「ボーナスの7割は貯金しよう」と夫婦で決めていますが、最近は物価も上がっているので大変です…。そもそも、ほかの家庭ではどのくらい貯金しているのでしょうか?

配信日: 2025.06.20
この記事は約 5 分で読めます。
「ボーナスの7割は貯金しよう」と夫婦で決めていますが、最近は物価も上がっているので大変です…。そもそも、ほかの家庭ではどのくらい貯金しているのでしょうか?
「ボーナスの7割は貯金しよう」と夫婦で決めていても、最近は物価の上昇が続いており、生活費がかさんで思うように貯金ができないと感じている人も少なくありません。そのようななか、「よその家庭はどれくらいボーナスを貯金しているの?」と気になる方もいるでしょう。
 
本記事では、ボーナスの貯金割合に関する世間の実態や、共働き夫婦の平均的な貯蓄額、無理なく貯金を続けるためのコツについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

他の家庭のボーナス貯金割合は? 7割貯金は多いほう?

ボーナスのうち、どれくらいを貯金に回すのが一般的なのでしょうか。「7割を貯金」と聞くと多いようにも感じますが、実際の家庭ではどの程度貯金しているのか、本章で見ていきましょう。
 
ボーナスの使い道は各家庭によって異なりますが、パーソルキャリア株式会社(東京都港区)が運営する「doda」が公表している「ボーナスの使い道ランキング【最新版】」(調査期間:2024年8月5~13日、有効回答数:1万5000件)によると、「2023年9月~2024年8月の1年間に支給されたボーナスのうち、どれくらいを貯金・預金に充てましたか」という問いに対し、次のような回答でした。

貯金はしていない:16.0%
1~10%:11.4%
10~25%:14.4%
25~50%:17.3%
50~75%:14.5%
75~90%:8.8%
90%以上:17.5%

この調査では7割のデータはありませんが、50~75%が14.5%で90%以上が17.5%と最も多い結果から、「ボーナスの7割を貯金する」というのは決して低い水準ではないといえるでしょう。
 
その一方で、この調査で「ボーナスの50%以上を貯金した」と答えた人は40.8%にとどまります。つまり、貯金に回す金額が5割以下で、それ以上を貯金する家庭は限られているということになります。
 
また、貯金に回す割合はボーナスの金額によっても変わります。例えば、手取りで30万円のボーナスなら7割の貯金は21万円ですが、50万円なら35万円となり、ボーナスの額が大きい場合、生活費や特別な支出に充てる割合が増えることもあり、一定の割合を貯金に回すのが難しいと感じる人もいます。
 
共働き家庭では、夫婦の一方のボーナスを生活費やレジャーに充て、もう一方のボーナスを貯金に回すといった分担方法もよく見られます。この方法は、家計管理の一つの工夫として精神的な余裕も生まれやすく、貯蓄率を維持するうえでも役立つ場合があります。
 

二人以上世帯の平均貯蓄額はどれくらい?

貯蓄額は世帯の構成や年収、ライフステージによって大きく異なります。金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)」によると、二人以上の世帯における貯蓄額の平均は1307万円、中央値は330万円です。
 
また、年齢別では以下のような傾向があります。

20代世帯:平均249万円、中央値30万円
30代世帯:平均601万円、中央値150万円
40代世帯:平均889万円、中央値220万円
50代世帯:平均1147万円、中央値300万円

このように、年齢が上がるにつれて貯蓄額が増える傾向にあります。しかし、貯金がほとんどできていない家庭も一定数あるため、あくまで目安として考えましょう。
 

貯蓄ができる家庭の習慣とは?

貯金が思うように増えないと悩んでいる一方で、着実に貯蓄を増やしている家庭も存在します。では、そうした家庭にはどんな共通点があるのでしょうか。本章で、無理なくお金を貯めるための習慣や仕組みを見ていきましょう。
 
しっかりと貯金ができている家庭には、以下の点を習慣づけている傾向にあります。

●家計簿をつけて収支を見える化している
●毎月一定額を先に貯金に回す「先取り貯金」を実践
●夫婦で定期的に家計について話し合っている
●将来のライフイベント(教育、住宅、老後など)を見据えて貯金目標を立てている

特に先取り貯金は、給与やボーナスが振り込まれた時点で一定額を自動的に貯蓄用口座へ移す方法です。この仕組みを取り入れることで、気づけば使ってしまうという事態を防ぎ、計画的な資産形成が可能になります。
 
さらに、iDeCo(イデコ)やNISAなどの制度を活用することで、税制上の優遇を受けながら効率よくお金を貯めている家庭も増えています。これらを定期預金などの堅実な貯蓄方法とあわせて活用することで、「ただ貯める」から「賢く育てる」へとシフトすることができるのです。
 

「貯金7割」が難しいときは、目標を見直してもOK

物価の上昇やライフイベントの影響で、当初の貯金目標を達成するのが難しくなることもあります。そうした場合は、無理をせず柔軟に目標を見直すことも大切です。
 
例えば、ボーナスの7割を貯金するのが厳しければ、5割に減らすという選択もあります。残りの2割を自己投資や家族でのレジャーに使うことで、心の余裕も生まれます。
 
また、「固定費の見直し」は貯金額を増やすうえでとても効果的です。携帯料金や保険、サブスクサービスなど、見直すことで年間数万円の節約になることもあります。その分を貯金に回せば、生活水準を落とさずに貯蓄率を上げることが可能です。
 

大切なのは「自分たちのペースで無理なく続けること」

ボーナスの7割を貯金するという目標は素晴らしいですが、必ずしも全家庭がその割合を実現しているわけではありません。
 
「思うように貯金できない」と感じても、自分たちに合ったペースで着実に続けていくことが何より大切です。目標に縛られすぎず、柔軟に見直しながら、長期的に資産を育てていきましょう。夫婦で将来のライフプランを共有し、協力して家計を見直すことで、より安心できる暮らしに近づいていけるはずです。
 

出典

パーソルキャリア株式会社 doda ボーナスの使い道ランキング【最新版】
金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu
【PR】 SP_LAND_02
FF_お金にまつわる悩み・疑問