暑さ対策で迷う…「扇風機」と「サーキュレーター」、電気代を節約できるのはどっち?
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「扇風機」と「サーキュレーター」の違いは?
一見するとよく似ている扇風機とサーキュレーターですが、それぞれの目的や風の出し方にははっきりとした違いがあります。扇風機は、人に風を当てて涼しさを感じさせることを目的としています。風が肌に当たることで汗が蒸発し、体感温度が下がります。
これは、うちわや扇子を使うときと同じ仕組みです。風は広い範囲にやわらかく届くように設計されており、首振り機能がついた製品も多く、複数人で使用する際にも便利でしょう。
一方、サーキュレーターは、部屋の空気を循環させることを目的としています。直進性の高い風を発生させることで、室内にこもった空気をかき混ぜ、温度のムラをなくします。
たとえば、冷たい空気が床に、暖かい空気が天井にたまりやすい夏場には、サーキュレーターを使うことで部屋全体の温度が均一になり、快適に過ごしやすくなります。
このように、扇風機は「人を涼しくする」ために、サーキュレーターは「空間の快適さを整える」ために活用する機器です。それぞれの特性を理解して、目的に応じて使い分けることが節電効果を高めるポイントになります。
電気代比較(猛暑日の使用を想定)
それでは、実際の電気代はどのくらい違うのでしょうか。ここでは、猛暑日に8時間連続で使用した場合を想定して試算します。なお、電気代の計算は、公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が目安としている、「1kWh (キロワット時) あたり31円」を使用して計算します。
扇風機とサーキュレーターの消費電力は、搭載されているモーターの種類(ACモーター/DCモーター)や製品によって大きく異なります。
ここでは、近年の省エネモデルを参考に、省エネ性能が高いDCモーターを搭載した一般的なモデルを例に比較します。扇風機(DCモーター搭載モデル)の消費電力を15Wと仮定します。
・1時間あたりの電気代: 15W ÷ 1000 × 1時間 × 31円/kWh = 0.465円 8時間使用した場合: 0.465円 × 8時間 = 3.72円
次に、サーキュレーターの消費電力を25Wと仮定します。
・1時間あたりの電気代: 25W ÷ 1000 × 1時間 × 31円/kWh = 0.775円 8時間使用した場合: 0.775円 × 8時間 = 6.2円
この計算では、単体で使用した場合の電気代は「扇風機」の方が安い結果となりました。ただし、これはあくまで一例となります。製品によってはサーキュレーターの方が消費電力が低い場合もありますので、購入の際は製品の仕様も確認してみましょう。
猛暑日に節約効果を高める使い方
電気代を抑えるには、機器選びだけでなく「どう使うか」も重要です。それぞれの特性を上手に生かすことで、節電効果をさらに高めることができます。
扇風機は、人に直接風を当てるのが一番効率的です。風が肌にあたることで汗が蒸発し、体感温度が下がります。お風呂上がりや、ちょっと蒸し暑いと感じるときにぴったりです。
ただし、同じ場所に風を当て続けると、体を冷やしすぎてしまうこともあります。首振り機能や微風モードを使って、やさしく風を送るのがおすすめです。就寝時にはタイマー機能を活用すれば、つけっぱなしを防げて節電にもつながるでしょう。
サーキュレーターは、エアコンと一緒に使うと効果を発揮します。冷たい空気を部屋全体に行き渡らせることで、設定温度を下げずに涼しく感じられる場合があり、結果的に節電につながる可能性があります。
設置のコツは、サーキュレーターをエアコンと反対の向きに置いて、天井に向けて風を送ることです。床にたまりがちな冷気がしっかり循環し、部屋全体の温度ムラがなくなって快適に過ごせるでしょう。
扇風機とサーキュレーター、猛暑日に節電効果が高いのはどっち?
扇風機とサーキュレーターのどちらが節電につながるかは、使い方と目的によって違いがあります。
エアコンを使わずに、個人で手軽に涼みたい場合は、消費電力が少ない扇風機がおすすめです。風を直接体に当てることで、エアコンなしでも涼しさを感じやすく、電気代も抑えられるでしょう。
一方で、猛暑日にはエアコンの使用が欠かせない場面もあります。そんなときはサーキュレーターを併用することで、冷たい空気を効率よく循環させることができ、エアコンの設定温度を高めにしても快適に過ごせます。結果的に、電気代の節約にもつながるでしょう。
「単体で使うなら扇風機」「エアコンと併用するならサーキュレーター」と使い分けることで、どちらも節電に貢献してくれるアイテムになるかもしれません。それぞれの特性を生かして、ご家庭の状況に合った使い方を見つけていくことが、無理なく続けられる節電への近道です。
出典
公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会 「よくある質問Q&A」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
