“世帯年収1000万円”ですが、塾代「月8万円」の出費に生活費が圧迫されています…。他の家庭はどのようにやりくりしているのでしょうか?
本記事では、同じような悩みを抱える家庭の実例を紹介しながら、無理なく家計を立て直すヒントをお伝えします。
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目次
年収1000万円でも貯金できない? 増える教育費と見えない出費
「年収1000万円なら余裕があるはず」とよく言われますが、実際には所得税や住民税、社会保険料などを差し引いた手取りは700〜800万円程度に収まります。そこから住宅ローン、保育料、学費、生活費、固定資産税などを支払うと、毎月の余剰は意外と少ないのが現実です。
とくに子どもが中学受験を控えている家庭では、塾代が月に6万〜10万円になることも珍しくありません。さらに季節講習や模試なども加えると、年間で100万円を超える場合もあります。
つまり、高収入であっても教育費の負担が大きく、「教育費貧乏」に陥るリスクがあるということです。
教育費に追われる家庭は多い?実際の支出データから見える現実
文部科学省が公表している「令和5年度子供の学習費調査結果」によると、私立中学校に通う生徒1人あたりの年間学習費総額は約156万円、公立中学校でも約54万2000円にのぼります。特に塾や家庭教師など学校外教育費は、私立中学校で平均23万6986円、公立中学校は27万1528円となっており、家計にとって大きな負担です。
中学受験を控える小学生の場合、さらに多くの家庭で塾代が月5万〜8万円以上かかる傾向があり、季節講習や模試などを含めると年間100万円を超えるケースも珍しくありません。
こうしたデータからも、「年収1000万円あっても教育費に追われるのは特別なことではない」ことがわかります。多くの家庭が、塾代などの教育費のために、旅行や趣味、娯楽などの支出を抑える生活を選択せざるを得ない状況にあります。
一時的な投資と割り切るか、長期的な負担と考えるか。どちらにせよ、教育費に対する家計の備えは、どの家庭にとっても重要なテーマとなっています。
高年収家庭でもやっている「家計の見直し術」
具体的に、どのような家計改善方法があるのかをご紹介します。
・保険の見直し
医療保険や死亡保険など、過剰な保障を整理することで月5,000〜1万円程度の節約になるケースがあります。
・ふるさと納税の活用
返礼品を食費や日用品費に充てることで、生活費の圧縮につなげている家庭も多いです。ただし、ふるさと納税は「節税」ではなく、税金の前払いと返礼品受け取りの仕組みです。
・固定費の削減
携帯プランを格安SIMに乗り換えたり、不要なサブスクリプションサービスを整理したりするのも効果的です。
・家計簿アプリの活用
家計簿アプリを使って「自分でも気づかなかった出費」を可視化することで、無駄遣いの抑制につながるケースもあります。
家計の見直しは前向きに。教育も暮らしもあきらめない工夫を
家計が苦しいと感じると、「何かを諦めなければいけない」と思いがちですが、実際には工夫次第で教育と暮らしの両立は可能です。大切なのは「どこにお金を使い、どこを抑えるか」を意識することです。
「中学受験が終われば塾代も軽くなる」と考えれば、期間限定の支出と割り切ることもできますし、その間だけ家計を引き締めるのも一つの戦略です。ただし、中学進学後も私立校の学費や部活動費など新たな支出が発生する場合があるため、全体の教育費の見通しを持つことも重要です。
もし不安が強い場合は、ファイナンシャルプランナーへの相談もおすすめです。第三者の視点から、必要な支出と不要な支出を整理してもらうことで、より安心して家計管理ができるようになります。
教育費と生活費のバランスを見直そう
たとえ年収1000万円でも、家計が苦しくなるのは「収入の問題」ではなく「支出の見えづらさ」にあるケースが多いです。特に教育費が重くのしかかる時期は、一時的な苦しさを感じるものですが、長期的に見れば乗り越えられる出費でもあります。
焦らず、できるところから支出を見直していけば、教育も暮らしも犠牲にせずにバランスを取ることができます。今ある課題を「将来のための投資」と捉えて、前向きに家計と向き合ってみてください。
出典
文部科学省 令和5年度子供の学習費調査結果の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
