エアコンの温度設定は「1度」の違いでそんなに電気代に差が出るのでしょうか?「25度」から「24度」に下げると電気代はどれだけ違う?

配信日: 2025.06.20
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エアコンの温度設定は「1度」の違いでそんなに電気代に差が出るのでしょうか?「25度」から「24度」に下げると電気代はどれだけ違う?
エアコンの設定温度を控えめにすると電気代が安くなるとは分かっているものの、「たった1度の違いでそんなに変わるの?」と疑問に思っている方が多いのではないでしょうか。しかし数ヶ月単位でみると、このたった1度が家計にとっては見逃せない大きな差になります。
 
本記事では、実際にエアコンの温度設定を1度控えめにすることで電気代がどれだけ変わるのか、エアコンの設定を強くしなくても快適に過ごせる工夫について紹介します。
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エアコンの設定温度で電気代はどれだけ変わる?

(公財)東京電気管理技術者協会によると、エアコンの設定温度を冷房時は1度上げる、暖房時は2度下げるだけで10%の電気代が節約できるそうです。
 
(公社)全国家庭電気製品公正取引協議会では、電気料金の目安単価として、1キロワットアワー当たりの電気料金目安単価は31円としています。これをもとに、1時間当たりの電気代を計算すると以下のようになります。

<節約できる10%分の電気代 ※1時間当たり>

・冷房時の消費電力550ワット……0.55キロワットアワー × 31円 ×10% = 約1.71円
 
・暖房時の消費電力660ワット……0.66キロワットアワー × 31円 ×10% = 約2.05円

エアコン1台を1日12時間稼働させた場合、冷房時では約20.5円、1ヶ月当たりだと約615円です。暖房時に1日12時間稼働させた場合は約24.6円、1ヶ月で約738円の節約になります。これはエアコン1台で節約できる電気代なので、使用するエアコンの台数が2台、3台になるとかなりの節約効果になるでしょう。
 
なお、電気代や契約容量、契約する電力会社により料金は大幅に異なります。上記試算の消費電力は、一般的なエアコンの一例として設定しています。
 

エアコンの設定温度を控えめにする工夫

エアコンの設定温度を1度控えめにするだけで、かなりの節約効果があることが分かりましたが、暑かったり寒かったりすると、どうしても温度を上げ下げしたくなってしまいます。本章では、エアコンの温度を上手に調整するための工夫について紹介します。
 

温度ではなく湿度を調整する

快適な室温には、温度だけではなく湿度も大きく影響しています。例えば、冷房時は同じ温度でも湿度が80%だと体感温度的にはジメジメと暑く感じ、湿度が50%だとカラッと涼しく感じます。
 
暖房の場合は、湿度が20%だと乾燥によって寒く感じ、加湿して湿度50%にすると温かく感じやすいです。そこで、エアコンの除湿機能や加湿器を上手に使うと、温度を上げ下げしなくても快適に過ごせるようになります。
 

エアコンの風量設定を自動にする

エアコンの風量は、微風・弱・強・自動などに設定できますが、節電のためには自動にするのがおすすめです。弱や微風にすると運転にしたほうが消費電力は少なく済みそうですが、実際には室温が設定温度に達するまでに時間がかかってしまうため、余分な電力消費につながります。
 
そこで、自動運転にしておくと、エアコンが室温に合わせて最適な風量で運転してくれ、電気代の節約にもつながります。
 

扇風機やサーキュレーターを併用する

冷たい空気は下に、暖かい空気は上にたまる性質があります。扇風機やサーキュレーターを併用することで室内の空気がかき混ぜられ、エアコンの設定温度を控えめにできます。
 
冷房時は扇風機やサーキュレーターをエアコンの下に置き、同じ風向きになるよう上向きにして床付近の冷気を循環させましょう。暖房時はエアコンの対角線上に扇風機やサーキュレーターを置き、エアコン吹き出し口に向けて風を当てるか、あるいは部屋の中央付近に置いて天井方向に向けて暖かい空気を循環させるのが効果的です。
 
こうした工夫により、エアコンの設定温度を控えめにしても快適に過ごすことができます。
 

エアコンのフィルターを掃除する

エアコンのフィルターを掃除せずにいると、フィルターの目詰まりが起きることでホコリがたまり、空気の通りが悪くなります。1年間掃除しないと、年間約25%多く電気代がかかる場合があり、多くのエアコンメーカーでは2週間に一度の掃除が推奨されています。フィルターは取り外して、掃除機でホコリを吸い取るだけでも効果的です。
 

エアコンを賢く使って快適と節約をかなえよう

エアコンの温度を1度上げ下げすると、思っていた以上の節約効果があります。家族が各自の部屋で長時間、節約を意識しながらエアコンを使用すると、1ヶ月では数百円どころか1000円以上の差が出ることもあり、家計にとっては大きな節約となります。
 
設定温度を控えめにする際には湿度を調整したり、扇風機やサーキュレーターを使用したりすることで快適さを保つことができます。エアコンを上手に使うことで、快適さと節約を同時にかなえましょう。
 

出典

公益財団法人東京電気管理技術者協会 電気安全に関するQ&A
公益社団法人全国家庭電気製品 公正取引協議会 よくある質問Q&A
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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