すぐに現金を用意できて便利なので「タンス預金」をしています。友人に「タンス預金は違法」と言われたのですが、本当ですか?

配信日: 2025.06.22 更新日: 2025.06.23
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すぐに現金を用意できて便利なので「タンス預金」をしています。友人に「タンス預金は違法」と言われたのですが、本当ですか?
現金を貯蓄する方法はさまざまですが、タンス預金をしている方も少なくないでしょう。タンス預金のメリット・デメリットはすぐに思いついても、違法性について、詳しくは知らないという方もいるかもしれません。
 
そこで本記事では、タンス預金について解説します。
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タンス預金とは

タンス預金とは、現金を銀行などの金融機関に預けるのではなく、自宅などで保管することを指します。なお、保管場所はタンスに限りません。クローゼットや金庫のほか、自宅以外の貸金庫や会社などで保管している現金もタンス預金に該当します。要は、金融機関を介さずに現金を保管している状態であり、資金の動きに記録が残らない点が特徴です。
 

タンス預金は違法?

現金を自宅で保管していること自体に、違法性はありません。例えば、貯金箱に500円玉をためていたり、お年玉などの現金をそのまま自宅に置いておいたりする行為も、広い意味ではタンス預金といえるかもしれません。しかし、こうした日常的な現金の保管が法律に触れることは基本的にありません。
 
一方で、タンス預金が問題となるのは、それを使って税金の支払いを回避しようとする場合です。例えば、本来は相続税や贈与税の対象となる現金を、自宅でこっそり保管し、申告を行わないようなケースでは、法的な責任が問われる可能性があります。
 
つまり、タンス預金そのものは合法ですが、その使い方によっては法に触れる可能性があるという点に注意が必要です。
 

タンス預金のメリット

ここからは、タンス預金のメリットについて解説します。
 

金融機関の破綻時に財産を守れる

仮に銀行などの金融機関が破綻した場合でも、金融機関ごとに元本1000万円と破綻日までの利息は保証されています。裏を返せば、1000万円を超えた分の預金は保証の対象外です。なお、この保証制度のことを「預金保険制度」とか「ペイオフ」などと呼びます。タンス預金であれば、金融機関の破綻によって財産を失うリスクはありません。
 
ただし、このリスクは複数の金融機関に分散して預けることで対処できます。
 

好きなタイミングで現金を用意できる

金融機関に預けている場合、現金を用意するには銀行やコンビニなどのATMでお金を引き出す必要があります。ただし、施設の営業時間によってはATMが利用できず、現金が用意できないこともあります。コンビニなら24時間営業をしていることが多いものの、近所になければ便利とはいえません。
 
その点、自宅に現金を保管するタンス預金であれば、好きなときに現金を用意できます。また、ATM利用時の手数料が発生することもありません。
 

タンス預金のデメリット

ここからは、タンス預金のデメリットについて解説します。
 

災害や盗難で財産を失うリスクがある

タンス預金は手元に現金がある安心感がある反面、火災や地震といった災害、あるいは空き巣被害によって現金を失ってしまう可能性もあります。銀行口座に預けていればこうした被害を受けにくく、資産を守る手段としてはより安全だといえるでしょう。
 
現金を自宅に保管する場合は、耐火性や防犯性に優れた金庫を使う、保管場所を第三者に知られないようにするなど、慎重な対策が求められます。
 

保管場所を失念するリスク

長い間タンス預金を続けていると、どこに現金を置いたかを本人が忘れてしまうことがあります。いざというときに取り出せなければ、せっかくの貯蓄が無駄になってしまうかもしれません。
 
さらに、家族や周囲の人にタンス預金の存在を伝えていないと、掃除や引っ越しの際に誤って処分されてしまうリスクもあります。その結果、相続の際に財産として把握されず、思わぬトラブルの原因になることも考えられます。
 

タンス預金自体に違法性はない

タンス預金とは、現金を金融機関に預けずに、自宅などで保管することを指します。貯金箱での貯金や子どもが自宅でお年玉を保管することが違法ではないように、タンス預金自体に違法性はありません。
 
ただし、タンス預金を利用した違法行為が発生することはあります。例えば、贈与税や相続税の申告を正しく行わない行為です。これはいわゆる脱税にあたり、当たり前ですが違法行為です。
 
適切な範囲でタンス預金を活用すれば、いざというときにすぐ現金を使えるなどのメリットもあります。仕組みを正しく理解しておけば、より安心して自分のお金を管理できるでしょう。
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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