「老後2000万円問題」が不安で、「毎月5万円」を「30年間」貯めるつもりです。貯蓄額は本当に足りますか?

配信日: 2025.06.22 更新日: 2025.06.23
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「老後2000万円問題」が不安で、「毎月5万円」を「30年間」貯めるつもりです。貯蓄額は本当に足りますか?
昨今「老後2000万円問題」が話題となっており、老後に不安を感じている人も少なくないでしょう。本記事では老後2000万円問題をおさらいし、毎月5万円を30年間貯金すると貯蓄額は足りるのか解説します。
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「老後2000万円問題」とは?

「老後2000万円問題」とは、金融庁の金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」にて提起された問題です。同報告書によれば、老後生活に必要な毎月の不足額は平均5万円であり、老後20〜30年の間に総額1300〜2000万円が不足するとされています。
 
なお、「2000万円」はあくまでも平均不足額から単純計算したものであり、不足額は各家庭のライフスタイルや収入・支出によって異なるため注意が必要です。
 
例えば、東京都労働産業局「中小企業の賃金・退職金事情(令和6年版)」によると、都内中小企業のモデル退職金額は大学卒で「1149万5000円」です。退職金のみでは老後の資金が足りなくなる恐れがあるため、計画的な資産形成が必要であるといえるでしょう。
 

令和6年の水準では「老後1200万円問題」になっている可能性

総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2024年(令和6年)平均結果の概要」図1 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支 ‐2024年‐によると、可処分所得22万2462円に対し、消費支出が25万6521円です。
 
したがって、毎月3万4059円不足する計算になります。また、老後30年で計算すると、3万4059円×12ヶ月×30年=1226万1240円の老後資金が必要となると考えられます。
 
しかし、毎月5万円を30年間貯金すると、5万円×12ヶ月×30年=1800万円で「老後1200万円問題」はクリアできる可能性があるといえるでしょう。
 

子どもの教育費も考慮すると長期的な資産形成が重要

老後資金と子どもの教育費を考慮すると、長期的な資産形成が重要です。
 
子どもの教育費は、1人1000万円が目安といわれていますが、私立に進学した場合は金額がさらに大きく膨らむでしょう。そこで、iDeCoやNISAなどの税制優遇制度を活用して、資産形成を始めるのもひとつの選択です。
 
iDeCo(イデコ)とは、国民年金や厚生年金などの公的年金とは別に、任意で加入・運用することで給付を受けられる私的年金制度です。原則60歳まで運用資産を引き出せませんが、拠出した掛け金は全額所得控除の対象となります。また、運用中は非課税で、給付時は受給方法により公的年金等控除や退職所得控除を受けられます。
 
NISA(ニーサ)とは、少額投資非課税制度ともいい、投資による資産形成の支援制度です。
 
一般的に、株式や投資信託で得た配当や譲渡益は、住民税・所得税の課税対象となります。しかし、NISA口座を通じて投資した購入分は、配当や譲渡益が非課税になるのです。
 
2024年1月からスタートした新NISAでは、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの枠を設けており、総枠1800万円まで非課税で保有できます。日本国内在住の18歳以上であれば利用できるため、資産形成の第一ステップとして始めてみるとよいでしょう。
 

まとめ

老後2000万円問題とは、老後20~30年で約2000万円不足する恐れがある問題です。毎月5万円を30年間貯金すると、令和6年の水準である「老後1200万円問題」をおおむねカバーできる可能性があります。iDeCoやNISAなどを活用しながら、無理のない範囲で将来に備えていきましょう。
 

出典

金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」 令和元年 (21ページ)
東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情(令和6年版)」
総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2024年(令和6年)平均結果の概要」
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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