冷房と除湿で電気代に違いはある?大差ないなら「冷房」設定でOK?エアコンの電気代を節約する方法も解説
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電気代の平均
夏や冬は暑さと寒さが激しいため、エアコンを稼働させる時間が長くなりがちです。エアコン代は電気代の中でも大きな割合を占めています。そこで総務省統計局のデータを基に、2024年の二人以上の世帯における電気代を表1にまとめました。
表1
| 電気代 | |
|---|---|
| 1月 | 1万2376円 |
| 2月 | 1万3639円 |
| 3月 | 1万3780円 |
| 4月 | 1万2799円 |
| 5月 | 1万1013円 |
| 6月 | 9562円 |
| 7月 | 9896円 |
| 8月 | 1万2225円 |
| 9月 | 1万3831円 |
| 10月 | 1万3028円 |
| 11月 | 1万591円 |
| 12月 | 1万1352円 |
出典:総務省「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 診断結果表 2024年」を基に筆者作成
冷暖房を長時間稼働させることが多い夏や冬の平均額は高めの傾向です。電気代は世帯数だけでなく、住んでいる地域や生活スタイルによっても違いが生まれます。
冷房と除湿の違い
冷房と除湿では使用する状況や目的に違いがあります。冷房は部屋の温度が高いときに下げることが、除湿は湿度が高いときに下げることが目的です。状況と目的に合わせて使い分けるようにしましょう。
冷房
冷房は、室内の温度を下げることが目的です。取り込んだ室内の暑い空気を冷やし、冷たい空気を放出することで部屋の温度を下げます。真夏の昼間など、明らかに気温が高いときに使用することがおすすめです。
除湿
除湿は「弱冷房除湿」と「再熱除湿」の2種類に分かれます。どちらも部屋の湿度を下げることが目的ですが、室温の変化で違いがあります。弱冷房除湿は冷やした空気を室内に戻すため、室温が多少下がり、肌寒さを感じることもあるでしょう。
一方で、再熱除湿は冷やした空気を再度暖めてから室内に戻すため室温の変化はあまり見られません。再熱除湿であれば部屋を冷やすことなく除湿だけを行うことができますが、空気を再加熱するため、弱冷房除湿よりも電気代がかかりやすい傾向にあります。
冷房と除湿における電気代の差
冷房と除湿の電気代はどちらの方が高いかは、「状況による」が正直な回答です。設定温度や湿度、使用時の環境等によって消費電力が変わり、料金も変化します。
しかし、それぞれの機能を踏まえて考えると、最も安いものが弱冷房除湿、次いで冷房、最も高いのが再熱除湿です。しかしそこまで大きな差はないため、状況に応じて適宜使い分けるようにしましょう。
エアコンの電気代を節約する方法3選
最後に、家庭でも簡単に取り組める、エアコンの電気代を節約する方法の紹介です。どれも難しいものではないため、節約したいとお考えの方は始めてみてください。
設定温度の適正化
環境省が推奨する、快適さを感じる室温は夏が28℃、冬は20℃です。この室温になるように設定温度を調節しましょう。設定温度を1度変更しただけでも、冷房時の消費電力は約13%削減されます。
例えば、外気温度が31℃のときに冷房の設定温度を27℃から1℃上げ、1日9時間使用するとした場合、年間で30.24kWhの省エネにつながり、約940円節約できます。毎日小さな工夫を積み重ねることが、長期で見たときに節約につなげるための大事なポイントです。
扇風機やサーキュレーターの併用
エアコンと同時に扇風機やサーキュレーターを使用することで、風が一カ所にたまることを防ぎ、空間全体に涼しい風を循環させます。体感温度を下げることで、温度設定が低くなくとも十分に涼しさを感じられます。
体感温度は温度のみではなく、湿度や風によっても変化するものです。風の動きを調節して部屋全体を一定の温度にし、効率よく快適さを実感できるようにしましょう。
こまめなフィルター清掃
エアコンのフィルターにほこりがたまっている状態では冷却効率が悪く、余分に電気代が発生します。使用頻度によって目安となる清掃時期は異なりますが、毎日使用している場合は2週間に1回程度での掃除がおすすめです。
例えば、フィルターにほこりがたまっているエアコンとフィルターを月に1回か2回清掃している場合のものを比較します。清掃が年間31.95kWhの省エネにつながり、約990円節約できます。小まめに清掃することで1回にかかる時間は短く済むため、面倒かもしれませんが定期的に実施することをおすすめします。
冷房と除湿は使い分けが重要
冷房と除湿には役割の違いがあり、電気代は設定温度や周りの環境などによって異なるため状況と目的に合わせて最適なものを選択しましょう。また、設定温度の変更や扇風機等の併用、フィルター清掃などの簡単に行える節約法も紹介しました。
何気ない小さな工夫の積み重ねが、節約を実現するための大きな鍵です。エアコンを賢く利用し、電気代を抑えて効率よく快適に過ごしましょう。
出典
総務省統計局 家計調査 家計収支編 月次 2024年 二人以上の世帯 詳細結果表 表番号4-6(1月~12月)
経済産業省 資源エネルギー庁 省エネポータルサイト 無理のない省エネ節約 エアコン
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
