妻に「10万円の除湿器がほしい」と言われ戸惑い! エアコンにも「除湿機能」はあるけど、本体価格も含めると“コスパ”はどうなのでしょうか? 機能やコストを比較

配信日: 2025.06.28
この記事は約 4 分で読めます。
妻に「10万円の除湿器がほしい」と言われ戸惑い! エアコンにも「除湿機能」はあるけど、本体価格も含めると“コスパ”はどうなのでしょうか? 機能やコストを比較
梅雨の時期になると洗濯物が乾きにくく、室内の湿度も高くなりがちです。夫婦間でも「除湿器を買いたい」「エアコンがあるから不要では?」といった意見の違いが生まれることはあるのではないでしょうか。
 
本記事では、10万円の除湿器とエアコンの除湿機能について、コストパフォーマンスの観点から比較検討してみます。
藤澤環奈

ファイナンシャルプランナー2級技能士・夫婦カウンセラー

除湿器とエアコンの除湿機能の違い

除湿器とエアコンの除湿機能には、それぞれ異なる特徴があります。まずは基本的な違いを整理しておきましょう。
 

除湿器の特徴

除湿器は、湿度を下げることに特化した家電です。コンプレッサー式、デシカント式、ハイブリッド式などの種類があり、それぞれ除湿能力や消費電力が異なります。高性能な機種では、1日あたり20リットル以上の除湿が可能です。
 

エアコンの除湿機能の特徴

エアコンの除湿機能は、冷房運転の際に空気中の水分を取り除く仕組みです。再熱除湿機能付きのエアコンでは、室温を下げずに除湿することもできます。ただし、除湿専用機器と比べると除湿能力は劣る場合があります。
 

10万円の除湿器の性能とコスト

10万円クラスの除湿器は高性能モデルに分類され、以下のような特徴があります。
 
▼性能面
除湿能力:1日あたり15~25リットル程度
・対応面積:~40畳程度
・消費電力:150~500ワット程度
・運転音:40~50デシベル程度
 
▼ランニングコスト
除湿器の電気代は、運転モードや消費電力、使用時間によって決まります。500ワットの除湿器を1日8時間使用した場合の電気代を計算してみましょう。
 
▼月間電気代の計算例
・消費電力:500ワット
・使用時間:1日8時間
・電気料金単価:31円/キロワットアワー(全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価)
月間電気代=0.5キロワット×8時間×30日×31円=約3720円
 

エアコンの除湿機能のコスト

次に、エアコンの除湿機能を使用した場合のコストを見てみましょう。
 
▼本体価格
エアコンの価格は機能や対応面積によって大きく異なります。
・6~8畳用:8万~15万円程度
・10~14畳用:10万~20万円程度
・18~23畳用:15万~25万円程度
 
▼除湿運転時の電気代
エアコンの除湿運転時の消費電力は、再熱除湿方式の場合に冷房運転よりもやや高くなる傾向があります。
 
▼月間電気代の計算例(14畳用エアコン)
・消費電力:700ワット程度
・使用時間:1日8時間
・電気料金単価:31円/キロワットアワー
月間電気代=0.7キロワット×8時間×30日×31円=約5208円
 

コストパフォーマンスの比較

図表1で、初期投資とランニングコストを合わせて5年間の総コストを比較してみましょう。
 
図表1

図表1

筆者作成
 
5年間総コストはエアコンが約46万2480円、10万円除湿機が約32万3200円なので初期投資とランニングコストを含めた5年間の差額は約14万円です。
 

使用シーンによる使い分け

コストだけでなく、使用目的や設置場所も考慮する必要があります。
 

除湿器が適している場面

●洗濯物の室内干しが多い
●特定の部屋だけ湿度が高い
●エアコンのない部屋で除湿したい
●梅雨時期など限定的な使用

 

エアコンの除湿機能が適している場面

●冷房も同時に使いたい
●年間を通じて温度・湿度管理をしたい
●設置スペースを節約したい

 

夫婦での話し合いのポイント

家電の購入について夫婦で意見が分かれる場合は、以下の点を整理して話し合うことが大切です。
 

使用目的の明確化

まず、なぜ除湿機能が必要なのかを具体的にしましょう。洗濯物の乾燥、湿度による不快感の解消、カビ対策など、目的によって最適な選択肢が変わります。ハイクラスの除湿機が必要のない場合もあると思います。
 

予算と優先順位の確認

家計の状況を踏まえ、どの程度の予算をかけられるかを話し合いましょう。また、ほかの家電の買い替え予定との優先順位も考慮する必要があります。
 

試用期間の設定

可能であれば、レンタルサービスを利用して短期間試用してみるのも1つの方法です。実際の使用感や効果を確認してから購入を検討できます。
 

まとめ

10万円の除湿器とエアコンの除湿機能を比較した結果、5年間の総コストではエアコンのほうが約14万円高くなることが分かりました。ただし、すでにエアコンがある場合は初期費用が不要になります。また、エアコンは除湿機能以外の冷暖房機能があります。
 
一方、除湿性能や使い勝手、設置の自由度を考慮すると、除湿器にもメリットがあります。特に洗濯物の室内干しが多い家庭や、湿度対策を重視する場合は、除湿器の購入を検討する価値があるでしょう。
 
夫婦間で家電の購入について話し合う際は、コストだけでなく使用目的や生活スタイルも含めて総合的に判断することが重要です。お互いの意見を尊重しながら、家計にとって最適な選択をしていきましょう。
 
執筆者 : 藤澤環奈
ファイナンシャルプランナー2級技能士・夫婦カウンセラー

  • line
  • hatebu
【PR】 SP_LAND_02
FF_お金にまつわる悩み・疑問