独身「貯蓄2000万円」だけど“サイドFIRE”したい!「年率4%」で運用すれば、今後は“仕事に追われず”暮らしていける? 必要資金もあわせて解説
本記事では、独身者の方向けにFIREに必要な金額と、完全なFIREは難しい人向けの新たな選択肢としての「サイドFIRE」について解説します。
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FIRE(完全な経済的自立)をするには5000万円以上のお金が必要
FIREとは、「Financial Independence(経済的自立)、Retire Early(早期退職)」の略です。投資や貯蓄などを通じて生涯の生活ができるだけの資産を得て、経済的な自立を果たしていつでも退職できる状態を作ることです。FIREした場合、退職後は持っている株式や投資信託などを運用して得られる配当金収入をもとに生活をすることが基本です。
一般論としてFIREを実現するための資産は、「1年の支出額の25倍」です。例えば、1年間の支出を200万円と仮定した場合、FIREするには5000万円の貯蓄や資産が必要ということになります。
総務省統計局の「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」によると単身世帯の消費支出は月約17万円(1年で約203万円)となっており、やはり年間200万円は支出があると考えて準備したほうが良いでしょう。
ただ、5000万円を貯めるには毎月10万円の貯金でも500ヶ月(約42年)もかかる計算であり、現実的な数字ではありません。
そこで、現実的にFIREする選択肢となり得るのが「サイドFIRE」です。
「FIREに年間支出の25倍の資産が必要」の根拠である「4%ルール」とは
前項では、FIREするのに必要な資産額について「年間生活費の25倍」が目安と解説しましたが、これは「4%ルール」という考え方からきています。
4%ルールは、1998年にアメリカのトリニティ大学のグループが発表した資産運用に関する研究から導かれたもので、生活費の切り崩しを「投資元本の4%未満」に抑えることで、30年以上が経過しても資産が尽きる確率が低いという考えです。
「4%」という数字は、米国の一般的な株価成長率(7%)から物価上昇率(3%)を引いたもので、米国株式(S&P500)の資産運用で得られる利益の範囲で生活を続けると長期的に資産が目減りすることなく生活できるということになります。
投資元本の4%を1年で切り崩すため、資産を減らさずに生活するには、もとになる資産は1年間の支出の「25倍」が必要という計算です。
サイドFIREに必要な資金は約2000万円とされる
完全リタイアするFIREと違い、「サイドFIRE」という考え方があります。サイドFIREは、資産運用をしながら労働収入を得て暮らす方法です。完全なリタイアではありませんが、資産運用で得られる配当金収入によっては、正社員ではない副業や非正規の収入でも生活できる可能性があります。
FIREよりも少ない資金で実行に移すことができ、運用益と労働収入を合わせることで手元資金の目減りを減らしつつ、ある程度自由な生活を得られることがサイドFIREのメリットです。
FIREでは、年間200万円の支出を全て投資の運用でまかなう前提なので、資金として5000万円が必要でしたが、サイドFIREでは労働収入で補うことができます。
例えば月10万円(年間1200万円)の労働収入を得たと仮定すると、年200万円を得るのに運用で獲得するべき配当金は80万円です。80万円の25倍は2000万円なので、2000万円あればサイドFIREを実現できる計算です。
2000万円と言うとかなり大きな数字に思えますが、毎月7万円を貯金すれば約24年で貯まる計算であり、FIREよりはずっと現実的な数字に見えないでしょうか。仮に30歳から貯蓄を始めれば、54歳で2000万円が貯まるため、早期退職して毎月10万円稼げる非正規の仕事を探すなどの方法でサイドFIREは可能になります。
まとめ
FIREもサイドFIREも、必要な生活資金の25倍が貯蓄の目安とされており、完全なFIREをするなら独身者でも5000万円を用意する必要があります。一方、運用益と労働収入を併用するサイドFIREなら約2000万円あれば生活できるため、サラリーマンでも独身なら充分実現可能です。
ただし、「25倍」は年率4%の運用利回りを得ることを前提とした数字です。確実にFIREを成功させたいのであれば、想定通りの利回りを得られない場合や突発的な支出があることも想定して、多めに資金を用意しておくことをおすすめします。
また、本当にFIREが可能なのか、ライフプランとともにメリット・デメリットをよく考え、シミュレーションすることも大切です。
出典
総務省統計局 家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
