失業保険の受給中に「アルバイト」をしたら、不正受給になるの?NGとなるケースとは?
そこで本記事では、失業保険を受給中のアルバイトについて解説します。不正受給になってしまうケースもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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失業保険を受給中のアルバイトについて
失業保険の受給中にアルバイトすることは可能ですが、注意するポイントがあります。そのポイントをご紹介します。
週20時間未満の勤務なら失業保険の受給が可能
週20時間未満のパート・アルバイトであれば、条件を満たすことで失業保険の給付を受けながら働くことが可能です。
ただし、以下のようなケースでは「働く意思・能力がない」とみなされ、給付が受けられません。
●パート、アルバイトの他に週20時間以上働く意思や能力がない場合
●仕事探しをしていない、または短時間労働しか希望していない場合
●求職活動の実績が不足している場合
週20時間未満で働く場合でも、求職活動を続ける意思と能力があることが重要です。
週20時間以上働くと「就職」とみなされる場合がある
失業給付を受けている期間中にパートやアルバイトをする場合、週20時間以上働く契約であれば、「就職」とみなされる可能性があります。このため、週20時間以上働くと失業給付は受けられなくなり、「就職の届け出」が必要となるでしょう。
パートやアルバイトであっても、条件を満たしていれば「再就職手当」や「就業促進定着手当」を受け取れる場合があります。これらの手当を受けるためにも、必ず就職の届け出を忘れずに行いましょう。
支給額が減額されるケースもある
基本手当を受給中にパートやアルバイトをしても、「就職の扱い」にならない場合があります。
しかし、働いた時間や賃金の額によっては、働いた日の基本手当が減額されたり支給されなかったりすることがあるので注意が必要です。
1日に4時間以上働いた場合、その日は基本手当が支給されません。一方、1日に4時間未満働いた場合、その日の賃金額によっては給付額が減額されることがあります。
失業保険の支給額
雇用保険で受給できる1日あたりの金額は「基本手当日額」と呼ばれます。この金額は、原則として離職前の直近6ヶ月間に毎月定期的に支払われた賃金(賞与などは除く)の合計を180で割った「賃金日額」を基に計算されます。
基本手当日額は、この賃金日額のおよそ50~80%(60~64歳の方は45~80%)となっており、賃金が低い方ほど高い支給率になる仕組みです。また、基本手当日額には年齢に応じた上限額が定められており、それを超えて支給されることはありません。
令和6年8月1日時点の年齢に対する支給額を表1にまとめました。
表1
| 年齢 | 金額 |
|---|---|
| 30歳未満 | 7065円 |
| 30歳以上45歳未満 | 7845円 |
| 45歳以上60歳未満 | 8635円 |
| 60歳以上65歳未満 | 7420円 |
出典:厚生労働省 ハローワークインターネットサービス「基本手当について」を基に筆者作成
失業保険を受ける際には、「失業認定申告書」に正しい内容を記入しなければなりません。虚偽の申告を行った場合は「不正受給」とみなされ、全額返還を求められたりする可能性があります。
なお、不正受給のおそれがある例は、次のような場合です。
●実際には求職活動をしていないのに、活動実績があると記載した場合
●パート、アルバイト、派遣、日雇いなどで働いたのに、その事実を記載しなかった場合
●自営業や請負で事業を始めているのに、申告しなかった場合
●内職や家族の手伝いをし、収入を得たにもかかわらず、その内容を記載しなかった場合
●名義だけでも会社の役員に就任しているのに、その事実を隠した場合
●実際は就職する意思や能力がない(定年後など)にもかかわらず、就職の意思があると申告した場合
失業給付は、「働く意思と能力のある人」を支援する制度です。ハローワークに提出する書類は、すべて事実に基づいて記入し、不正な受給を行わないようにしましょう。
失業保険の受給中のアルバイトは週に20時間未満の目安なら可能。ただし、申告をしないと不正受給になる可能性がある
失業保険の受給中でも、週20時間未満のアルバイトであれば条件付きで働くことが可能です。ただし、労働時間や収入によって給付額が減額されるため注意しましょう。
また、申告内容に虚偽があると不正受給とみなされ、給付の打ち切りや返還命令、さらに重い処分を受けることもあります。パートやアルバイトをする場合は、必ず正しく申告しましょう。
出典
厚生労働省 ハローワークインターネットサービス 基本手当について
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
