【意外】エコバッグより「1枚5円のレジ袋」を買うほうがお得!? 2年間でコストは“60円”しか変わらないの? それぞれの費用をシミュレーション
しかし、レジ袋を買わずに、エコバッグを使うことは本当にお得なのでしょうか。この記事では、実際にかかるエコバッグとレジ袋のコストをシミュレーションしてみました。
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エコバッグ派とレジ袋購入派、結局どちらがお得?
まずは、両者の年間コストを比較してみましょう。
エコバッグ派
エコバッグは安価で済ませたいなら100円ショップで買えるものもあります。ブランドものだと2000円以上する場合もありますが、ここではあるエコバック意識調査で平均的だという500円を例に計算します。さらに、洗い替えや車置き用など複数枚所持していることが多いと考えられるため、ここでは3枚を持っていると仮定します。
エコバッグ本体:1枚あたり500円×3枚=1500円
レジ袋購入派
スーパーやコンビニで購入するレジ袋は、大きさなどによって値段に差がありますが、今回は5円のレジ袋を例に、週に3回購入したと仮定して計算します。
レジ袋:1枚あたり5円×156日=780円
コスト比較
一般的なナイロン製のエコバッグの買い替えどきは、使用頻度や使い方によって差はありますが、最低限使用可能と考えられる2年間とし、同期間にかかるレジ袋代と比較します。
1500円-(780円×2年間)=-60円
結果を見ると、2年間で差額はわずか60円と、大きな違いはありません。
もちろん、エコバッグの値段や買い物の頻度には個人差があるため、全ての人がこのパターンにあてはまるわけではありませんが、誤差を含めても両者に大きな違いがないことが分かります。
エコバッグの見えない「隠れコスト」
エコバッグは一度買うと長く使用できますが、肉や魚など生鮮食料品を入れた場合は雑菌が繁殖しやすくなるため、衛生面を考えて定期的な洗濯が必要です。洗剤代や水道代はわずかでも、洗濯をして乾かす手間がかかります。
また、うっかりエコバッグを忘れて買い物に行ってしまうと、結局レジ袋を買わなければならず、常にエコバッグを忘れないように意識するのもストレスです。このようにエコバッグには意外にも、見えない「隠れコスト」がかかっています。
一方、購入したレジ袋は、家に帰ってごみ袋として再利用できるため、もともと家庭で購入していたごみ袋代が減るメリットもあります。
レジ袋有料化の背景と実際の効果
そもそもレジ袋の有料化は、プラスチックごみの削減、国民の環境問題への関心を高めることなどを目的として2020年に始まりました。制度導入後には、スーパーやコンビニでのレジ袋の辞退率は約80%となってレジ袋の国内流通量は減少しました。
しかし、レジ袋はプラスチックごみの中でもわずか数%に過ぎず、全体的な環境保護への影響は少ないと考えられています。
それでも、これまでスーパーやコンビニなどで当たり前に無料だったレジ袋が有料になったことで、エコバッグを持ち歩くという文化が国民に根付き始め、環境問題を考えるきっかけになったことは確かです。
節約もエコも、無理なく続けられる選択を
節約は「損をしないように」と意識しすぎると疲れてしまいます。エコバッグとレジ袋購入には、年間で見ても金額に大きな差はありません。
スーパーでまとめ買いするときは、大きめのエコバッグや買い物かごを持っていく、ふらっと立ち寄ったコンビニでの買い物では、レジ袋を買って後々ごみ袋にするなど、自分のライフスタイルや価値観に合った形で、柔軟に使い分けることをおすすめします。
出典
経済産業省 プラスチック製買物袋有料化
環境省 レジ袋有料化(2020年7月開始)の効果
執筆者 : 長谷川節子
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