在宅勤務可なのに、毎日“出社”する同僚。「自宅のエアコン代の節約のため」と言われたのですが、実際いくら電気代が安くなるのでしょうか?「月20日」出社するケースで試算

配信日: 2025.06.29
この記事は約 4 分で読めます。
在宅勤務可なのに、毎日“出社”する同僚。「自宅のエアコン代の節約のため」と言われたのですが、実際いくら電気代が安くなるのでしょうか?「月20日」出社するケースで試算
自宅で仕事ができるリモートワークは、通勤などのストレスがなく快適に感じる人も多いのではないでしょうか。ただ、気温が高くなるこれからの季節は、エアコンなしでは過ごせない日も増えてきます。そうなると気になるのは、やはり電気代でしょう。
 
そんなとき、同僚から「エアコン代を節約するためにあえて出社している」と聞いたら、「確かにそれもアリかも」と思ってしまうのも無理はないでしょう。特に一人暮らしだと、自分だけのために長時間エアコンをつけるのはもったいなく感じることもあるかもしれません。
 
では、実際にリモートワークを続けた場合と出社した場合で、エアコンの電気代はどれくらい違うのでしょうか? 今回は、実際のエアコン機種と電気料金プランをもとに「出社することでどのくらい節約になるのか?」を分かりやすく比べてみました。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

出社で節約できるって本当? 実際のエアコンと電気代で検証

例えば、Panasonicの家庭用エアコン「CS-X285D」(8~12畳)を使った場合で考えてみましょう。このモデルの場合、冷房時の平均消費電力は0.515キロワットです。もちろん実際には気温や部屋の広さなどによって上下しますが、今回はあくまで目安としてこの数字を使います。
 
電気代は東京電力エナジーパートナーの「従量電灯B」というプランを参考にします。こちらは多くの家庭で利用されている料金体系で、使った分に応じて段階的に料金が上がる仕組みです。契約は一般的な40アンペアで、基本料金は1247円です。
 
これらの条件をもとに、リモートワークで1日中エアコンをつけている場合と、出社のため8~18時はエアコンを切っている場合の電気代を比較します。なお、1ヶ月の出勤日数は20日とし、いずれの場合も夜間はエアコンを使用していると仮定します。
 

リモートワークでは月に約1万4000円の電気代

まずは、リモートワークを選んだ場合の電気代を計算してみましょう。勤務日である20日間はもちろん、残り10日の休日も1日中エアコンをつけるとすると、1ヶ月の使用時間は24時間×30日で720時間になります。
 
この時間にエアコンの平均消費電力(0.515キロワット)をかけると、電気の使用量は次のように算出できます。
 
0.515キロワット×720時間=370.8キロワットアワー(約371キロワットアワー)
 
この電力量に東京電力の段階別料金を適用すると、

第1段階:120キロワットアワー×29.80円=3576円
第2段階:180キロワットアワー×36.40円=6552円
第3段階:71キロワットアワー×40.49円=2874円
※1円以下は切り捨てて計算

これらを合計すると電力量料金は1万3002円になります。ここに基本料金(1247円)を加えると、
 
1万3002円+1247円=1万4249円
 
という結果になりました。1ヶ月のエアコン代だけで1万円を超えるとは、やはり夏の電気代はあなどれません。
 

出社した場合の電気代は月約1万円で、その差は4000円

一方、出社した場合はエアコンの稼働時間は1日14時間です。この場合も休日は1日中エアコンを使うとすると、1ヶ月のエアコン稼働時間は520時間です。

14時間×20日(出社日)=280時間
24時間×10日(休日)=240時間
240時間+280時間=520時間

この520時間にエアコンの平均消費電力(0.515キロワット)をかけると、
 
0.515キロワット×520時間=267.8キロワットアワー(約268キロワットアワー)
 
この電力量に東京電力の段階別料金を適用すると、

第1段階:120キロワットアワー×29.80円=3576円
第2段階:148キロワットアワー×36.40円=5387円
※1円以下は切り捨てて計算

これらを合計すると電力量料金は8963円になります。ここに基本料金(1247円)を加えると、
 
8963円+1247円=1万210円
 
つまり、リモートワークで1日中エアコンを使っていた場合の1ヶ月の電気代(約1万4000円)と、毎日出社した場合の1ヶ月の電気代(約1万円)の差は約4000円になります。
 

「毎日出社」も節約の一手? 働き方のヒントに

この差額をどう見るかは人それぞれですが、「月に数千円安くなるなら、エアコン代のために出社するのもアリかも」と思う人もいるかもしれません。ただ、出社には時間的なコストがかかりますし、毎日外でランチをとると、そのぶん出費が増えてしまうこともあります。
 
とはいえ、冷房がしっかり効いているオフィスで過ごせるというのは、猛暑の中ではかなりありがたいポイントでしょう。家にいるときより涼しく、快適に働けるというメリットは、節約以上に大きいかもしれません。
 
エアコン代の節約効果だけに注目するのではなく、毎日の生活や働きやすさをふまえて、「自分にとってちょうどいいバランス」を見つけることが大切ですね。
 

出典

パナソニック株式会社 インバーター冷暖房除湿タイプ ルームエアコン CS-X285D 仕様
東京電力エナジーパートナー株式会社 従量電灯B・C
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu
【PR】 SP_LAND_02
FF_お金にまつわる悩み・疑問