猛暑×人手不足の現場で何が起きている?「出勤日が減り、給料も激減」建設業の知られざる現実とは

配信日: 2025.07.20
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猛暑×人手不足の現場で何が起きている?「出勤日が減り、給料も激減」建設業の知られざる現実とは
2025年の猛暑は、ただの暑さでは終わりません。現場作業の中断、シフト変更、そして給料の減少。近年の温暖化により、建設業界が見過ごせない危機に直面しています。
 
現場で何が起きているのか、この記事ではそのリアルを解説します。
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記録的猛暑が建設現場にもたらす影響

2025年の日本列島は猛烈な暑さに見舞われています。気象庁によると、6月の平均気温は全国で平年比+2.34度を記録し、統計を開始した1898年以降の6月として最も高い気温となりました。7月以降も厳しい暑さが続く見通しであり、こうした高温は、特に屋外で作業する建設現場に大きな影響を及ぼします。
 
建設現場では連日30度台半ばに達し、熱中症リスクが極めて高まっています。こうした中で、2025年6月より「労働安全衛生規則」が改正され、企業は現場における熱中症対策が義務化されます。
 
WBGT(暑さ指数)に基づき、夏季特有の休憩時間の設定や十分な水分補給の徹底などの対策を積極的に講じる必要があります。この施策は命を守るために重要ですが、その一方で建設業界の就労実態に大きな影響を及ぼしています。
 

猛暑による働き方の変化

近年、建設現場では猛暑の影響で作業環境が悪化しており、夏季は熱中症対策として、シフト制による作業時間の分散が広がっています。そのほかにも、作業を午前中に集中させるなど、気候変動に対応した柔軟な勤務体制への移行が進んできました。
 
こうした対策により作業効率や稼働日数に影響が出ており、一部の職人からは収入減を訴える声もあります。また、2025年6月から熱中症対策の義務化が始まり、WBGT値が31を超える場合は、原則として屋外作業の中断が推奨されています。
 
このため、天候によって作業が直前に延期されることもあり、技能労働者の間では収入の不安定さへの懸念が広がっている状況です。高齢化や担い手不足といった構造的課題がある中で、現場労働者の生活や意欲をどう支えるかが、業界全体の重要な課題となっています。
 

「猛暑=消費増」の神話崩壊? 経済インパクトの負の連鎖

これまでは「猛暑はビールやアイスが売れて一部産業に特需をもたらす」と考えられてきました。しかし、最新の調査では、気温が35度を超えると外出控えが顕著になり、ゴルフなど屋外での活動が控えられる傾向があります。
 
加えて、異常気象の影響で農作物の不作による値上げが家計を圧迫。ILO(国際労働機関)によると、猛暑による労働生産性の低下で、2030年までに世界GDPが2.4兆ドル減少する可能性があるとの試算も出ています。
 
つまり、行き過ぎた暑さは一部の業種の好景気を帳消しにし、むしろ社会全体ではマイナスとなる可能性があります。
 

まとめ

現状を放置すれば、離職の増加やさらなる人手不足が進むおそれがあります。しかし、現場によっては、急速なデジタル化によって遠隔臨場やロボットの導入が進み、就労者の安全確保や働き方の多様化に向けた取り組みも広がってきました。また、企業主導による熱中症対策を通じて、従業員満足度や定着率の向上を目指す動きも加速しています。
 
これからの建設業の現場を支えるのは、「健康と働きやすさの両立」という新たなスタンダードでしょう。国や企業、現場ごとの工夫と連携により、労働者の安心・安全を守りながら、持続可能なビジネスモデルを構築していくことが、建設業界の成長と社会全体の活力につながると考えられます。
 

出典

国土交通省気象庁 2025年6月の天候
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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