米の価格が昨年の2倍! これから米の値段はどうなるの?
米はどのくらい値上がりしているのか、米の販売数量は増えているのか、今後値下がりする予定なのか……など、今回は米の流通についてチェックしていきましょう。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。
富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”
米の販売価格をチェック
日本の米の販売価格は、前年に比べて大幅にアップしています。農林水産省の資料によると、2025年4月21日の週は、5キログラムで4233円となっています。2024年の同月比では、5キログラムで2088円だったので、この1年間で2倍以上に値上がりしました。
米の販売価格は2025年4月現在、17週連続で上昇しており、過去最高価格を更新しています。
米の販売数量は増える?
米の大幅な価格上昇に対応するため、政府や企業は、米の流通量を増やそうと、いくつかの対策を実施しています。
・備蓄米の放出
・外国産米の輸入
政府は災害時などに備えて、常時米を備蓄しています。しかし今回は価格高騰に対応するため、備蓄米を市場に放出しました。米の流通量を増やすことで、市場価格を下げることが狙いです。ただし、卸売業者や小売業者が備蓄米をすぐに販売するとはかぎらず、私たちの手元にまで備蓄米が届くには、多少時間がかかると考えられます。
さらに民間企業によっては、外国から米を輸入しているケースもあるようです。一般的に外国産の米には関税がかかりますが、日本国内の米の価格も大幅に値上がりしているため、関税がかかっても、採算がとれると見込んでいると考えられます。
今後の米の流通見通し
最後に、今後の米の流通量や、価格変化について、見ていきましょう。
現在、政府が本格的に米の価格上昇への対策に乗り出しているため、今後の日本における米の流通量は徐々に増えていくでしょう。また、流通量が増えれば価格が落ち着くと考えられます。
ただし、アメリカのトランプ大統領が行っている関税政策の動向によっては、米の価格は引き続き高水準のまま推移する可能性もあります。
アメリカは、貿易赤字を解消するため、世界各国に関税の見直しを求めています。日本における米の自給率はほぼ100%ですが、アメリカからアメリカ産の米の輸入を強く求められると、今後の米の価格に得以上を与えるかもしれません。
今後、日本の米の価格がどうなるのかという点については、日本政府の備蓄米放出対策や、アメリカと日本の関税問題にぜひ注目しましょう。
まとめ
米は日本人の主食であり、私たちの生活に欠かせない重要な食糧品です。米の価格の高騰は、各家庭に大きな負担を与えています。米の価格が高騰している現在、私たちは、少しでも安い価格で米を購入する、米の代替品として、パンやうどんなどの小麦製品を代用するなどの対策を行うのが有効です。工夫をしながら、家計をやりくりする必要があります。
そして、今後日本の米の価格がどうなるのか、気になっている方も多いでしょう。今回紹介した内容を参考にしながら、日々のニュースも加えて、米の価格に影響を与える流通量や、アメリカとの関税問題をぜひチェックしてみましょう。
出典
農林水産省 米の流通状況等について
執筆者 : 下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
