米スターバックス(中国法人)が“値下げ”に踏み切り…日本の「カフェ価格」はどうなる? 生活者が気になる“コーヒー代”の行方とは

配信日: 2025.07.06

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米スターバックス(中国法人)が“値下げ”に踏み切り…日本の「カフェ価格」はどうなる? 生活者が気になる“コーヒー代”の行方とは
米スターバックスの中国法人が2025年6月、一部ドリンクの値下げに踏み切ったというニュースが話題となっています。これまで“プレミアム価格”を保ってきたスタバがなぜ価格を引き下げたのか。そして、こうした動きが日本のカフェ価格やコーヒー代に影響を与える可能性はあるのでしょうか?
 
本記事では、値下げの背景と狙い、日本のカフェ業界への波及の可能性について、生活者目線で解説します。
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スターバックスが中国で値下げ、対象と背景は?

各メディアによると2025年6月、米スターバックスの中国法人が、コーヒー以外の一部のドリンクについて、平均5元(約100円)を値下げすると発表しました。対象となるのはフラペチーノやティーラテ、アイスティーなどの冷たいドリンクで、価格改定後は一部商品が23元(約460円)から注文可能となります。
 
この値下げは、午後の来店数の増加を狙ったプロモーション戦略の一環であり、特に若者や女性層に人気の高いドリンクを中心に、手が届きやすい価格に設定したものです。スタバは、従来の“高級カフェ”のイメージから、より日常的な利用を促す方向へと舵を切り始めたともいえます。
 

値下げの理由は競争と消費者の節約志向

この動きの背景には、中国におけるカフェ市場の競争激化があります。スターバックスは1999年に中国に進出し、スターバックスの公式サイトによると、現在では7700店舗以上を展開しています。しかし、近年ではローカルブランドの台頭によりシェアの維持が課題となっています。
 
中でも急成長しているのが「ラッキンコーヒー」や「コッティコーヒー」といった国産ブランドです。これらは低価格で高品質なドリンクを提供しており、割引やクーポン利用で一杯9.9元(約200円)という破格で飲めることもあります。
 
加えて、中国国内では経済の減速や就職難の影響で、消費者の節約志向が一層強まっています。このような市場環境の中で、スターバックスが価格を見直すことは競争力維持のために不可欠だったといえます。
 

日本のカフェ価格はどうなる? スタバの対応と他社の動き

一方、日本のスターバックスでは2025年2月から「立地別価格制度」を導入し、都市部や空港など一部店舗で平均4~6%の値上げを行いました。たとえば、トールサイズのドリップコーヒーは、都市部では420円から440円に値上げされています。
 
ただし、全国の7割の店舗では価格を据え置いており、全体としては“部分的な値上げ”にとどまっています。また、ソイミルクへの無料変更など、カスタマイズの一部サービスを無償化する取り組みも進めています。
 
こうした背景からも、現時点で日本での一律的な「値下げ」が行われる可能性は低いと見られます。むしろ、立地やサービスによって価格を柔軟に変える“差別化戦略”が今後も続くでしょう。
 
他のチェーンも含めると、コンビニでは100円台でコーヒーを提供するなど低価格路線が浸透しており、顧客は「価格重視」と「体験重視」の間で選択する時代になっています。
 

まとめ:価格と体験、どちらを選ぶ? 消費者の選択が鍵に

スターバックスの中国での値下げは、競争と消費者ニーズに合わせた価格戦略の一環です。これがそのまま日本に波及するとは限りませんが、「価格に敏感な消費者が増えている」という点では共通しています。
 
日本のカフェ市場でも、今後さらに「価格 vs 体験価値」の二極化が進んでいくでしょう。安く手軽に飲みたい人はコンビニやローカルチェーンを、雰囲気やサービスも重視したい人はスタバや個人カフェを選ぶという構図です。
 
価格が多様化する今だからこそ、自分に合ったスタイルでコーヒーを楽しむ自由が広がっています。無理なく、でも満足のいく一杯を見つけることが、これからの賢いコーヒー選びかもしれません。
 

出典

スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社 2025年2月15日(土)からの商品価格の取り組みについて
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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