年金暮らしの母が「電気代がもったいない」と、エアコンを「30℃」から下げません。熱中症が心配ですが、電気代は“1℃下げる”といくら増えますか?

配信日: 2025.07.23
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年金暮らしの母が「電気代がもったいない」と、エアコンを「30℃」から下げません。熱中症が心配ですが、電気代は“1℃下げる”といくら増えますか?
7月に入り暑さが本格化しています。暑い日が続くと心配なのが熱中症です。特に高齢者は、加齢により体温を調整する機能が低下しており、熱中症にかかるリスクが高いです。また、一人暮らしをしている場合、体調の変化に気づく人が周りにおらず、気づいたときには倒れていたといったことも実際に起きています。
 
高齢者の中には、「年金暮らしだから節約しなければ」と電気代節約のために、エアコンの設定温度を高くしている人もいるのではないでしょうか。適切にエアコンを使うためにも、設定温度を下げたときの電気代への影響を知ることは重要です。
 
本記事では、エアコンの設定温度を1℃下げたときの電気代への影響と、設定温度を下げすぎず快適に過ごすためのエアコン利用のポイントについて解説します。
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エアコンの設定温度を1℃下げたときの電気代は?

エアコンメーカー大手のダイキン工業株式会社によると、冷房運転時に設定温度を1℃下げると、消費電力は約10%増えるとされています。これを基に、以下の条件で設定温度を1℃下げたときの電気代を試算してみましょう。使用するエアコンはダイキンのRXシリーズとします。


試算条件)

・エアコンの消費電力:0.55キロワット(10畳用)
・エアコンの使用頻度:毎日
・1日の使用時間:24時間
・1キロワットアワーあたりの電気料金:31円
・1℃下げた場合の電力増加量:10%増加
 
1日の電気代:0.55キロワット×24時間×31円/キロワットアワー=約409円
1ヶ月の電気代:409円×30日=1万2270円
設定温度を1℃下げた場合:1万2270円×10%=1227円

実際にはエアコンの機種や運転状況によって異なりますが、目安として、エアコンの設定温度を1℃下げると、1ヶ月あたり約1227円電気代が増えることが見込まれます。家計の状況にもよりますが、熱中症のリスクを考えると、体調管理のための必要経費と考えられるのではないでしょうか。
 

エアコンの設定温度を下げすぎず快適に過ごすポイント3選

1℃あたりの金額がそこまで大きくなくても、2℃、3℃と下げていくと、電気代はどんどん高くなってしまいます。
 
また、あまりにも低すぎる設定温度は、体調への悪影響も出てきます。環境省は夏季のエアコンの推奨室温を28℃としています。設定温度を下げすぎないようにしながらも快適に過ごせるよう、エアコンの使い方の工夫も重要です。ポイントは次の3つです。
 

扇風機やサーキュレーターを併用する

エアコンから遠い場所が暑く感じるなど、部屋の中に温度のムラがある場合は、設定温度を下げる前に、扇風機やサーキュレーターを併用することを検討しましょう。扇風機やサーキュレーターを使って、エアコンからの冷たい空気を循環させることで、室温のムラを減らし、快適に過ごせます。
 

風量を自動運転設定にする

エアコンの風量設定は、手動で強弱を使い分けるよりも自動運転にすることがおすすめです。自動運転にしておくと、部屋が暑い時は強風で一気に室温を下げ、その後は弱風にするといった調整をエアコンが自動で行います。
 
部屋の温度をしっかり下げたいときに弱風になっていると、部屋が冷えるまでに時間がかかり、余計な電気代がかかる可能性があります。
 

遮光カーテンやすだれを活用する

直射日光が室内に入り込むと、太陽の熱で室温が上昇してしまいます。遮光カーテンやブラインド、すだれ、窓ガラスに貼る断熱フィルムなどを活用することで、エアコン稼働の効率を高められます。特に南向きや西向きの窓がある部屋は、太陽の光が部屋に入りやすいため、遮光対策が重要です。
 

適切な設定温度でエアコンを利用して体調管理を心がけよう

エアコンの設定温度を1℃下げると、1日中つけっぱなしで運転した場合、月々約1227円の電気代増加が見込まれます。年金生活を送る高齢の親が、電気代の節約を意識して設定温度を高くする気持ちは理解できます。
 
しかし、暑さが原因で体調を崩してしまっては本末転倒です。エアコンの使い方を工夫しながら、適切な設定温度でエアコンを使用するよう、親とよく話し合いましょう。
 

出典

ダイキン工業株式会社 設定温度を変更した場合の電気代の目安(ルームエアコン)
公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会 よくある質問 Q&A
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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