【令和7年最新】「103万円の壁」が引き上げに!最大「160万円の壁」に引き上げられると家計にはどのような影響が?

配信日: 2025.06.28
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【令和7年最新】「103万円の壁」が引き上げに!最大「160万円の壁」に引き上げられると家計にはどのような影響が?
「年収の壁」というワードを耳にした方も多いでしょう。特に2024年末にかけて、ニュースやテレビで大きな話題として取り上げられました。
 
2025年3月に、年収の壁を引き上げる修正案が国会で可決されました。これにより、消費者の税負担が軽くなることが見込まれます。本記事では年収の壁や、壁の引き上げによって家計にどのような影響が出るか解説します。
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令和7年度税制改正で「103万円の壁」が引き上げに

年収の壁とは、税金や保険料の支払いが発生する収入金額の境界線を指す言葉です。年収の壁を超えないように働く人の多さが問題になっています。また、103万円という基準は1995年から改正されていないため、現代の物価基準にはそぐわないという指摘もありました。
 
こういった背景から、令和7年度税制改正において年収の壁である「103万円の壁」が「123万円」に引き上げられました。これは基礎控除と給与所得控除の最低保障額が、それぞれ10万円ずつ引き上げられることによるものです 。
 
また、低所得者層の税負担への配慮として課税最低額を160万円まで引き上げる特例も設けられ、注目を集めています。年収の壁を引き上げることによって、労働意欲の増大や、消費者の税負担軽減などが見込まれ、経済を活性化する狙いがあります。
 
表1には、主な年収の壁をまとめました。
 
表1

名称 発生する支払い 備考
100万円の壁 住民税 自治体によって壁が変化
103万円の壁 所得税 配偶者控除が配偶者特別控除に
106万円の壁 健康保険・厚生年金保険 負担額は会社と折半

※厚生労働省「『年収の壁について知ろう』」を基に筆者作成
 
配偶者控除とは、収入が一定以下の配偶者がいる際に受けられる所得控除です。最大で38万円を課税対象から控除することが可能です。配偶者特別控除は、配偶者の所得によって控除できる金額が変化します。最大控除金額は38万円ですが、配偶者の収入が増えるごとに金額は減っていきます。
 

夫婦共働き世帯で合計「4~5万円」程度の減税が見込まれる

年収の壁が引き上げられることにより、所得税の負担軽減が見込まれています。表2は、世帯の年収別に見込まれる減税額の一覧です。
 
表2

世帯モデル 世帯年収 減税額
単身世帯 200万円 2万4000円
400万円 2万円
夫婦共働き世帯
(本人の年収+配偶者の年収)
400万円(200万+200万) 4万7000円
800万円(400万+400万) 4万円
800万円(600万+200万) 4万4000円
2000万円(1000万+1000万) 4万円

出典:自由民主党、公明党「基礎控除の特例の創設について」を基に筆者作成
 
共働き世帯の場合、2人の収入比率にもよりますが、4〜5万円の減税が見込まれます。
 

「103万円の壁」引き上げが家計にもたらす影響

103万円の壁が引き上げられることにより、以下のような好影響が期待できます。
 

・働き方の多様化

所得税の支払いを避けるために、労働時間をおさえる必要がなくなります。そのため、より柔軟な働き方の選択ができるようになるでしょう。昨今における、人手不足問題の解決にもつながるかもしれません。
 

・家計への負担軽減

税負担が減ることにより、手元に残る収入が増えます。それに伴い消費行動の拡大が期待されるため、経済の活性化にもつながるでしょう。また、将来に向けての貯蓄に回せる金額も増えます。多くの人が老後への不安を抱える現代においては、将来にお金を残すことも一つの選択肢です。
 

まとめ

令和7年度税制改正により、所得税に関する複数の「壁」が見直されました。この改正により労働時間の制限が緩和され、働き方がより多様化することが予想されます。世帯によっては税負担が軽減される可能性もあるため、ご自身の状況に合わせた働き方を考えてみましょう。
 

出典

財務省 基礎控除等の引上げと基礎控除の上乗せ特例の創設
国税庁 No.1191 配偶者控除
国税庁 No.1195 配偶者特別控除
厚生労働省 『年収の壁について知ろう』
自由民主党、公明党 基礎控除の特例の創設について
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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