「お米が高いから」と、3人前253円の“焼きそば”を食べる大学生の息子。1食「約80円」とかなり安いですが、栄養面は大丈夫でしょうか?“価格・栄養”を比較
例えば、焼きそばは3人前で200円台と安く売られているものが多くあるため、節約に効果的です。とはいえ、お米と比べて栄養面に問題はないのでしょうか。
本記事では、お米と焼きそばの価格や栄養価を比較し、主食として取り入れる際の工夫について解説します。
FP2級、小学校一種免許
お米一膳と焼きそば1食分では、どちらがどれだけ安い?
お米一膳と焼きそば1食分(150グラム)では、どちらがどれだけ安いのでしょうか。ここでは、ネットスーパーの楽天マートの価格を基に見ていきます。
楽天マートで購入できる5キログラムのお米のうち、最も安い「国産大地の実り自然の心(国産米)」は税込3942円(7月10日時点)です。1食分を150グラムとすると、5キログラムでは約33回分のため、1食あたりの値段はおよそ120円になります。
また、レトルトごはんの場合は3食で税込409円のため、1食あたり約136円です。レトルトではなく、袋入りのお米を選ぶほうが、より節約できます。
一方、「マルちゃん」の3食入り焼きそばは、税込253円で販売されています。1食あたりの値段はおよそ84円です。
つまり、5キログラムの袋入りのお米よりも、焼きそばのほうが1食あたり約36円安く済みます。3食全て焼きそばにした場合、1日あたり100円の節約になるということです。
1ヶ月で3000円、1年間で3万6000円の出費を抑えられるなら、大学生にとっては大きなメリットと言えるでしょう。
お米と焼きそばをそれだけで食べた時の栄養価は?
お米と焼きそばをそれだけで食べる場合の栄養価は、それぞれどうなのでしょうか。「国産大地の実り自然の心(国産米)」と「マルちゃん」の3食入り焼きそばの場合で、1食150グラムあたりの栄養価を比較したものが図表1です。
図表1
| 成分名(150グラム) | お米 | 焼きそば |
|---|---|---|
| エネルギー(キロカロリー) | 513 | 421.5 |
| 炭水化物(グラム) | 116.4 | 81.3 |
| たんぱく質(グラム) | 9.15 | 11.55 |
| 脂質(グラム) | 1.35 | 5.55 |
| 食塩相当量(グラム) | 0 | 5.7 |
| ナトリウム(グラム) | 0 | 2.25 |
楽天マート より筆者作成
エネルギーや炭水化物はお米のほうが多く含まれていますが、たんぱく質や脂質などの栄養素は焼きそばのほうが豊富です。
お米の代わりに焼きそばを主食とすることによって、大きく栄養バランスが変わることはありません。ただし、活動量が多い大学生の場合は、エネルギーや炭水化物はしっかり取ることが重要です。焼きそばを主食にするのであれば、量を増やしたりほかの食品で補ったりする必要があります。
焼きそばでも栄養を十分に摂取する方法3選
1食あたり約80円と、安さが魅力の焼きそばですが、栄養が偏って健康に支障が出てしまっては意味がありません。焼きそばを麺のみで食べた場合、エネルギーやたんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維などが不足しがちです。
ここでは、焼きそばに足りない栄養素を摂取する方法を3つ紹介します。
カット野菜を活用する
焼きそばに不足しがちなビタミンやミネラル、食物繊維を手軽に補えるのがカット野菜です。洗ったり切ったりなどの手間を省くことができるため、誰でも簡単に取り入れることができます。
「切るのが面倒だから」「保存が難しいから」といった理由で野菜の購入を避ける人もいますが、カット野菜ならそういった問題をクリアしつつ、必要な栄養を取ることが可能です。
卵を追加する
卵は「完全栄養食」と呼ばれており、エネルギーやたんぱく質、脂質などがバランスよく含まれています。卵を追加することで、焼きそばに不足している栄養素を補給できるため、目玉焼きやスクランブルエッグなどにして取り入れるといいでしょう。
ただし、卵を調理する際の味付け次第では、塩分等の摂取量が過剰になってしまう可能性があるため、注意が必要です。
低価格なもやしとちくわを取り入れる
節約を優先した上で栄養バランスを整えるのであれば、もやしとちくわを組み合わせて入れるといいでしょう。
楽天マートでは、もやしは1袋42円、ちくわは6本入りで139円です。これを3食に分けて入れるとすれば、1食あたりのもやしとちくわの費用は、たったの60円になります。ビタミンや食物繊維、たんぱく質を十分に摂取しつつ、節約にもつながるため、おすすめです。
まとめ
お米の価格高騰により、焼きそばなどの安価な代替主食が注目を集めています。1食あたり約80円と節約には効果的ですが、焼きそばだけでは栄養が偏りがちです。カット野菜や卵、もやし、ちくわなどを取り入れることで、出費を抑えながら必要な栄養を補うことができます。
節約と健康のバランスを意識して、食生活を考えていけるといいですね。
出典
農林水産省 米の流通状況等について スーパーでの販売数量・価格の推移
執筆者 : 舟山こうた
FP2級、小学校一種免許
