米不足で注目されている「古古古米」は当年米と比べてどのくらい「安い」ですか? 「品質」のほかに違いはあるの?
そこで今回は、古古古米と当年米の価格を比較検証します。さらに、味の違いやおいしく食べる方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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古古古米とはどんなお米?
古古古米とは、簡単にいうと「古いお米」です。お米は鮮度(収穫年)によって呼び名が異なります。収穫年数ごとの呼び名を以下の表1にまとめました。
表1
| 年数目安 | 呼び名 |
|---|---|
| 収穫された年 | 新米(年が明けると当年米) |
| 収穫から1年たったもの | 古米 |
| 収穫から2年たったもの | 古古米 |
| 収穫から3年たったもの | 古古古米 |
※筆者作成
古古古米は収穫から3年たったお米を指します。どうしてこのような古いお米が存在するのかというと、備蓄米制度があるためです。お米の安定供給を行うため、政府はお米の備蓄を行っています。通常は100万トンを備蓄しており、収穫から3年を限度とした古いお米も含まれます。
備蓄米は、保存期間が3年を超えると備蓄が完了し、煎餅やおかきといった加工品などに使用されるため世間に出回る仕組みです。これが「古古古米」とされています。
備蓄米と当年米の販売価格を比較
随意契約による政府備蓄米の販売が始まり、当年米よりも安く販売されています。ここでは、お米5キロあたりの販売価格を比較します。以下の表2にまとめました。
表2
| 時期 | 銘柄米 | ブレンド米 | 備蓄米 |
|---|---|---|---|
| 令和7年6月16日の週 | 4520円 | 3651円 | 2128円 |
| 令和7年6月23日の週 | 4494円 | 3596円 | 2137円 |
| 令和7年6月30日の週 | 4519円 | 3539円 | 2125円 |
| 令和7年7月7日の週 | 4493円 | 3485円 | 2038円 |
※農林水産省「スーパーでの販売価格の動向(日経POS情報、全国・週次)」を基に筆者作成
表2の通り、週によって価格が若干変動しているものの、銘柄米と比べると、備蓄米は半額以下で販売されているケースもあります。ブレンド米と比べても、備蓄米の方が1500円程度安いでしょう。
例えば、備蓄米を10キロ購入した場合は、4300円程度となるため銘柄米5キロよりも安くなります。ここまで価格差があると、備蓄米を検討する人も増えるかもしれません。
新しい米と古古古米の違い
新しい米と古古古米では、以下のような違いを感じる可能性があります。
●におい
●食感
●色や見た目
●味
古古古米は、収穫から時間が経過し、長期間保存されていることから、お米に含まれる脂質が酸化しやすく、炊き上がりに独特の香りを感じることがあります。
また、通常のお米よりも水分が少ない傾向があり、炊いた際にやや硬めの食感になることもあります。
見た目については、新しい米のようなつやが出にくく、「少し黄みがかっている」「粒の大きさにばらつきがある」といった印象を受けることもあるようです。これは、水分の減少や長期保存によって、粒が割れてしまうことが影響していると考えられます。
古古古米をおいしく食べる方法
古古古米は、においや食感、見た目の違いから「味が落ちる」と感じる人もいるかもしれません。しかし、せっかく購入するのであれば、できるだけおいしく食べたいところです。以下のような工夫を取り入れることで、古古古米でもおいしく炊き上げられる可能性があります。
●水をよく含ませる
●昆布を一緒に入れて炊く
●通常のご飯とブレンドする
古古古米は水分が抜けていることが多いため、炊く前にしっかり水を吸わせることが大切です。また、うまみを加えたいときは、昆布を一緒に入れて炊くのもよいでしょう。昆布のうまみ成分が加わり、まろやかな味わいが期待できます。
新しい米がある場合は、一緒に炊くことで古古古米のデメリットを補える場合があります。
まとめ
古古古米は、ブレンド米や銘柄米に比べて価格が抑えられているのが特徴です。しかし、収穫から3年以上経過しているため、香りや食感、見た目において、ふだん食べているお米と少し違いを感じる場合もあります。
「水をよく含ませる」「昆布を一緒に炊く」など工夫次第で、新しい米に近い味わいで楽しめる可能性もあります。食費を抑えたい方は、選択肢のひとつとして検討してみるのもよいでしょう。
出典
農林水産省 スーパーでの販売価格の推移(日経POS情報、全国・週次)
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
