子どもが夏休みに入り、「外食」や「お総菜」に頼る日が増えました…今月の食費、10万円を超えそうなのですが、使いすぎでしょうか?

配信日: 2025.07.24
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子どもが夏休みに入り、「外食」や「お総菜」に頼る日が増えました…今月の食費、10万円を超えそうなのですが、使いすぎでしょうか?
夏休みに入り、子どもと過ごす時間が増える一方で、毎日の食事の準備に頭を悩ませている方も少なくないでしょう。
 
給食がないぶん、外食や総菜を利用する機会が増え、結果的に「今月の食費が10万円を超えそう」と感じるご家庭もあるかもしれません。
 
今回は、夏の時期にかかりやすい支出の傾向と、無理のない範囲で食費を管理するための工夫について整理します。
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そもそも一般家庭の食費はいくら?家計調査の平均額を確認

まず、普段の家計がどのくらいなのか、客観的なデータを見てみましょう。 総務省統計局の「家計調査報告(2024年)」によると、二人以上の世帯における1ヶ月の食費(食料への支出)は、平均で8万9936円です。
 
食費10万円という金額は、この全国平均と比べると、1万円ほど高い水準にあることが分かります。さらに食費の内訳を見ると、「調理食品(総菜や弁当などの中食)」が1万2998円、「外食」が1万5633円となっており、この2つを合わせた金額は2万8631円です。
 
つまり、統計上では、食費全体の約3割が総菜や外食など“手軽な食事”に使われていることになります。この数字は、平常時の基準として家計を見直す際の目安となるでしょう。
 
なお、2025年は物価の上昇などの影響により、実際の支出がやや高めに出る可能性もあるため、その点も考慮しながら参考にするとよいでしょう。
 

なぜ夏休みは食費が増えるの?主な3つの理由

夏休み中は「なんとなく食費が高くなった」と感じる家庭も多いのではないでしょうか。実際に、そうした実感を裏づけるようなデータも出ています。先ほど紹介した家計調査(家計収支編・月次)によると、2024年8月の食費は他の月と比べて増加傾向が見られます。
 
表1は、2024年5月〜10月の月別の食費推移です。8月は食費全体が約8万9550円と他の月より上昇しています。特に「外食」や「調理食品(総菜など)」への支出が伸びており、夏休み期間中の生活スタイルの変化が影響していると考えられるでしょう。
 
表1

食費合計 調理食品(総菜など) 外食
5月 8万3259円 1万2010円 1万3403円
6月 8万1483円 1万1662円 1万3095円
7月 8万3491円 1万2929円 1万3986円
8月 8万9550円 1万3288円 1万5674円
9月 8万3562円 1万2306円 1万3762円
10月 8万5421円 1万2806円 1万3540円

※e-Stat政府統計の総合窓口 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 2024年月次(5~10月)を基に筆者作成
 
なぜこのような傾向が生まれるのでしょうか。主な理由は次の3つです。
 

1.日中に自宅で食事をとる機会が増える

夏休み中は、家族が自宅で食事をとる回数が普段よりも増える傾向があります。特に学校で給食をとっている子どもがいる家庭では、昼食を家庭で用意する必要が出てくるため、そのぶん食材費や手間がかかります。
 
例えば、昼食1食を300円とすると、平日20日で6000円。加えて、おやつや飲み物などの支出も増えやすく、結果として月の食費がかさみやすくなります。
 

2.レジャー費と食費の境界があいまいになる

夏休みは家族で外出や旅行をする機会が増えるため、観光地やテーマパークなどでの食事が増え、外食費が押し上げられがちです。
 

3.外食や総菜を選ぶ機会が増える

連日の猛暑や疲れがたまる中で、献立を考えたり、火を使って料理をしたりするのは想像以上に大変です。「今日は少しだけ楽をしよう」と思って総菜や出前に頼ることは、決して珍しいことではありません。
 
そうした日が数回続くだけでも、月末の食費には意外と大きな影響を与えることがあります。
 

食費10万円でも焦らない!「外食・総菜」と上手に付き合う方法

食費が10万円を超えそうでも、必要以上に不安に感じる必要はありません。ちょっとした工夫で、家計への影響も、日々の調理のストレスも軽減できる可能性があります。
 
例えば、「夏休みはいつもよりかかる」と割り切って、あらかじめ“特別食費枠”を設定しておくと、気持ちにもゆとりが生まれます。
 
「普段より1万5000円プラスまで」「週6000円まで」など、自分のペースに合った予算ルールを決めておくと、無理なく調整できるでしょう。特に“週単位”で見ると、使いすぎに早く気づけるかもしれません。
 
また、総菜や冷凍食品を「手抜き」ではなく「戦略的な手段」として使う意識も大切です。ごはんと汁物だけは家で用意し、主菜は総菜に頼る“ゆる自炊”のスタイルも、ほどよい満足感がありおすすめです。
 
そして、外食は、疲れたときに家族と笑顔で過ごすための「リフレッシュ手段」です。特に暑い夏は、無理に頑張りすぎず、自分をいたわることも大切です。クーポンを活用したり、ランチタイムの割引を狙ったりすれば、外食も立派な“計画的支出”になります。
 
家計を守ることも大切ですが、自分自身の負担を減らす工夫も同じくらい価値のある選択です。うまくバランスをとりながら、夏の食卓を楽しむことができるとよいでしょう。
 

「10万円」という数字に縛られず、家族の満足度を大切に

家計調査の平均額は、自分たちの支出を客観的に見直すための一つの参考値になりますが、平均より高かったとしても、必ずしも浪費や問題があるとは限りません。
 
例えば、外食や総菜を活用した結果、家族との時間が確保できた、体力的・精神的な負担が軽減された、というのであれば、それは合理的な選択といえるでしょう。無理のない範囲で計画的に管理しながら、今の暮らしに合った方法を模索していきましょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要
総務省統計局 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 2024年月次
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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