「海苔の値上がり」でコンビニの“おにぎり・弁当”がピンチ! 価格は2年で「約1.4倍」に!? 価格推移と高騰の背景とは
しかし、実は値上げの原因は米だけではありません。意外なところで、海苔の価格が大きく上昇しており、それがじわじわとコンビニ商品に波及しています。
本記事では、海苔の価格推移や実際に値上げされている商品、海苔価格高騰の背景などについて解説します。
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海苔価格はここ最近上昇している
海苔の価格はここ数年でじわじわと高騰しており、一部のコンビニやスーパーでは海苔を使用した商品の価格の見直しが行われました。
総務省の小売物価統計調査によると、東京都の干しのり(1袋・10枚)の価格は、2023年5月には439円だったものが徐々に上昇し続けており、2024年5月には527円、2025年5月には621円となっています。
海苔の価格が上昇している背景には、異常気象による海水温の変化や、それによる生産量の減少、養殖コストの上昇と人手不足、輸送費の高騰などが挙げられます。これらの要因は一朝一夕で解決するものではないため、海苔価格の上昇は今後も当面の間は続く可能性が高いでしょう。
海苔価格の上昇がコンビニの商品の値上げにも直結!
2025年4月、セブン-イレブンは公式サイトで、海苔価格の高騰による一部商品の価格見直しを発表しました。
同社では、「高騰する原材料価格の影響を一部価格改定という形で反映せざるを得ない」という旨のコメントをしています。
対象となったのは、各種手巻きおにぎりです。具体例としては、「手巻きおにぎり 北海道産昆布」と「手巻おにぎり 梅」は162円から178円に、「手巻おにぎり 炭火焼熟成紅しゃけ」と「手巻おにぎり 具たっぷり辛子明太子」は200円から214円に値上げされました。(全て税込。四捨五入)
この価格改定は、消費者から見れば「たかが数十円」と思えるかもしれません。しかし、毎日買う人にとっては、その積み重なりは、月に数百円、年間では数千円の違いにもなることもあるでしょう。
コンビニのおにぎりなどの価格改定はほかにも
おにぎり系の値上げを行っているのはセブン-イレブンだけではありません。ファミリーマートも2025年6月10日から一部の米飯商品の値上げを実施しています。
例えば、「直巻 焼しゃけ」は158円から170円に、「手巻 新昆布」は160円から170円に、「手巻寿司 シーチキンマヨネーズ」は168円から180円に、「幕の内弁当」は578円から594円になっています。(全て税込)
6月末まではレシートクーポンによる割引で実質の値上げ圧を和らげる工夫もされていますが、多くの人は値上げによって負担増となるでしょう。
まとめ
コンビニのおにぎりや弁当は、私たちの日常に根付いた庶民派のメニューです。だからこそ、その価格や味に変化があれば、家計や食の満足度にも少なからず影響します。
今回の海苔価格の高騰は、お米やほかの食材と同様に、日本の食卓をじわじわと変え始めています。「なんとなく高くなった気がする」と感じたら、その裏には複雑な市場の動きがあるかもしれません。
これからも、コンビニで手に取るいつものおにぎりや弁当の価格や味、量などがいつの間にか変わっていく可能性があります。その際には、単なる価格改定としてとらえるだけでなく、ぜひ、その裏にある複雑な市場の動きなどについて考えを巡らせてみてください。
出典
株式会社セブン‐イレブン・ジャパン 海苔価格高騰への対応に関するお知らせ
総務省統計局 小売物価統計調査
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
