国からフルーツ「1日200グラム」が推奨されてるけど、果物が高くて難しい! 実際に食べるといくらかかる?「4人家族」のケースで試算
本記事では、4人家族で1人200グラムの果物を食べる場合に、いくらかかるかを具体的に試算します。
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毎日くだもの200グラム運動とは
厚生労働省の方針である「健康日本21(第三次)」において、果物摂取量の目安は1日200グラムとされています。果物にはビタミンやミネラル、食物繊維が多く含まれており、1日200グラム以上の摂取が生活習慣病の予防や健康の保持増進につながります。
しかし、厚生労働省が実施した「令和5年国民健康・栄養調査結果の概要」によると、20歳以上の1日あたりの果物摂取量は、平均92.9グラムです。
この現状を改善するために、生産、流通、消費の関係団体、ならびに農学、医学、食生活指導、料理等の専門家から構成された「毎日くだもの200グラム推進全国協議会」による「毎日くだもの200グラム運動」が行われ、果物の消費拡大が図られています。
果物200グラムを摂取するための目安数量と得られる健康効果
実際に、毎日200グラムの果物を摂取するためには、何をどれくらい食べればよいのでしょうか。果物ごとの目安数量をまとめたものが図表1です。
図表1
毎日くだもの200グラム推進全国協議会 FACT BOOK より筆者作成
図表1の数量を目安に果物を食べることで、ビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素を十分に確保できます。
果物には果糖が多く含まれるため、肥満や糖尿病の原因になると誤解されがちです。しかし、アメリカ食品医薬品局は「糖が直接的に生活習慣病発症の原因となるわけではない」と示しているため、摂取量を守って食べれば問題ないでしょう。
4人家族で毎日1人200グラムの果物を食べると、1日にいくらかかるのか
健康のためとは言え、果物売り場を見ると、高くて手が出ない人も多いことでしょう。毎日200グラムの果物を摂取するには、実際にいくらかかるのでしょうか。みかん、りんご、なしなどの10種類の果物について、200グラムあたりの値段をまとめたものが図表2です(2025年6月時点)。
図表2
アグリネ、物価高騰ランキング より筆者作成
図表2の値段を基に計算すると、4人家族では平均で1日545円かかる計算です。つまり、1ヶ月で約1万6000円かかるということです。
ただし、これは図表2の10品目で計算した場合であり、組み合わせ方を工夫したりここにはない果物を含んだりすることで、費用は大きく変わってきます。
まとめ
毎日の食生活に果物を定着させるために、日本では「毎日くだもの200グラム運動」が推進されています。
しかし、値段が高く、果物を買うことに抵抗がある人もいるでしょう。4人家族では1日に545円ほどかかる計算ですが、旬な果物や訳あり品を狙うことで、家計への負担を減らせます。買い方を工夫することで、果物を毎日200グラム摂取できるようにし、健康的な体を作っていけると良いですね。
出典
農林水産省 毎日くだもの200グラム!
農林水産省 毎日くだもの200グラム推進全国協議会
厚生労働省 健康日本21(第三次)国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針
厚生労働省 令和5年国民健康・栄養調査結果の概要
毎日くだもの200グラム推進全国協議会 FACT BOOK
執筆者 : 舟山こうた
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