安全だと思われている「タンス預金」、実は「通貨の価値」が下がると損をする!?「インフレ時代」に合った貯蓄法を教えてください!
本記事では、インフレによる「通貨の価値」の変化やインフレ時代に合った貯蓄法を解説します。
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「インフレ」によって価値が目減りする「タンス預金」
日本銀行が発表した「2025年第1四半期の資金循環(速報)」によると、2024年の家計部門における金融資産残高合計のうち、現金は「105兆6070億円」のようです。
インフレとは、物価が全体的に上がる現象のことを指します。インフレが進むと、同じ1万円でも以前より買えるモノやサービスの量が減ってしまいます。
タンス預金は利息がつかないため、現金の金額自体は変わりませんが、物価が上がることで実際に使えるお金の価値、つまり購買力が下がります。その結果、インフレによってタンス預金の価値が目減りし、お金を貯めているつもりでも、実質的に資産を失っている可能性があるのです。
「インフレ時代」に合った貯蓄法
ここではインフレ時代に合った貯蓄法を3つ紹介します。
・実物資産の割合を増やす
お金の実質的な価値が下がり、モノやサービスなどの価値が上がるインフレにおいて、実物資産はその影響を受けにくい傾向にあるとされています。実物資産の例として、金や不動産などが挙げられます。金は世界各地で取引される資産で、世界情勢の変動や景気後退などが起こると価格が上昇する傾向にあります。
一方、不動産は値上がりしたときに売却するだけでなく、第三者に貸し付けることでも利益を得られる資産です。ただし、購入するために最低でも数百万の資金が必要になるため、ハードルは高いかもしれません。
・株式投資の割合を増やす
物価の上昇に伴い、企業の収益も伸びる傾向にあるため、株式もインフレに強い資産といわれています。株式に投資するコツは、「1つの銘柄に集中するのではなく、複数の銘柄に分散して投資すること」です。全ての銘柄が値上がりするとは限らないため、値上がりする銘柄を見極め、万が一値下がったとしても損失を最小限にできる投資を心掛けましょう。
・外貨預金を増やす
日本がインフレになると、日本円の価値も下落しやすくなります。所持している日本円を、米ドルやユーロといった外貨へ変換すれば、国内で発生したインフレの影響を受けにくくなるでしょう。
外貨預金のほとんどは円預金と比較して高金利のため、インフレ対策ができるほか、状況によっては資産が増える可能性もあります。ただし、外貨を購入したタイミングよりも円高になると、損失が発生する可能性がある点には注意が必要です。
インフレ局面での資産形成の考え方
インフレ局面において資産形成をする際には、インフレに弱い資産を減らし、インフレに強い資産を増やすことを意識しましょう。例えば、タンス預金から株式や不動産などに変換することで、元々所持していた資産の価値を損なわずに利益を得られる可能性があります。
ただし、インフレに強い資産にはリスクが伴うケースもあるため、損失が発生しても最小限で済むような運用を心掛けましょう。さまざまな投資先へ分散して、長期間、定期的に一定金額を投資することが、リスクを軽減するコツです。
なお、現金や預金には「使いたいタイミングで使える」というメリットがあります。長期的な資産形成には不向きですが、突発的な医療費など非常時に使えるように、ある程度のお金は手元に残した方がよいかもしれません。
まとめ
インフレの局面では、お金の価値が下がる傾向にあります。インフレ下におけるタンス預金は、お金を貯めているつもりでも、実質的に資産を失っている可能性があるため、状況に応じて実物資産や株式など、インフレに強い資産へ変換することが重要です。
出典
日本銀行 2025年第1四半期の資金循環(速報) 9 家計<4>の金融資産・負債残高(35ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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