夫婦共働き・世帯年収1000万円ほどですが、夫婦のお小遣いは月3万円ずつです。少ないと思うのですが…… みんなもっと使っているのでしょうか?
FPオフィスみのりあ代表、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
子育てファミリーや妊活カップルのライフプランニングを中心に活動しています。
結婚や妊活、出産、住宅購入など人生のターニングポイントにおけるお悩みに対して、お金の専門家としての知識だけでなく、不妊治療、育児、転職、起業など、自身のさまざまな経験を活かし、アドバイスさせていただきます。
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お小遣いの平均額はいくらくらい?
株式会社SBI新生銀行(東京都中央区)が実施した「2024年会社員のお小遣い調査」(調査時期:2024年4月12~15日、サンプル数:2718名)によると、男性会社員のお小遣いの平均額は1ヶ月あたり3万9081円、女性会社員は3万4921円で、男女で4160円の差があります。
また、男性は未婚の場合4万5779円、共働きで子どものいない家庭の場合は3万8913円、片働きで子どものいる家庭の場合は3万1993円と、未婚・既婚、片働き・共働き、子どもの有無などライフステージの違いにより、お小遣いの金額が大きく異なります。
夫婦で決めておきたいお小遣いのルール
一般的に目安とされるお小遣いの額は、家計の手取り収入の10%です。しかし、金額を決めるよりも先にしておきたいことがあります。それは、お小遣いのルールを作ることです。ルールを曖昧なままにしておくとお互いの不満につながってしまうだけでなく、家計管理にも大きな影響を与えてしまいかねません。
どのようなルールを作るかはご家庭によりますが、下記のポイントを参考に話し合ってみてください。
(1)お小遣いの範囲を決めておく
個人の趣味や嗜好品への支出を、お小遣いから出している人は多いと思われます。曖昧になりがちなのが、昼食代や被服費、化粧品や美容院の費用、スポーツクラブや習い事の会費、交通費やスマホ代です。これらをどこまでお小遣いに含めるのかによって、お小遣いの金額は変わります。
平日の昼食代は生活費の一部と考えることもできますが、友人とのランチ代はお小遣いとしての意味合いが大きいと考えられます。また、スマホは生活に欠かせませんが、娯楽アプリへの課金を生活費に含めることに疑問を感じる人もいるでしょう。
あまり細かく決めすぎると窮屈でストレスの元になってしまいますので、基本的なルールを決めて、何かあれば夫婦で相談することにしておいてもいいでしょう。
(2)貯蓄の目標額を決めておく
お小遣いの額を決めても貯蓄の目標額を決めていないと、お小遣いが足りないときにちょこちょこ使ってしまったりして、気付いたら「貯蓄がない!」ということにもなりかねません。マイホーム購入、車の買い替え、家族旅行など、やりたいことを共有し、その実現に向けた貯蓄のペースについても決めておきましょう。
(3)家計管理について定期的に話し合う
夢の実現のためには、現状把握が欠かせません。定期的にお互いの「収入」「現在の貯蓄額」「毎月の積立額」などを開示するのが理想ですが、すべてを開示するのは抵抗がある人もいるでしょう。そういった場合でも、マイホーム購入など具体的な目標に向けた貯蓄が順調にできているかだけでも開示して共有しておくことをおすすめします。
また必要があれば、お小遣いや貯蓄額の見直しをすることも大切です。その際、お小遣いの範囲と金額を守っているかぎりは、お互いのお小遣いの使い道には口を出さないようにしましょう。
まとめ
お小遣い制は、無駄遣いを防止し、家計管理がしやすくなるなどのメリットがある一方で、窮屈さやストレスを感じてしまうこともあります。また、お小遣いのやりくりにばかり目が向き、家計管理に無頓着になってしまうケースも見受けます。
家庭としての夢や目標をかなえるためにも、上手にお小遣い制を活用し、楽しみながら貯めていける家計を実現しましょう。
出典
株式会社SBI新生銀行 2024年会社員のお小遣い調査
執筆者 : 宮野真弓
FPオフィスみのりあ代表、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
