学校納付金 | 約1100円 | 約1万3300円 | 約1100円 | 約1万3300円 |
| 修学費 | 約4300円 | 約4100円 | 約4100円 | 約4400円 |
| 課外活動費 | 約2200円 | 約1300円 | 約2300円 | 約2800円 |
| 通学費 | 約7900円 | 約8200円 | 約1500円 | 約2300円 |
| 小計（学費） | 約5万4700円 | 約10万8800円 | 約4万8700円 | 約11万1500円 |
| 食費 | 約7800円 | 約7400円 | 約2万2600円 | 約2万1700円 |
| 住居・光熱費 | なし | なし | 約4万円 | 約3万7200円 |
| 保健衛生費 | 約3500円 | 約4200円 | 約4200円 | 約4600円 |
| 娯楽費 | 約1万1300円 | 約1万1500円 | 約1万1400円 | 約1万600円 |
| その他日常費 | 約1万2800円 | 約1万2500円 | 約1万3400円 | 約1万4800円 |
| 小計（生活費） | 約3万5400円 | 約3万5600円 | 約9万1600円 | 約9万1600円 |
| 合計 | 約9万100円 | 約14万4400円 | 約14万300円 | 約20万400円 |
出典：独立行政法人日本学生支援機構「令和4年度学生生活調査結果」を基に筆者作成
なお、国立と公立は学費・生活費ともに大きな違いが見られないため、今回は国立と私立にかかる費用を記載しています。
月10万円の内訳が重要
表1から分かるように、大学生の支出金額は、通っている大学が国立か私立か、自宅通学か下宿しているかによって大きく異なります。
例えば私立大学の場合は、学費だけで月10万円を超えてしまいます。また、下宿している場合も、家賃相場が高いエリアだと生活費が月10万円を超えるケースも珍しくないでしょう。
息子が「月に10万円使っている」と言った場合、金額の絶対値だけで判断するのではなく、支出項目の内訳を詳しく確認することが重要です。今回のように自宅から通う学生で、学費以外の支出が10万円ほどであるならば、平均よりも支出が多いといえるでしょう。
大学生の支出と収入のバランス
支出だけでなく、収入の面からも大学生の金銭事情を見てみましょう。
独立行政法人日本学生支援機構「令和4年度学生生活調査結果」によると、自宅生および下宿生の1ヶ月あたりの収入と支出のバランスは表2の通りです。
表2
| 区分 | 自宅生 | 下宿生 | |||
|---|---|---|---|---|---|
| 国立 | 私立 | 国立 | 私立 | ||
| 収入 | 家庭からの給付 | 約4万4400円 | 約8万2700円 | 約8万8900円 | 約13万1000円 |
| 奨学金 | 約1万8900円 | 約3万1900円 | 約3万200円 | 約4万2700円 | |
| アルバイト収入 | 約3万2500円 | 約3万5000円 | 約2万8400円 | 約2万6900円 | |
| 定額収入・その他 | 約9200円 | 約7400円 | 約4700円 | 約8900円 | |
| 合計 | 約10万5000円 | 約15万7000円 | 約15万2200円 | 約20万9500円 | |
| 支出 | 小計（学費） | 約5万4700円 | 約10万8800円 | 約4万8700円 | 約11万1500円 |
| 小計（生活費） | 約3万5400円 | 約3万5600円 | 約9万1600円 | 約8万8900円 | |
| 合計 | 約9万100円 | 約14万4400円 | 約14万300円 | 約20万400円 | |
出典：独立行政法人日本学生支援機構「令和4年度学生生活調査結果」を基に筆者作成
いずれのパターンでも、家庭からの給付と奨学金による収入で学費の支出が賄われていることが分かります。また、下宿の場合は住居・光熱費などの生活費が追加でかかるため、自宅通学と比べて家庭からの給付金額が大きくなっています。
ただし、この数字はあくまで平均値であり、家庭環境や奨学金の有無、アルバイト収入によって個人差が大きい点には注意が必要です。
月10万円の支出が高いかは内訳にもよる
大学生の支出金額は、国立大学の自宅生が平均月9万100円、私立大学の下宿生が平均月20万400円と、環境によって大きく異なります。自宅から通う学生で学費を除く支出のみであれば、月10万円は平均を上回ります。
「月10万円の出費」と聞くと心配になるのも無理はありませんが、大切なことは金額そのものではなく、その出費が生活に必要なのかどうかです。親子で一緒に支出項目を見直して、安心して大学生活を送れるようにサポートしていきましょう。
出典
独立行政法人日本学生支援機構 令和4年度学生生活調査結果（49ページ）
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
