「電気やガスの自由化」が始まってから間もなく10年ですが、わが家はまだ変えていません。結局のところ、「切り替える」とどのくらい「お得」なのでしょうか?
今回は、電気やガスの自由化の仕組みから、契約の見直しによる節約効果までを分かりやすく紹介します。
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電気やガスの自由化とは?
電気やガスの自由化とは、利用者が契約する電気・ガス会社を自由に選べる制度のことです。以前は、居住エリアによって契約可能な電気・ガス会社が決まっていましたが、自由化によってさまざまな事業者が新規参入できるようになりました。
電気の自由化は2016年4月から、ガスの自由化は2017年4月から開始しています。
電気やガスの自由化の背景
電気やガスの自由化の背景としては、1990年代の国際的な規制緩和の流れが挙げられます。
世界でエネルギー分野の市場競争の自由化が進むなか、日本では電気・ガス事業の地域独占体制や政府の認可制の価格により、依然として料金が高く設定されていました。このような状況を受け、当時まだ高額だった日本の電気やガスの価格を国際的な水準に近づけるために、政府主導で進められてきた施策が電気やガスの自由化です。
電気は2000年から、ガスは1995年から、それぞれ自由化がスタートし、その後段階的に対象範囲が拡大されました。そして法改正を経て、電気は2016年に、ガスは2017年に、一般家庭を含む全面的な自由化が実現しました。
電気やガスの自由化の仕組み
電気やガスの自由化によって、利用者は料金プランや特典を比較し、自分に合った電気・ガス会社を自由に選択できるようになりました。
新規参入事業者は、基本的に既存の送電網やガスの配管をそのまま使うため、利用する会社を変更しても、電気やガスの品質が低下することはありません。
電力やガスの自由化による節約効果
ここからは、電気やガスの自由化によって実際にどの程度の節約効果を得られるのかを確認しましょう。「電気会社を切り替えた場合」「ガス会社を切り替えた場合」「電気とガスのセット割に変更した場合」の3つのケースを解説します。
電気会社を切り替えた場合
個々の事例によって異なりますが、例えば東京在住の3人家族がこれまで利用していた電気会社から別の会社に乗り換えた場合、年間で約1万3000円を節約できる可能性があります。
上記は東京エリアで3人家族、月に400キロワットアワー利用した場合の計算です。実際にどのくらい安くなるのかは、自身の使用量に合わせて計算してみましょう。
ガス会社を切り替えた場合
例えば3人家族で月の平均使用量が約39平方メートル、年間のガス使用量が470平方メートル程度の場合、現在の月額料金が6400円程度であれば、条件次第で初年度は年間約5000円がお得になる可能性があります。また、同事例では2年目以降は約3000円節約できる見込みとなるようです。
ただし上記はあくまでも一例で、申込先によって金額は異なります。実際に申し込みを検討する際は、必ず試算してから進めるようにしましょう。
電気とガスのセット割に変更した場合
個々の条件によって詳細は異なりますが、例えば都市ガスの供給エリアに住む家庭が、電気とガスのセット割に切り替えた場合、年間で約1万3000円の光熱費削減につながるケースもあります。
セット割は、電気とガスを同時に申し込むと割引が適用され、トータルの光熱費が節約できる仕組みです。
電気やガスの自由化によって、市場に多くの企業が参入できるようになり、企業同士の競争が激化しました。そのような状況下で、他社との差別化を図るために生まれた料金プランの1つがセット割です。
ただし、セット割にしたからといって、必ずしも安くなるわけではありません。また、セット契約でも割引が適用されない会社もある点に注意しましょう。
電気やガスの自由化で契約を見直すと、年間1万円以上お得になることも
電気やガスの自由化は、利用者が自分に合った事業者を選べる制度です。既存の契約内容や使用頻度などによって詳細は異なるものの、契約会社の見直しやセット割の利用によって、年間1万円以上お得になることもあります。
各家庭のライフスタイルや使用量に合わせた見直しを行うことで、無理のない光熱費の節約につながるでしょう。ご家庭の電気やガスの契約を見直す、よいタイミングかもしれません。
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
