カフェに行ったら「コーヒーだけ」で昼休みを過ごすサラリーマンが多くてビックリ! それだけで足りる?「平均ランチ代」もあわせて解説
しかし、コーヒー1杯だけで午後の仕事に集中できるのか、健康や仕事のパフォーマンスに悪影響はないのか、不安を感じる人も多いのではないでしょうか。本記事では、複数の最新調査データをもとに、会社員のランチ事情について解説します。
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目次
会社員の平均ランチ代はどのくらい?
ここでは、最新の3つの調査データをもとに、現状を整理します。
福利厚生サービスを提供するエデンレッドジャパンの「ビジネスパーソンのランチ実態調査2025」によると、勤務日のランチ代の平均は昨年と同じ424円で、高止まりしていることが分かりました。
ここ数年でランチ代は上昇傾向にあるものの、実際に使えるランチ代は減少しているとの回答が約4割を占めており、高止まりには家計の悪化が影響していると考えられます。
一方、健康機器メーカーのタニタが実施した「令和ビジネスパーソンのランチ事情に関する調査2025」では、職場に出勤する人の平均ランチ代は603円でした。「おいしい」ランチを求めているにもかかわらず、実際には理想と裏腹に「安さ」を重視したランチ選びが主流であることも明らかになっています。
また、ホットペッパーグルメ外食総研がまとめた「有職者のランチ実態調査(2025年3月実施)」によれば、働く人全体の平日ランチ代の平均は485円と過去最高額でした。ランチの形態別に見ると、自炊や手作り弁当は平均432円、外食ランチは1250円、デリバリーや出前は1418円と、形態によって支出額に大きな差が出ています。
物価高の影響でランチにも節約志向が拡大
ここ数年、食材価格の上昇が続いており、特に日本人の主食である「お米」の値上がりは家計を圧迫しています。
エデンレッドジャパンの調査では、弁当派の約3割が「ご飯の量を減らした」と回答し、4人に1人が「主食をパンや麺に置き換えた」と答えています。
2024年の1年間で、1万2520品目の食品が値上げされました。節約志向が高まる中、カフェでコーヒーだけを注文し、スマホを見たり、パソコンで作業をしたりしながら時間を過ごす会社員が増えているのは、現代ならではの新しい節約スタイルの1つといえます。
ランチを抜く人も増加中? 仕事のパフォーマンスへの影響は
コーヒー1杯だけのランチでは、必要なエネルギーが足りないのではと心配になりますが、実は、節約や忙しさを理由に「ランチを抜く」という人も少なくありません。エデンレッドジャパンの調査では、社会人の24.3%が「勤務日にランチを抜いた経験がある」と回答し、そのうちの約半数は週2~3回以上ランチを抜いているとの結果が出ています。
この調査では、ランチを抜いた人の7割以上が悪影響を実感しており、「やる気・集中力の低下」や、「仕事ペースの低下」「判断力・思考力の鈍化」を挙げています。
さらにタニタの調査では、ランチ選びの基準として栄養よりも価格を優先することがあると回答した人が76.4%にのぼることも分かりました。栄養バランスを考慮しないランチが、体調不良や慢性的な疲労につながる恐れもあります。
ランチはコーヒーだけ、もしくは食べないという選択肢は、一時的には節約になるかもしれませんが、長期的に見ると生産性や健康に悪影響を及ぼすリスクが高いといえます。
食費以外の節約も取り入れて、午後の活力になるランチ選びを
物価高が続く今、「少しでも節約したい」と考えるのは自然なことです。しかし、行き過ぎた節約は午後の集中力低下や体調不良につながり、結果的に仕事のパフォーマンスを下げてしまう可能性があります。
外食の頻度を抑えて手作り弁当を持参したり、栄養バランスが考慮された宅配弁当や冷凍食品を上手に活用したりするのも効果的です。
さらに食費だけでなく日用品やレジャー費などの支出も見直して、無理のない節約を実践していくことが大切です。午後のパフォーマンスが上がるような、自分に合ったランチを選択していきましょう。
出典
株式会社エデンレッドジャパン ビジネスパーソンのランチ実態調査2025
株式会社タニタ 令和ビジネスパーソンのランチ事情に関する調査2025
ホットペッパーグルメ外食総研 有職者のランチ実態調査(2025年3月実施)
帝国データバンク 定期調査:「食品主要195社」価格改定動向調査―2024年通年/2025年見通し
執筆者 : 長谷川節子
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