エアコンと使うなら「扇風機・サーキュレーター」どちらの“電気代”が安いですか? そもそも機能には、どんな差があるのでしょうか?
そこでエアコンと併用したいのが「サーキュレーター」や「扇風機」です。それぞれエアコンより消費電力が小さく、エアコンと併用することで涼しさをキープしながら節約できます。
本記事ではサーキュレーターと扇風機の違いや、どちらのほうがより電気代が安くなるかをシミュレーションしてみましょう。
※電気代は「消費電力(ワット)÷1000×使用時間(時間)×電気料金単価(円/キロワットアワー)」で計算。「電気料金単価」は、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が公表している「電力料金目安単価」31円/キロワットアワーを使用
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サーキュレーターと扇風機は見た目が似ていても用途が違う
サーキュレーターと扇風機は、プロペラが回ることで風が起こるという点では共通していますが、実は用途が全く異なります。
サーキュレーターは、遠距離に直線的な風を送ることで空気を循環させることを目的としたものです。上下・左右・斜め・真上とあらゆる角度に風を送ることができるメリットがあります。
涼みたいときにサーキュレーター単体で使うことは少なく、エアコンとセットで利用する商品です。
一方の扇風機は、暑さを感じたときに涼むために利用する商品です。サーキュレーターよりも大型のプロペラによって広い範囲に大量の風を送れ、適度な強さの風に当たることで涼をとることができます。
扇風機単体でも利用することができ、商品によっては静音性に優れたり除菌・消臭効果があったりといった特徴があります。広範囲に風を送れる一方、風が届く距離はサーキュレーターほどではありません。
電気代はエアコン+扇風機のほうがお得に
扇風機でもサーキュレーターでもエアコンよりは消費電力が低いため、エアコンの設定温度を上げる代わりにこれらの商品を併用することで節電・節約につながります。
まず、前提条件になるエアコンはダイキンのスタンダードクラスのエアコン「Eシリーズ」とします。この製品の6畳用のエアコンの冷房作動時の消費電力は通常「580ワット」です。
24時間・30日間稼働させた場合の電気代は、「580ワット÷1000×24時間×30日×31円=1万2945円」です。
今回は「山善」のサーキュレーターと扇風機を例に、電気代の違いを比較してみましょう。
まず、山善のサーキュレーター「DCサーキュレーターZERO(YKAR-SDX15)」の消費電力は、21ワットです。24時間・30日ずっと回しっぱなしにしたときの電気代が「21ワット÷1000×24時間×30×31円=468円(少数切り捨て)です。
エアコンは冷房の設定温度を1℃上げると、消費エネルギーが10%程削減できます。エアコンの設定温度を1℃上げて、同時にサーキュレーターを回したときの電気代は以下のとおりです。
「(580ワット×0.9+21ワット)÷1000×24時間×30日×31円=1万2119円」
エアコン単体よりも、826円の節約になる計算です。
同様にエアコンと扇風機で計算してみましょう。山善の「DCモーターリビング扇風機(YLR-DJD30)」の消費電力は15ワットです。
「(580ワット×0.9+15ワット)÷1000×24時間×30日×31円=1万1985円」
エアコン単体よりも、960円の節約になる計算です。
今回の試算では、月に130円ほど扇風機のほうが安くなりましたが、別機種ではサーキュレーターより消費電力が高いことがあるため、機種次第でサーキュレーターの電気代のほうが安くなることもあります。
サーキュレーターと扇風機は時間帯や目的によって使い分けよう
今回の試算では、サーキュレーターと扇風機のどちらを併用したとしても、エアコンの設定温度を1℃以上、上げれば節約につながることが分かりました。
あとは、サーキュレーターと扇風機の機能性の違いで使い分けましょう。例えば昼間に効率的に部屋を冷やしたいときは、部屋中に強い風を送れるサーキュレーターが向いています。
一方、夜間に涼みながら寝たい場合には、静音性に優れていて涼をとりやすい扇風機が効果的です。
まとめ
夏場のエアコンの電気代は1万円以上することも珍しくありませんが、サーキュレーターや扇風機を併用する代わりに設定温度を上げることで電気代の節約が可能です。扇風機やサーキュレーターを賢く利用して、お得に夏を乗り切りましょう。
出典
公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会 よくある質問
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
