「このままじゃ老後は生活保護かも…」年収600万円で貯蓄わずか「40万円」の会社員。“住宅ローン・子どもの大学費用”を抱えたサラリーマンができることとは? 40代の貯蓄「平均・中央値」も確認

配信日: 2025.07.16
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「このままじゃ老後は生活保護かも…」年収600万円で貯蓄わずか「40万円」の会社員。“住宅ローン・子どもの大学費用”を抱えたサラリーマンができることとは? 40代の貯蓄「平均・中央値」も確認
サラリーマンとして働き、平均以上の年収を得ているとしても「貯蓄」が十分にできていないことに不安を抱えている人は多いのではないでしょうか。
 
年収600万円台でも数十万円しか貯蓄額がない家庭では、毎月の住宅ローンの返済や子どもの大学進学費用などを含めた教育費が重くのしかかり、なかなか貯蓄に回す余裕がないといったケースが典型です。
 
このような状況下でも、自分の老後に備えてできることはあるのでしょうか。
山田圭佑

FP2級・AFP、国家資格キャリアコンサルタント

40代世帯の貯蓄額、「平均値」と「中央値」ではいくら?

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」によると、世帯主が40歳代の二人以上世帯における金融資産保有額は、平均値で889万円、中央値で220万円となっています。
 
金融資産保有額の「平均値」は、突出して貯蓄の多い一部の世帯に引っ張られる傾向があるため、より実態に近いのは「中央値」と言われています。ただ、今回のケースである「貯蓄額40万円」という世帯は、中央値の「220万円」と比較しても見劣りするため、現状は厳しいと言わざるを得ず、家計の見直しは急務です。
 
ただし、仮に世帯主が45歳であるとしても、通常の定年である65歳までには20年という期間があります。家計の見直しを早期達成しつつ、20年間という時間を味方につけることができれば、大きな負担なく家計を改善して老後資金を蓄えられる可能性は、十分にあるでしょう。
 
「40代からでは、何もできることはない」とは考えず、小さなことから改善をしていきましょう。
 

家計の見直しは「ステップ」が重要

家計の見直しについては、手順を間違えないことが極めて重要です。筆者の相談所へ家計改善の相談に来たお客様には、必ず以下の手順で作業をすることをお願いしています。
 

ステップ1:家計の現状を把握する(家計簿をつける)

貯蓄が思うようにできない家庭では、多くの場合で家計簿をつけていません。今は無料家計簿アプリでも、かなりのレベルで家計の把握ができます。一刻も早くインストールし、数ヶ月分の収入・支出のデータをまとめていきましょう。
 

ステップ2:家計の現状を分析する

数ヶ月分の家計データが集まれば、次はそれを分析し、支出の傾向や問題点を洗い出しましょう。1ヶ月間ごとの食費や遊興費、趣味に使うお金などを数字で眺め、一般と比べて「使いすぎている」と感じる費目や、「ここは削っても大丈夫なのではないか」と感じる費目はないかを見ていきましょう。
 
そのような費目があればリストアップし、「支出を減らす優先順位」をつけていきます。
 

ステップ3:改善目標を具体的に設定する

支出を削る費目を決めても、いきなり実行はせず、「いつまでに、なんのために、いくら資産を増やすのか」という目標を決めましょう。
 
このとき重要なのは、いきなり大きな目標・遠い目標を作らないことです。「10年後までに、老後資金充実のために1000万円ためる」などの大きな目標を立ててしまうと、かえってモチベーションが落ちてしまうことが多いです。最初は「来月から3ヶ月のあいだに、いつもより5万円多く貯蓄する」などの小さな目標から始めてみましょう。
 

ステップ4:改善策(特に固定費の削減)を考え、実行する

目標を立てたら、いよいよ支出の削減を実施します。ステップ2で考えた支出削減の優先順位を参考に、具体的に行動していきましょう。特に普段使わなくなってしまったサブスクリプションサービスの解約や、通信費の見直しなど、毎月必ずかかる「固定費」の削減は大変重要です。
 
それでも目標に届かないのであれば、少額から投資を始めてみたり、副業などで収入を増やせないかを検討したりしていきましょう。
 

ステップ5:定期的に、家計の見直しと調整を行う

これが最も重要で、なおかつ実行できる人は少ないステップです。一度家計を見直したら、それで終わりではありません。ライフステージや環境の変化に合わせて、定期的に家計の見直しと調整を行うことが大切です。
 
最初はできる限り毎月、慣れてきてからでも半年か1年に1回は、家計の振り返りと見直しをしていきましょう。それ以外にも、収入や支出の変化をともなうライフイベント(結婚、出産、転職、子どもの進学や独立など)があった際は、そのつど見直しの機会を設けるべきでしょう。
 
ときには節約だけを意識するのでなく、人生を充実するために支出を増やす決断をすることも大事になります。
 

まとめ

年収がそこそこあるにも関わらず、貯蓄が思うようにできていないときは、家計の見直しを始めてみましょう。家計の見直しにはステップがありますので、順番通りに確実に進め、まずは小さな目標を立てて達成することを目指してください。
 
家計改善は長く継続できることが第1です。無理のない範囲から始め、少しずつレベルアップしながら続けていくことを心がけてみてください。
 

出典

金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)
 
執筆者 : 山田圭佑
FP2級・AFP、国家資格キャリアコンサルタント

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