来年夫が定年ですが、貯蓄が「500万円」しかありません…50代と60代で「貯蓄額」は変わるものではないのでしょうか?

配信日: 2025.08.08
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来年夫が定年ですが、貯蓄が「500万円」しかありません…50代と60代で「貯蓄額」は変わるものではないのでしょうか?
まもなく定年を迎えるにあたって「金銭的な理由により老後の生活に不安を抱えている」という人もいるでしょう。
 
定年までにどのくらい貯蓄があれば老後も安心して暮らせるのか、確認しておくとよいかもしれません。
 
本記事では、定年前の50代と定年後の60代の貯蓄額を比較するとともに、定年後の収入を増やす方法についてもご紹介します。
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50代と60代の貯蓄額

金融経済教育推進機構(J-FLEC)の「家計の金融行動に関する世論調査2024年(二人以上世帯)」では、年代ごとの貯蓄の平均値と中央値を確認できます。
 
平均値は数値の合計をその調査対象数で割ったもの、中央値は数値を小さい順から並べたときちょうど真ん中に当たる値のことをいいます。平均値は極端に貯蓄額が高かったり低かったりする人の影響を受けてしまうため、今回は中央値で比較しましょう。
 
50代の貯蓄額の中央値は250万円、60代は650万円です。定年を迎える年齢は企業によって異なるので一概にはいえませんが、50代と60代では貯蓄額に400万円ほど差があることが分かります。
 
また、貯蓄額ごとの割合は表1の通りです。
 
表1

貯蓄額 50代 60代
金融資産非保有 29.2% 20.5%
100万円未満 8.7% 6.5%
100~200万円未満 5.9% 5.3%
200~300万円未満 5.1% 3.7%
300~400万円未満 3.7% 3.1%
400~500万円未満 3.2% 3.1%
500~700万円未満 6.3% 6.3%
700~1000万円未満 5.8% 5.3%
1000~1500万円未満 7.6% 8.9%
1500~2000万円未満 3.8% 5.8%
2000~3000万円未満 6.3% 8.0%
3000万円以上 10.7% 20.0%

出典:金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査2024年(二人以上世帯)」を基に筆者作成
 
50代、60代ともに「貯蓄ゼロ」の世帯も2割以上ありますが、60代の方が割合は少なくなっています。
 

定年後の収入を増やすには?

今回の事例では「来年夫が定年を迎えるが、貯蓄が500万円しかない」ということですが、前述の通り、定年前の50代の貯蓄額の中央値は250万円なので、50代二人以上世帯の半分以上の世帯よりは多い貯蓄額といえます。しかし、60代の中央値と比べると少ないため、少しでも早いうちから収入を増やす方法を考えておいた方がよいかもしれません。
 
例えば、定年後も働くことで収入を得続ける方法があります。再雇用制度を利用して今と同じ職場で働き続けるか、新しい就職先を探すことも検討してみるとよいでしょう。
 
また、年金を繰下げ受給して、受取額を増やすことも可能です。国民年金と厚生年金のどちらも1ヶ月につき0.7%の増額率となります。75歳まで繰り下げることが可能で、最大84%増額した額を受け取れます(生年により異なることがあります)。
 
そのほかにも、投資信託などの資産運用により老後の資産を増やしたり、自宅を担保にして資金を借り入れる「リバースモーゲージ」を利用したりすることで、老後の生活費を賄える可能性があります。
 

50代より60代の方が貯蓄額の中央値は400万円ほど多い

金融経済教育推進機構(J-FLEC)の調査によれば、二人以上世帯において、50代の貯蓄額の中央値は250万円、60代は650万円で、60代の方が400万円ほど多くなっています。
 
定年を迎えるタイミングで貯蓄額が500万円の場合、もう少し増やしておきたいところでしょう。
 
定年後の収入を増やすには、再雇用や再就職により長く働き続けたり、年金の繰下げ受給を選択したりする方法があります。資産運用やリバースモーゲージを行うことで老後の生活費を賄うことができる可能性もあるため、自分に合った方法を探してみるとよいでしょう。
 

出典

金融経済教育推進機構(J-FLEC) 家計の金融行動に関する世論調査 2024年[二人以上世帯] 各種分類別データ 統計表の番号4 金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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