【実録】天下り上司が仕事中に「居眠り」しては生活残業…それでも年収は私の「2倍」!? 仕事の報酬は“生産性”では決まらない?「役職付きに求められる能力」とは
本記事では、筆者が体験している実際のケースを参考に、上司の残業代の金額と、筆者と上司の生産性についてシミュレーションし比較してみます。
2級FP技能士
居眠り上司が毎日4時間残業した際の残業代
筆者の上司は日中居眠りをし、就業時間後に毎日4時間は残業をしているそうですが、筆者を含め周囲の同僚からは生活残業をしているようにしか見えません。なお、上司はまだ残業代が付く役職です。
上司の月収は45万円で、ボーナスは評価によりますが年間260万円程度と想定できます。つまり、それだけで年収800万円になります。
次に、残業代を計算してみましょう。所定労働日数は月20日として計算します。
45万円÷20日÷8時間×1.25(時間外割増)=3515.625円→3516円
4時間×20日×3516円=28万1280円
1ヶ月あたり28万1280円、1年間で約340万円の残業代がついているので、年収は約1140万円になります。筆者の年収の2倍以上です……
上司と筆者の生産性をシミュレーションして比較
上司はいわゆる「天下り」ということもあり、あまり仕事がないようです。周りをマネジメントしている様子もありません。周囲からは、たまに振られた仕事を長い時間をかけて行っているように見受けられ、筆者が行えば1週間の仕事を1ヶ月間かけてやっていたことを知ったときには驚きました。
その仕事について、両者の生産性を計算してみます。仕事に対してかかった人件費は、年収1140万円の上司であれば約95万円(約1140万円÷12ヶ月)、年収500万円の筆者であれば約15万円(500万円÷12ヶ月÷20日×1週間)となり、単純な計算ではありますが、筆者のほうが約6倍の生産を行っている計算になります。
役職付きに求められる、生産性以外の能力
ただ、筆者も長年会社員をしています。「役職に就く人=生産性の高い人」というわけでないことは理解しているつもりです。出世し、役職に就いて部下をマネジメントできる人の特徴には以下のようなものが挙げられます。
・向上心がある
・常にポジティブ
・諦めずにやり遂げられる
・速やかで的確に判断できる
・他人の意見を聞き入れられる
天下り上司も、今は見せていないだけで、きっと上記の能力を備えているのでしょう。昼間居眠りをし、夜は生活残業をする勤務スタイルでも咎められることなく続けられているのは、過去に功績があるのかもしれません。
ただ、出世でき、役職に就ける人の中には、仕事における要領が良く、人付き合いに積極的で世渡り上手といった、一部の人から見るとあまり好感を持たれない特徴を持っているといった場合も一部にはあります。
筆者がこの上司の能力や実績のすべてを知っているわけではありませんが、少なくとも今見えている状況から判断すると、好感を持てる仕事ぶりではないという印象です。
まとめ
日中は居眠りをして、就業時間後、毎日4時間生活残業をしている上司の年収は筆者の2倍以上ありそうです。同じ仕事をした際の生産性は筆者のほうが約6倍以上なのに……とモヤモヤが募ります。
ただ、出世し役職に就くためには生産性以外のさまざまな能力や実績が必要です。この上司がいつかその能力を目に見える形で発揮してくれることを望みます。
出典
厚生労働省東京労働局 しっかりマスター労働基準法-割増賃金編-
執筆者 : 佐々木咲
2級FP技能士
