せっかく正社員で入った会社を「出世するが気ないから」と3年で退職してしまった息子…! 今はアルバイトで働いているようですが、将来は大丈夫でしょうか?

配信日: 2025.06.23
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せっかく正社員で入った会社を「出世するが気ないから」と3年で退職してしまった息子…! 今はアルバイトで働いているようですが、将来は大丈夫でしょうか?
「これで一安心」そう思っていた矢先に、息子さんが安定した正社員の職をわずか3年で辞めてしまうなんて、親の方が驚き戸惑い、そして「この先どうするのだろう」という将来への不安で胸がいっぱいになるのも無理はないでしょう。
 
この記事では、そんな息子さんの決断をどう受け止め、経済的な懸念も含めて今後どのようにサポートしていけばよいのか、具体的な考え方と向き合い方を探ります。
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なぜ「出世したくない」? 退職理由に隠された現代の価値観

「出世する気がない」という言葉は、「会社に入ったからには上を目指すのが当然」という価値観で生きてきた方にとっては、理解しがたい理由かもしれません。
 
しかし、現代の若い世代にとって、「出世」は必ずしも魅力的な選択肢ではないようです。株式会社パーソル総合研究所「働く10,000人の就業・成長定点調査」によると、現在の会社で管理職になりたい20〜30代の割合は約3割でした。
 
言い換えると約7割は「管理職になりたくない」と回答しているといえるでしょう。その背景には、単なる怠慢や無気力とは異なる、彼らなりの切実な理由が存在することが分かっています。
 
一般的に、管理職になれば責任は重くなり、担当する業務や残業が増えるものです。プライベートを重視する若者にとっては、仕事中心の働き方は魅力的ではなく、手取りが減る可能性や人間関係のストレスが増しかねないことも敬遠される要因といえます。
 
息子さんの「出世したくない」という言葉の裏にも、こうした現実的な理由が隠れているのかもしれません。
 

正社員とアルバイトは何が違う? 働き方の実態と選択の意味

では、アルバイトという働き方には、正社員と比べて具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
 
まず大きな違いは、雇用契約の期間です。正社員が基本的に定年まで働くことができる「無期雇用」であるのに対し、アルバイトは契約期間が定められている「有期雇用」が一般的です。契約更新を重ねて長く働くことも可能ですが、雇用の安定性という点では正社員に及びません。
 
労働時間も異なり、正社員は1日7~8時間、週40時間といった所定労働時間が定められています。一方、アルバイトはシフト制によって正社員より短い時間で、比較的柔軟に働く時間を調整できる場合があります。
 
こうした柔軟性は、自分のペースで働きたい、他にやりたいことがある、といった考え方には合っているのかもしれません。
 

親が最も気になる「お金」の話

親として最も気がかりなのは、やはり経済的な問題でしょう。アルバイトという働き方は、自由度を与えてくれるかもしれませんが、収入面での安定性には不安が残ります。
 
厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況」によると、男女計では、正社員・正職員の34万8600円に対し、正社員・正職員以外は23万3100円となっており、11万5500円の差が出る結果となりました。
 

会社への忠誠心は過去のもの? 変化する若者のキャリア観

息子さんが正社員ではなくアルバイトを選んだ背景には、親世代とは異なるキャリア観があるのかもしれません。「会社に一生をささげる」という考え方は薄れ、一つの会社に依存することにリスクを感じている可能性があります。
 
「出世したくない」という言葉も、その会社のキャリアパスが自身の目指す将来像と合わないと感じたからかもしれません。アルバイトという働き方は、組織に縛られず、自由な時間を使って本当にやりたいことを見つけたり、スキルを磨いたりするための、前向きな選択である可能性もあるのです。
 

息子さんの選択と向き合うために

安定した正社員の道を早い段階に離れ、アルバイトという働き方を選んだ息子さんに対して、親が不安を感じるのは当然といえます。しかし、「出世したくない」という言葉の裏には、責任の重さやワークライフバランスを重視する現代的な価値観が存在するのかもしれません。
 
正社員とアルバイトでは、雇用の安定性や収入面で大きな違いがあるのは事実です。一方で、「会社への忠誠心」よりも自己実現を求める若者のキャリア観の変化も理解する必要があります。息子さんの選択を一方的に否定するのではなく、その背景にある考えや価値観に目を向け、対話していくことが大切です。
 

出典

株式会社パーソル総合研究所 「働く10,000人の就業・成長定点調査」
厚生労働省 令和6年賃金構造基本統計調査の概況
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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