蒸し暑いので「除湿モード」でエアコンを運転。妻に「電気代が余計にかかるから冷房にして」と言われましたが、除湿のほうが“安い”ですよね? それぞれの費用を比較

配信日: 2025.07.02 更新日: 2025.07.04
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蒸し暑いので「除湿モード」でエアコンを運転。妻に「電気代が余計にかかるから冷房にして」と言われましたが、除湿のほうが“安い”ですよね? それぞれの費用を比較
梅雨入り後、気温が高くジメジメとした日が続いています。すでにエアコンを毎日利用している人も多いのではないでしょうか。エアコンを利用するとき、冷房よりも除湿のほうが電気代は安いと思っている人がいるかもしれません。しかし、場合によっては冷房よりも除湿のほうが高くなるので注意が必要です。
 
本記事では、エアコンの冷房と除湿では、どちらのほうが電気代は高くなるのかについて解説します。
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3種類の除湿方式の違いとは?

一言で「除湿運転」と言っても、エアコンの除湿方式には、次の3種類があります。
 

弱冷房除湿

除湿と同時に適度に空気を冷やす機能です。一般的に広く使われており、機種によっては「ドライ」と表示されている場合もあります。あくまでも湿度を下げることが主な目的のため、気温が高い日など、部屋の温度をしっかり下げたい場合には冷房のほうが効率よく部屋を冷やせます。
 

再熱除湿

部屋の温度を下げずに除湿する機能です。除湿の過程で冷やした空気を暖めてから室内に戻すため、部屋を冷やすことがありません。冷やした空気を暖める手順があるため、ほか2種類の除湿方式に比べて消費電力が大きく、電気代が高いことがデメリットです。
 

ハイブリッド除湿

除湿しながら室温に近い温度の空気を部屋に戻すことで、過度に冷やしすぎずに除湿する機能です。再熱除湿と似ていますが、除湿して冷やされた空気と部屋の空気を混ぜて温度調節することが特徴です。空気を再加熱しないので、再熱除湿よりも消費電力が抑えられます。
 
エアコンの種類にもよりますが、一般的には、弱冷房除湿またはハイブリッド除湿、冷房、再熱除湿の順に消費電力が大きくなる傾向にあります。
 

除湿と冷房、どちらが電気代は高くなる?

冷房と除湿で電気代にどの程度差があるのかを計算してみましょう。除湿運転時の消費電力はカタログに明記されていないことが多いため、少し古いデータですが、2009年に東京電力が実施した、『エアコンの「冷房」と「除湿」の上手な使い方』という調査結果を参考に計算します。
 
なお、本調査にはハイブリッド除湿の記載がないため、冷房、弱冷房除湿、再熱除湿の3タイプで比較します。
 

1時間あたりの電気代

それぞれ設定温度24℃で1時間運転したときにかかる電気代は次の通りです。

・冷房:1時間あたり11.0円
 
・弱冷房除湿:1時間あたり4.1円
 
・再熱除湿:1時間あたり14.9円

資料発表当時の目安とされていた電力単価は22.86円/キロワットアワーでした。現在、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が発表している目安単価は31円/キロワットアワーですので、単価を変更して計算すると次の金額になります。

・冷房:1時間あたり約14.9円
 
・弱冷房除湿:1時間あたり約5.6円
 
・再熱除湿:1時間あたり約20.2円

1ヶ月あたりの電気代

例えば、毎日12時間エアコンを運転する場合で計算してみましょう。1ヶ月(30日間)の電気代は次の通りです。

・冷房:14.9円×12時間×30日=5364円
 
・弱冷房除湿:5.6円×12時間×30日=2016円
 
・再熱除湿:20.2円×12時間×30日=7272円

弱冷房除湿であれば、冷房に比べて月に約3348円安くなります。一方、再熱除湿であれば冷房より月約1908円高くなるため、冷房のほうが電気代は抑えられます。現在は資料発表当時よりもエアコンの性能が向上しているため、一概にこの通りの金額差が出るとは言い切れませんが、参考にしてください。
 

エアコンの除湿方式と特徴を理解して運転モードを選択しよう

エアコンの除湿運転には、弱冷房除湿と再熱除湿、ハイブリッド除湿の3種類があります。消費電力で比較すると、一般的に弱冷房除湿とハイブリッド除湿は冷房よりも消費電力が小さくなりますが、再熱除湿では大きくなります。自宅のエアコンの除湿方式とその特徴を正しく理解し、希望する温度や湿度となるように運転モードを選択しましょう。
 

出典

東京電力ホールディングス株式会社 『エアコンの「冷房」と「除湿」の上手な使い方』について
公益社団法人全国家庭電気製品 公正取引協議会 よくある質問Q&A
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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