お隣さんの室外機に「濡れタオル」がかけてある……!節電効果があるのでしょうか?
この記事では、室外機に濡れタオルをかける行為が実際に節電につながるのかを見ていくとともに、電気代の効率的な節約方法についても解説します。
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室外機に濡れタオルで節電できる?
エアコンの室外機に濡れタオルをかけることで、「冷却効率が上がる」「電力消費が減る」といった声がSNSや口コミサイトで散見されるようです。しかし、これによる根拠はないようです。
室外機はファンによって外気を吸い込み、内部の熱交換器で放熱を行います。そこにタオルをかけると、吸排気の流れを妨げ、逆に冷房効率が下がる可能性が高まるのです。
濡れタオルのリスクと注意点
室外機に濡れタオルを使った場合、次のようなリスクがあります。
・排熱の妨げになる
室外機は内部の熱を外へ放出する役割があるため、タオルがファンの通気口をふさぐと効率が下がり、電力が上がることもあるとされています。
・結露、ショートのリスク
濡れた布が室外機内部に水を浸透させると、部品の腐食やショートによる故障につながるおそれがあるようです。
・メーカー保証の対象外
一般的に、室外機への物理的加工や改造は推奨されておらず、万が一トラブルが発生した場合、修理費用が全額自己負担となることもあると考えられます。
修理費用の目安は、基盤やファンモーターの交換で5~6万円程度かかる場合もあるようです。
また、熱交換器に水分が常時付着すると内部で結露や腐食が進み、エアコンの寿命が短くなることもあるとされています。
より安全で効果的な節電対策とは?
濡れタオルの使用にはリスクが伴うため、より安全かつ効果的な方法を検討することが重要です。以下に、効果的な対策をご紹介します。
・室外機周辺の風通しを確保する
室外機の周囲に物を置くと、排熱効率が落ちてエアコンの負荷が増加するとされています。周囲の物を片付けて風の通り道をつくるだけで、冷却効率が向上するでしょう。
・定期的に清掃する
エアコンのフィルターや室外機の熱交換器が汚れていると、冷房効率が悪くなります。経済産業省の資源エネルギー庁によれば、フィルターをこまめに掃除することで、約0.6~1.9%の節電が見込まれます。
・打ち水をする
室外機の周囲に打ち水をすることで、気化熱の作用により地面の温度が下がり、周囲の空気が冷やされるため、さらに冷房効率が高まるようです。特に朝や夕方など、涼しい時間帯に広い範囲で行うとより効果的でしょう。
これらの方法を組み合わせれば、省エネ運転につながります。
濡れタオルは節電に逆効果! 正しい方法で夏を乗り切ろう
室外機に濡れタオルをかけると、一見涼しげで節電になりそうに思えますが、逆効果です。電力消費が増え、電気代がかえって高くなる可能性があります。
さらに、濡れタオルをかけることで室外機の故障や劣化を招くリスクもあるため注意が必要です。
節電を意識するなら、定期的な清掃や打ち水といった方法が効果的とされています。これらの対策ならエアコンの効率も向上し、安全に節電ができるでしょう。
日々のちょっとした工夫が、快適な夏の生活と健全な家計づくりにつながります。誤った節電法に惑わされず、正しい情報を基に効果的な節電対策を選びましょう。
出典
経済産業省 資源エネルギー庁 どうやったら節電できる? 明日からすぐに役立つ節電・省エネのヒント
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
