自治体から「節電ポイント」制度の案内が届きました。これって本当にお得なのでしょうか?
そこで本記事では、自治体と電力会社が連携して実施している「節電ポイント制度」について、制度の実施状況と、電力会社の実施プログラムについて紹介します。
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節電ポイント制度の現況
節電ポイント制度とは、電力の需給が厳しい夏季や冬季に家庭に節電を呼びかけ、協力した世帯にポイントを付与するものです。
現在も一部の電力会社による節電プログラムは継続されており、家庭の節電活動が重要視されています。各家庭では、指定された時間帯に節電に協力することで、電気使用量に応じたポイントが受け取れます。
例えば、東京電力の節電キャンペーンでは、以下のポイントがもらえる仕組みです。
●通常契約の家庭:1日あたり200円相当(最大1000円分)
●再生可能エネルギー100%契約の家庭:1日あたり400円相当(最大2000円分)
一方で、東京都が実施していた「家庭の節電マネジメント事業」は、2024(令和6)年度をもって終了しました。2025年度以降、東京都の節電ポイント制度は、現時点で公表されていません。今後の動きは、東京都環境局や電力会社の公式情報から確認する必要があります。
TEPCOの節電プログラム
TEPCO(東京電力ホールディングス株式会社)の「エコ・省エネチャレンジ」は、電力需給が厳しい時期に家庭の節電を促進することを目的としたプログラムです。2025年7月以降は7月、10月、12月に予定されており、以下の2つの方法でポイントが付きます。
・対象の時間帯に節電するとポイントがもらえる
実施期間:2025年7月1日~2025年10月12日、2025年12月8日~2026年2月28日
・電気を使える時間帯をシフトしてポイントがもらえる
実施期間:2025年10月13日(月)~2025年11月9日(日)
「エコ・省エネチャレンジ」の参加方法は、TEPCOの公式サイトから申し込み、要請に応じて節電を始める流れです。なお、対象者はTEPCOの電力を契約している家庭に限ります。
また、蓄電池を設置している家庭には、「機器制御オプション」を利用することで追加のポイントが付く場合もあります。
節電ポイントは実際いくら相当?
それでは、実際にどれくらいお得になるのか確認してみましょう。
例えば、1日あたり200円相当のポイントを獲得できる節電プログラムに参加した家庭が、通知された時間帯にエアコン(3時間で約0.1キロワットアワー)と照明などを工夫して、合計0.5キロワットアワーの節電をした場合、以下のように計算します。
●電気代の節約額(目安):
0.5キロワットアワー×36.4円(東京電力の平均単価※)=約18.2円
※一般的な家庭が契約している「従量電灯B」で最も多く適用される第2段階料金36.40円/キロワットアワー
つまり、実際の電気代の節約額が約18.2円であるのに対し、受け取れるポイントは1日あたり最大200円相当なので、約11倍の価値をポイントで受け取れる計算になります。
家電ごとの使用量の目安
続いて、家庭で使用している家電について、実際に節電する使用量の目安を図表1で紹介します。
図表1
| エアコン (設定温度21度⇒20度に変更) |
3時間変更 | 0.1キロワットアワー |
| 洗濯乾燥機(乾燥時) | 2時間削減 | 2.2キロワットアワー |
| 洗濯機 | 45分削減 | 0.3キロワットアワー |
| アイロン | 30分削減 | 0.7キロワットアワー |
| 掃除機 | 15分削減 | 0.25キロワットアワー |
| IHクッキングヒーター(1口) | 15分削減 | 0.75キロワットアワー |
| 炊飯器(炊飯時) | 1時間削減 | 1.3キロワットアワー |
| 食器洗い乾燥機 | 1時間削減 | 0.9キロワットアワー |
東京電力エナジーパートナー「TEPCOのエコ・省エネ情報」を基に筆者作成
算定方法は、標準的な使用量から実際の使用量を差し引いた残りを「節電量」として、標準的な使用量から0.01キロワットアワー以上の使用量を削減できた場合が成功となり、ポイントがもらえます。
ポイント交換できるサービス
以下は、ポイント交換できるサービスです。有効期限は、付与された日の2年後の月末です。
●Vポイント
●Pontaポイント
●WAONポイント
●nanacoポイント
●Pontaポイント(au)
●dポイント
●Amazonギフトカード
●PayPayマネーライト
節電ポイント制度は家庭によってお得かどうか決まる
節電ポイント制度は、節電に協力することでポイントがもらえる仕組みです。しかしお得になるかどうかは、家庭の電気使用状況や節電のしやすさにより異なります。
設定されている節電量に応じたポイントは少額にとどまることが多いため、節電する手間とのバランスで判断する必要があるでしょう。
出典
東京都 環境局 家庭の節電マネジメント(デマンドレスポンス)事業
東京都地球温暖化防止活動推進センター クールネット東京
東京電力ホールディングス株式会社 TEPCO カーボンニュートラルプログラム
東京電力ホールディングス株式会社 TEPCO 料金単価表 電灯
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
