【驚き】「エアコンは28度」に“科学的知見”はない!?「快適さ・電気代」を考えると、1度くらい下げても問題なし? エアコンの温度設定で重視すべきポイントとは

配信日: 2025.07.31
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【驚き】「エアコンは28度」に“科学的知見”はない!?「快適さ・電気代」を考えると、1度くらい下げても問題なし? エアコンの温度設定で重視すべきポイントとは
「エアコンの適温は28度」とよくいわれることもあり、環境や節約のためにエアコンをつける時は28度に設定しているという人は多いのではないでしょうか。
 
ただ、猛暑日が続く昨今は、エアコンを28度にしていると暑いと感じることがあります。せっかくエアコンをつけているのに意味がなく、熱中症などの危険も考えられるのです。
 
本記事では、どうして「エアコンは28度」といわれるようになったのか、エアコンを28度にすることは意味がないとは本当なのか、また、エアコンを1度下げると電気代はどうなるのかについて解説します。
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「エアコンは28度」ルールは勘違い?

「エアコンの適温が28度」といわれるのは、環境省がクールビズのライフスタイルとして室温を28度にしようと呼びかけたことから広まったと考えられます。「建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令」及び「労働安全衛生法の事務所衛生基準規則」で定められた範囲(17度以上28度以下)から、28度という数字が定められました。
 
ただし、環境省が呼びかけている28度とは「室温」のことで、エアコンの「設定温度」ではありません。エアコンを28度にすると良いという認識は、クールビズから広まった勘違いであるといえるでしょう。
 

室温28度は不快な温度?

2017年、クールビズ導入時に環境省の担当課長だった盛山正仁法務副大臣(当時)が、「科学的知見をもって28度に決めたのではない。何となく28度という目安でスタートして、それが独り歩きしたのが正直なところ」と発言して大きな話題になりました。
 
クールビズの考え方が推奨されるようになった2005年と今では、気温などの環境や使用するエアコンの性能などが違っていることもあり、室温を28度に設定していても暑いと感じる人や、汗をかいて不快に思う人もいるようです。
 
せっかくエアコンをつけていても、不快なのであればエアコンの意味があまりありませんし、室内でも適切な温度が保たれていないと熱中症になる可能性があります。エアコンを利用する際は、設定温度ではなく部屋にいる人が過ごしやすい室温を意識する必要があるのです。
 

エアコンを1度下げると電気代がどれくらい変わる?

ダイキンによると、エアコンで冷房運転時に設定温度を1度上げた場合、約10%の節電効果があるとされています。
 
逆にいえば、エアコンを1度下げると、電気代のうち電力量に応じた部分の金額が約10%高くなるということです。
 
電力料金単価を31円/キロワットアワーとして計算すると、500ワットのを1時間稼働させた場合の電気代は15.5円となり、1日10時間稼働させると30日で4650円かかる計算です。エアコンの設定温度を1度下げると、月465円ほど負担が増えることになります。
 
稼働させているエアコンの数や時間が増えると、1度下げるごとにかかる電気代の負担は大きくなります。1日で考えると数円~数十円ですが、月で考えると決して無視できない金額になります。
 
しかし、エアコンが稼働している部屋にいるのに「暑い」「不快」と感じていては、エアコンをつけている意味がほとんどありません。暑い室内では熱中症になる危険も伴います。電気代の節約も大切ですが、快適な室内環境を保つことも大切です。
 

過ごしやすい室温を心がけよう

環境省がクールビズで推奨しているのは、室温を28度にすることであり、エアコンの設定温度を28度にするというルールは勘違いです。気温や窓の位置などの環境、エアコンの性能によっては、28度に設定していても暑いと感じる場合があります。
 
エアコンの設定温度を1度下げると電気代が増えるため、エアコンの設定温度を高くすることは節約になるといえます。しかし、エアコンをつけていても、暑くて不快に感じる場合はエアコンの意味がほぼありませんし、熱中症のリスクも高まってしまうのです。
 
エアコンを使用する時は、設定温度にこだわらずに、過ごしやすい室温にすることが大切です。エアコンをこまめにメンテナンスしたり、湿度を調整したりしながら過ごしやすい環境を作っていきましょう。
 

出典

政府広報オンライン 適正な室温で快適に!クールビズの提案
厚生労働省 建築物環境衛生管理基準について
ダイキン工業株式会社 設定温度を変更した場合の電気代の目安(ルームエアコン)
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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