単身世帯の「平均貯蓄額」はいくら？ 30代一人暮らしで貯金「50万円」、全然足りてない気がします……。
今回は、30代一人暮らしの平均貯金額のデータをもとに、一人暮らしの老後に必要な貯金額や、30代からの貯金計画について解説します。また、「貯金が苦手」を克服するためのポイントについても紹介していきます。
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目次
30代単身世帯の平均貯蓄額
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査［単身世帯調査］ 令和5年調査結果」によると、30代単身世帯（金融資産を保有していない世帯を含む）の預貯金額は平均289万円でした。一方、株式や投資信託などを含めた金融資産保有額は平均594万円です。
同調査では、30代単身世帯の金融資産保有額の中央値は100万円という結果も出ています。一部の保有額の高い層によって、平均値が引き上げられていることが分かります。
30代一人暮らしで貯金50万円は少ない？
平均値は一部の層が引き上げていますが、中央値である「100万円」と比較した場合には、30代の一人暮らしで貯金50万円は少ないといえるでしょう。ただし、家計の状況は人により大きく異なります。自分に無理のないペースで、コツコツと貯金することが大切です。
一人暮らしの老後に必要な貯金額は？
総務省の「2019年全国家計構造調査」によると、高齢無職単身世帯の実収入と消費支出はそれぞれ図表1の通りです。
図表1
| 実収入 | 消費支出 | |
|---|---|---|
| 男性 | 16万3492円 （社会保険給付：14万9802円） |
16万2603円 |
| 女性 | 14万1646円 （社会保険給付：12万8908円） |
14万9146円 |
出典：総務省「2019年全国家計構造調査」より筆者作成
男女ともに、実収入と消費支出はほぼ同額です。しかし、年金などの社会保険給付は男性が14万9802円、女性が12万8908円と差があります。
消費支出との差額を考えると、年金収入だけでは男性は月に1万2801円（年間15万3612円）が不足し、女性であれば月に2万238円（年間24万2856円）が不足する計算です。
また、厚生労働省の「令和5年簡易生命表の概況」によると、男性の平均寿命は81.09歳、女性の平均寿命は87.14歳です。年金の支給開始年齢を65歳として、男性の年金受給期間は約16年、女性の年金受給期間は約22年と考えると、老後までに貯めておきたい金額は以下の通りです。
男性：245万7792円
女性：534万2832円
ただし、上記には介護費用や葬儀費用などは含まれていません。介護費用を500万円、葬儀費用を100万円として、それぞれ600万円程度プラスして考えるとよいでしょう。つまり、単身男性は約850万円、単身女性であれば約1000万円の貯蓄をしておくべきです。
なお、厚生労働省の「平均寿命の推移」によると、日本人の平均寿命は増加傾向にあります。また、2040年ごろには、男性の平均寿命は83.27歳、女性の平均寿命は89.63歳になるという推計です。長生きすることを考えて、老後資金にはある程度余裕を持たせておくようにしてください。
30代貯金「50万円」から老後資金を貯めるシミュレーション
現在の年齢を35歳として考えると、年金支給開始年齢の65歳までには30年あります。
現在の貯金額が50万円の場合、上記の試算から30年後までに必要な貯金額は男性が800万円、女性が950万円です。年間で考えれば、男性は約27万円、女性であれば約32万円ずつ貯金すれば目標額を達成できる計算になります。
「貯金が苦手」を克服するためのポイント
貯金が苦手な人は、次のポイントを押さえて無理なくお金を貯めましょう。
毎月の収支を把握する
なかなかお金を貯められない人は、何にいくら使っているかを把握するところから始めてください。家計簿をつけて項目ごとの支出を整理すれば、節約ポイントを見つけられる可能性があります。
先取り貯金をする
目標金額から逆算して毎月の貯金額を決めたら、給与が振り込まれたタイミングで、その分の金額を「先取り貯金」しましょう。貯金用の口座にお金を移せば、貯金にうっかり手をつけてしまうリスクを減らせます。
固定費を見直す
保険料や通信費などの固定費を一度見直せば、継続的な節約効果が得られます。特に気をつけたいのが、スマートフォンの料金プランです。月々数百円程度で利用できる格安SIMもあるので、乗り換えを検討してみるのもいいでしょう。
まずは収支を把握し、無理なく貯蓄額をアップしましょう
2023年の金融広報中央委員会の調査によると、30代単身世帯の預貯金額は平均289万円、株式や投資信託なども含めた金融資産保有額は平均594万円でした。また、30代単身世帯の金融資産保有額の中央値は100万円です。
30代で貯金額が50万円であれば、心もとないといえるでしょう。安心して老後の生活を送るために、今から貯金習慣を身に付けるようにしてください。
出典
金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査［単身世帯調査］令和5年調査結果
総務省 2019年全国家計構造調査
厚生労働省 令和5年簡易生命表の概況
厚生労働省 令和2年版 厚生労働白書 図表1-2-1 平均寿命の推移
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
