ご飯、みそ汁、麦茶は「おいしいお水」を使いたいです。「ウォーターサーバー」と「浄水器」で悩んでいるのですが、コスパがいいのはどちらですか?
そんな中、おいしい水を確保する方法として、「ウォーターサーバー」や「浄水器」の導入を検討する人もいるかもしれません。この記事では、それぞれのコストや手間、安全性などを比較し、家庭に合った選び方を考えます。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
ウォーターサーバーにかかる費用の内訳
家庭で人気のウォーターサーバーですが、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。タイプ別に見ていきます。ウォーターサーバーには、大きく分けて「宅配型」と「浄水型」の2種類があり、それぞれ費用構造が異なります。
「宅配型」ウォーターサーバーは、天然水やRO水(不純物を除去した水)のボトルを定期的に自宅へ届けてもらうサービスです。大手メーカーの料金プランを見ると、水の料金は12Lボトル1本あたり約2000円が目安です。
加えて、サーバーのレンタル料(無料から月1000円程度)や、電気代が必要です。電気代は省エネ性能の高い機種も増えていますが、月々500円から1000円程度を見ておくとよいでしょう。
一方、「浄水型」ウォーターサーバーは、水道水をサーバー内部のフィルターでろ過するタイプです。料金は月額3000円から4000円程度の定額制が多く、この料金にサーバーレンタル料やフィルター交換費用が含まれています。
水は自宅の水道水を使うため、水代を気にせず使えるのが特徴です。電気代は宅配型と同様に月々500円程度かかりますが、水道料金はごくわずかです。
浄水器にかかる費用の内訳
浄水器は、水道の蛇口に取り付けるタイプや、ポット型、据え置き型などがあります。最も手軽な「蛇口直結型」の場合、本体価格はおおむね数千円から1万円程度です。
ランニングコストは、定期的なカートリッジ交換費用のみです。大手メーカーの製品を見ると、カートリッジは3ヶ月で交換するタイプが多く、価格は1個あたり3000円から4000円程度です。これを月額に換算すると、約1000円から1300円となります。
「ポット型」であれば、本体は数千円、カートリッジは2ヶ月から3ヶ月ごとの交換で1個1000円台からあり、より気軽に始めやすいでしょう。浄水器は電気を使わないため、電気代はかかりません。初期費用として本体購入費はかかりますが、月々の負担はカートリッジ代と水道代のみとなります。
【モデルケース別】月々の費用をシミュレーション
それでは、実際にどれくらいの費用差が出るのか、具体的なモデルケースで計算してみましょう。例えば、夏場に小学生の子ども2人が毎日1Lの水筒を持っていくと、それだけで月に約60Lになります。
今回はこの「月60L」を一つの基準として、4人家族の費用を比較してみましょう。
・電気代の計算は、公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が目安としている、「1kWh (キロワット時)あたり31円」を使用します。
・水道料金は、東京都水道局が公表している「1Lあたり約0.24円」を参考に計算します。
1.宅配型ウォーターサーバー(天然水)
・水代(12Lボトル5本): 約9500円(※1本1900円と仮定)
・サーバーレンタル料: 0円(無料プランと仮定)
・電気代: 約500円
・合計: 月額 約1万円
2.浄水型ウォーターサーバー
・定額レンタル料: 約3300円
・水道代(60L): 約14円
・電気代: 約500円
・合計: 月額 約3814円
3.浄水器(蛇口直結型)
・カートリッジ代: 月額換算 約1200円
・水道代(60L): 約14円
・電気代: 0円
・合計: 月額 約1214円
今回のシミュレーションは月60Lを基準としましたが、ご家庭によってはさらに多くの水を利用するでしょう。以下の目安を参考に、ご自身の家庭の消費量を計算してみてください。
・毎日お米を2合炊く場合:+約15L/月(炊飯に使う水の目安)
・毎日4人分のみそ汁を作る場合:+25L/月(少し多めに作る場合を含む)
もし、水筒(60L)とお米(15L)、みそ汁(25L)で合計約100Lを利用する場合、宅配型の水代は12Lボトル約8.3本分となり、料金は約1万5800円まで上がる可能性もあります。このように、浄水型や浄水器との価格差は、利用量が増えるほど顕著になるでしょう。
家庭のライフスタイルに合うものが一番お得
単純な月額費用だけを見ると、浄水器が最も経済的です。初期投資を抑え、ランニングコストを重視するならば、浄水器が有力な選択肢となるでしょう。
一方で、ウォーターサーバーには、いつでも冷水と温水が使えるという大きな利便性があります。お茶やコーヒーをよく飲む、赤ちゃんのミルク作りがあるといったご家庭では、その価値は金額以上かもしれません。
特に浄水型サーバーは、宅配型よりもコストを抑えながら、手軽さや便利さも得られるバランスの取れた選択肢です。
最終的にどちらがお得かは、家庭が水に何を求めるかによって変わります。コスト、利便性、味の好みなど、総合的に比較検討し、ライフスタイルに最適なものを選ぶのがよいでしょう。
出典
東京都水道局 節水について
公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会 よくある質問 Q&A
農林水産省 大事な水、どうやって備えますか?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
