更新日: 2019.06.28 ライフプラン

高校生の54.7%が大学進学する時代!知っておきたい大学進学のお金

執筆者 : 西川誠司

高校生の54.7%が大学進学する時代!知っておきたい大学進学のお金
文部科学省の「平成30年度学校基本調査」によると、高校を卒業した生徒の54.7%が大学に進学しています。いまや2人に1人は確実に大学進学を選択する時代なのです。
 
人生でとくに大きな負担となる資金が、三大資金と言われる「住宅資金」「教育資金」「老後資金」。
 
今回は「教育資金」の中でも、大学進学に際してかかる費用についてお伝えします。
 
西川誠司

執筆者:西川誠司(にしかわ せいじ)

2級ファイナンシャルプランンニング技能士・AFP認定者、終活ライフケアプランナー、住宅ローンアドバイザー(一般社団法人住宅金融普及協会)、キャリアコンサルタント

ウェディングドレスショップ「Atsu Nishikawa」を17年間経営。
接客の中でこれから結婚するおふたりのお金の不安や子供を授かったときの給付金や育児休業のこと、また親からの贈与や年金のことの悩みを伺い、本格的にファイナンシャルプランナーとして活動を始めました。
みなさまの「小さな疑問や不安」を分かりやすく解決していくことを目指しています。

幼稚園から高校まではいくらかかるの

大学のことをお伝えする前に、まずは、それまでに学習費がいくらくらいかかるのか確認しておきたいと思います。
 
ここでは幼稚園(3歳)から高等学校3年までの費用についてお伝えします。
 
下記の表をご覧いただけば分かるとおり、公立と私立で差が非常に大きくなっています。幼稚園から高等学校まで全て公立に通いますと542万円、全て私立ですと1772万円で、1人にかかる学習費の差は1200万円以上になります。とくに小学校6年間の差は700万円以上です。
 

 

国立大学の初年度納付金平均額

幼稚園から高等学校終了までの15年間で、1人約540万から1800万円近い費用がかかることが分かりました。では、大学の入学にはいくら必要なのでしょうか。
 
まずは国立大学についてお伝えします。国立大学の場合、授業料は学部による違いがほとんどありません。医学部でも同じなのです。ただし、授業料とは別に「設備、実習、諸会費等」がかかる学部があり、数千円から20万円ほどまでの差があります。
 
さらに、入学金は他県出身者、県内出身者によって倍ほどの違いがあります。下記の表の28万2000円は他県出身者の金額で、県内出身者は14万1000円という学校が多いようです。
 
ちなみに公立大学の入学金と授業料の合計は、全国平均で国立大学より10万円ほど高くなっているようです。こちらも、県内出身者の入学金は、他県出身者より低く設定されています。受験料は、センター試験料が別途1万8000円かかります。
 

 

私立大学の初年度納付金平均額

次に私立大学についてお伝えします。
 
幼稚園から高等学校までと同じように、国公立大学に比べ費用が高く設定されています。下記の表から、学部によってかなりの費用がかかることが分かります。中でも医歯系学科はほかの学部と違い、6年間を最低修業年限とするため、それだけ総額も高くなります。
 
受験料は受験した大学の数だけ費用がかかるため、10校受験すれば、35万円ほどかかることになります。また、センター試験利用入試の場合は1万円から2万円ほどの受験料がかかります。学校、学部によっても違いがありますので、各大学のホームページをご参照ください。
 

 

大学受験のための塾の費用はどれくらいかかるの

高校生の塾の費用はどれくらいかかるのでしょうか。
 
まずは独立行政法人統計センターが公表している「平成28年度子供の学習費調査」をご覧ください。公立高校よりも私立高校に通う生徒のほうが、年間費用が高くなっています。
 
ただし、以下の表は塾や家庭教師を利用していない生徒も含めた数値です。よって、塾や家庭教師を利用している家庭の学習費は、この平均の数値よりも高くなります。
 

 
では、大学受験のための塾や予備校は、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。
 
実はこの費用は、平均を出すのがとても難しいのです。塾、科目数、夏期・冬期の特別講習、個別対応、志望校に合わせた特別メニュー、模試費用など、生徒によって金額にかなりの差があります。
 
文部科学省が発表するような資料はないので、各塾や予備校のホームページを参考におおよその数字を出してみると、ざっと年間30万円から100万円以上となります。
 

 

まとめ

今回、受験に際しての交通費や宿泊代は入れておりません。また、ひとり暮らしとなると初期費用が70万円ほど(家電・家賃関連・引越し業者)かかると言われています。
 
大学受験のための塾や予備校、大学入学に必要な費用、ひとり暮らしにかかる費用…。かなり高額になることが分かっていただけたのではないでしょうか。
 
人生の三大資金と言われる「教育資金」。今回触れた金額は、その中の大学にかかる費用だけです。ライフプラン・キャッシュフローを用いるなどして、早いうちから計画・準備することが必要ではないでしょうか。
 
出典
文部科学省「平成28年度子供の学習費調査の結果について」
文部科学省「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」
文部科学省「平成29年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について」
独立行政法人統計センター(e-Stat政府統計の総合窓口)「子どもの学習費調査-平成28年度-統計表一覧」
 
執筆者:西川誠司(にしかわ せいじ)
2級ファイナンシャルプランンニング技能士・AFP認定者、終活ライフケアプランナー