去年の夏は電気料金の「割引制度」にかなり助けられました…今年も暑くなりそうなのですが、同様の割引はあるんでしょうか?

配信日: 2025.08.02
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去年の夏は電気料金の「割引制度」にかなり助けられました…今年も暑くなりそうなのですが、同様の割引はあるんでしょうか?
夏はエアコンの使用が欠かせません。特に近年は猛暑が続いており、熱中症予防のために適切なエアコン使用が強く推奨されています。
 
しかし、気になるのは電気代です。2024年は割引制度が導入されたため、電気代がそこまで気にならなかったという人も多かったのではないでしょうか。
 
今回の記事では、2025年も電気料金の割引があるのか、またどのくらい安くなるのかを解説します。
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2024年の電気料金割引制度

ここからは、2024年の電気料金の割引がどのような内容だったか解説します。経済産業省によれば、2024年は「酷暑乗り切り緊急支援」として、2024年8月~10月使用分の電気・ガスの使用料の値引きが実施されました。具体的な値引き金額は表1のとおりです。
 
表1

適用期間 電気(低圧) 電気(高圧) 都市ガス
2024年8月使用分 4.0円/kWh 2.0円/kWh 17.5円/立方メートル
2024年9月使用分 4.0円/kWh 2.0円/kWh 17.5円/立方メートル
2024年10月使用分 2.5円/kWh 1.3円/kWh 10.0円/立方メートル

出典:経済産業省「2024年8月、9月及び10月使用分の電気・ガス料金支援の実施に伴い、電気・都市ガス料金の値引きを行うことができる特例認可を行いました」を基に筆者作成
 
電気やガス料金が特に高くなる8月、9月には大きな割引が導入されました。そのため、電気やガスを多く使用するご家庭のなかには、電気代やガス代がそれほど大きな負担にならなかったケースもあったかもしれません。
 

2025年の割引実施はある?

では、2025年の電気・ガス料金の割引制度はあるのでしょうか。
 
経済産業省資源エネルギー庁によると、2025年も電気・ガス料金の負担軽減支援事業は行われる予定です。値引きを受けるための申請など必要な手続きはなく、いつも通り使用していれば自動的に割引を受けられます。
 
割引の実施は2025年7月~9月使用分で、値引き単価は表2のようになっています。
 
表2

適用期間 電気(低圧) 電気(高圧) 都市ガス
2025年7月使用分 2.0円/kWh 1.0円/kWh 8.0円/立方メートル
2025年8月使用分 2.4円/kWh 1.2円/kWh 10.0円/立方メートル
2025年9月使用分 2.0円/kWh 1.0円/kWh 8.0円/立方メートル

出典:経済産業省資源エネルギー庁「電気・ガス料金支援」を基に筆者作成
 
2024年よりも割引率は低くなりますが、通常よりも電気代は抑えられます。また、昨年とは異なり、7月使用分から割引が開始されるため、お得に感じる人もいるかもしれません。
 

電気料金はどのくらい安くなる?

では、実際に電気代はどのくらい安くなるのでしょうか。以下の条件にて、経済産業省資源エネルギー庁のホームページに記載してある値引き額で計算してみます。


・消費電力800Wのエアコンを1日10時間使用
・1時間あたりの消費電力量は0.8kWh=1日で8kWh(0.8kWh×10時間)、1ヶ月で240kWh(8kWh×30日)
・電力料金の目安単価:31円/kWh(公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会より)

割引適用前だと、1ヶ月の電気代は240kWh×31円=7440円です。しかし、割引が適用された場合には以下の金額になります。


・7月使用分:6960円(480円割引)
・8月使用分:6864円(576円割引)
・9月使用分:6960円(480円割引)

3ヶ月で1536円の割引となるため、電気代の負担はかなり抑えられます。夏はエアコン以外にも電力消費が増える傾向にあるため、電気代が安くなるのは家庭にとってうれしいポイントです。
 

エアコンの電気代を節約する方法

できるだけ電気代を抑えたい方は、節約してさらに負担を軽くしましょう。以下では、夏場特に使用頻度が増えるエアコンの電気代を節約する方法について解説します。
 

カーテンを閉める

カーテンを閉めれば外からの熱気を遮断でき、結果として室内気温の上昇を抑えられます。特に昼間は日光が強いため、カーテンを閉めておくのがおすすめです。また、カーテンを閉めると、室内の冷気を逃がさない効果も期待できます。
 
室内を暗くさせたくない場合は、遮熱性能があるレースカーテンなどを使用するのがよいでしょう。
 

エアコンの設定温度を調整する

室内が暑くなると、ついエアコンの設定温度を下げてしまうという人は多いのではないでしょうか。
 
エアコンの設定温度を下げると、電力消費が大きくなり、余計に電気代がかかってしまう可能性があります。どうしても涼しくしたい場合は、風量設定を調整しましょう。温度を下げるよりも電気代が抑えられる場合があります。
 

フィルター掃除をこまめに行う

フィルターにホコリや汚れがたまると、稼働効率が低下して余計に電力を消費するため、結果として電気代がかかります。エアコンのフィルターをこまめに清掃し、きれいな状態を保つことで節電につながります。
 

割引と節電で出費を抑えよう

2025年も昨年同様に電気やガスの割引が実施されます。ただし、昨年よりも割引率が低いため、電気代をさらに抑えたい方は節電対策を取り入れるのがおすすめです。部屋のカーテンを閉めたりエアコンの設定温度を調整したりすることで、電気代を節約できるでしょう。
 

出典

経済産業省 2024年8月、9月及び10月使用分の電気・ガス料金支援の実施に伴い、電気・都市ガス料金の値引きを行うことができる特例認可を行いました
経済産業省資源エネルギー庁 電気・ガス料金支援
公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会 よくある質問 Q&A Q.カタログなどに載っている電力料金の目安単価とは何ですか?
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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