大学生の息子がテレグラムでのやり取りを通じて「時給1800円」のバイトに申し込んでしまった! ホワイト案件らしいけど高時給すぎではないですか?
闇バイトをあっせんする犯罪者は、甘い言葉や高額なバイト料をちらつかせて、人を募集することがありますが、闇バイトにかかわってしまうと、犯罪組織からの脅しや逮捕など悲惨な結果につながりかねません。
今回のケースでは、時給1800円という高時給のバイトに応募した大学生の息子が登場します。「高時給=闇バイト」というわけではありませんが、気になるのはテレグラムでやり取りしている点です。
本記事では、闇バイトの特徴について触れつつ、時給1800円が一般的な賃金と比較して高すぎるのかどうかを解説します。
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テレグラムなどを通じた求人募集に注意喚起がされている
バイトの求人情報はさまざまなメディアで閲覧できますが、近年注意喚起されているのは、「SNS」や「インターネット掲示板」を通じた募集です。
闇バイトの特徴には以下のような点が挙げられます。
●仕事内容が明確でない
●高額な報酬を提示している
●個人情報の送信を求めてくる
●匿名性の高いアプリを使わせる
闇バイトに使用される「匿名性の高いアプリ」の代表として、「テレグラム」があります。テレグラムはメッセージアプリの一種で、2024年時点でそのユーザー数は世界で9億人以上にものぼると発表されています。
一般的なSNSと比較して、テレグラムはユーザーの特定が困難とされており、闇バイトを展開する犯罪者たちにとって便利なツールになっているようです。
よくある闇バイトのパターンとして、最初はInstagramなどで人を呼び込み、その後テレグラムでのやり取りに誘導します。それから、個人情報が記載された身分証明書を送らせ、後で応募した人が「やめたい」といった時に脅しの材料として利用された例もあります。
テレグラム以外にも「シグナル」への誘導に関して注意喚起があるようです。テレグラムなど、これら特定のアプリでのやり取りが絶対に問題というわけではありませんが、すでに悪用された事例があるため、注意が必要です。
時給1800円は高すぎる?
闇バイトはおおむね高報酬とされています。今回のケースが闇バイトなのかは定かではありませんが、時給1800円と聞くと怪しさを覚えてしまうかもしれません。
そこで時給1800円が一般的な時給と比較してどれほど乖離(かいり)しているのか見ていきましょう。厚生労働省によると、令和6年度における最低賃金の上位5つは表1の通りです。
表1
| 都道府県 | 最低賃金 |
|---|---|
| 東京都 | 1163円 |
| 神奈川県 | 1162円 |
| 大阪府 | 1114円 |
| 埼玉県 | 1078円 |
| 愛知県 | 1077円 |
出典:厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」を基に筆者作成
最低賃金が最も高い東京都でも1163円であり、今回のケースと比べて600円以上高いです。
ただし求人募集を個別に見ていくと、最低賃金を大きく上回るバイトがあることも確かです。以下は高時給バイトの例です。
●カウンターBARの接客スタッフ:時給2500円以上
●Wi-Fiサービスのコールセンター:時給1900円
今回のケースの業務内容がどのようなものかは分かりませんが、時給1800円という金額自体は、必ずしも闇バイトと結びつく要素とはいえません。
闇バイトに申し込んでしまった場合の対応
もし申し込んだ求人が闇バイトであることが発覚したら、あるいは怪しいと感じたら、最寄りの警察署や警視庁の「ヤング・テレホン・コーナー」などに相談しましょう。
犯罪組織から脅されたとしても、そのまま続けてしまえば待っているのは逮捕や懲役刑、被害者への損害賠償などです。速やかに警察へ連絡が必要です。
テレグラムでのバイト募集は要注意!
今回のケースのように、テレグラムやシグナルなど匿名性の高いアプリを使ったバイト募集には、警察が注意喚起をしています。業務内容が正確でない、相手が誰だか分からない、身分証明書を執拗(しつよう)に求めてくるなど、怪しいと感じる場合はかかわらない方が無難でしょう。
時給については、1800円のバイトは決して珍しいわけではありません。最低賃金と比較すると明らかに高いですが、業務内容や業務時間などによっては、それくらいの時給が発生することはありえます。
いずれにしてもバイトを探す時は、信頼できるプラットホームを使ったり、業務内容や事業者が明確な求人のみに絞ったりと、慎重に行動しましょう。
出典
厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧 令和6年度地域別最低賃金改定状況
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
