1000万円を「3年定期」で運用するとき、途中で「追加預金」をすると利息はどう変わる?

配信日: 2025.08.09
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1000万円を「3年定期」で運用するとき、途中で「追加預金」をすると利息はどう変わる?
「定期預金で資産を運用しているけれど、途中で追加預金すると金利計算はどうなるの?」と、このような疑問を感じている方も多くいるのではないでしょうか。
 
この記事では、定期預金で追加預金をする場合に適用される金利や金利の計算方法について解説しています。最後まで読んでご自身の資産運用の参考にしてください。
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定期預金中に追加で入金は可能?

結論から先にお伝えすると、定期預金中の追加預金の可否は金融機関により異なります。追加預金ができる金融機関と、できない金融機関の一例は以下の通りです。
 

・追加預金できる金融機関:三菱UFJ銀行、りそな銀行など
・追加預金できない銀行:住信SBIネット銀行、GMOあおぞらネット銀行など

 
追加預金ができない金融機関で、定期預金に追加で入金したい場合は、新規に定期預金口座を作成する必要があります。
 

追加預金をした場合の適用金利はどうなる?

追加預金をした場合、適用される金利は預け入れ時点のものです。三菱UFJ銀行では追加預け入れをした場合、“適用利率はお取引受付時に当行が提示した利率”と明記されています。
 
具体的にいうと、最初に定期預金を作ったときの金利が年0.5%でも、半年後に追加で預け入れをするときの金利が年0.3%の場合、半年後の分の適用金利は0.3%となります。
 
追加で預け入れをする場合は、預け入れ時点での金利水準を確認してから判断しましょう。なお、契約ごとに利率金利や期間が適用されるため、元本が合算したされた複利での運用となることもありません。
 

積立定期預金も検討

積立定期預金とは、毎月決まった日に一定の金額を積み立てていく定期預金の一種です。通常の定期預金と積立定期預金の主な違いを表1にまとめました。
 
表1

項目 積立定期預金 一般的な定期預金
預け入れ方法 毎月決まった日に一定額を自動振替で積立 最初にまとまった金額を一括で預け入れ
最低預入金額 少額から可能
(1000円以上から1000円単位など金額が指定されている)
一般的には、まとまった金額での預け入れ(1万円~)
預入期間 金融機関によってさまざまで、期間の定めのないものや数ヶ月や10年程度 1ヶ月~10年程度から選択
利息の計算 積立ごとに利息が確定し、満期時に受け取り 一括預入時に利息が確定
追加の預け入れ 毎月の自動積立に加え、ボーナス時増額や任意追加が可能な商品もある 追加の預け入れの可否は、金融機関により異なる
向いている人 計画的にコツコツお金をためたい人 まとまった資金がある人、高い金利を求める人

※筆者作成
 
一般的な定期預金が一括でまとまった資金を預け入れるのに対し、積立定期預金は少額で始められ、コツコツと計画的にお金を貯めたい人向けの商品です。
 
どちらも元本保証があり、預金保険制度の対象となっているため、安全性の高い貯蓄方法であるといえます。
 

定期預金の金利の計算方法は?

定期預金の金利計算方法には「単利」と「複利」の二通りあります。
 
単利では、利息が元本に対してのみかかります。一方、複利では、一定期間ごとに利息を元本に組み入れるのが特徴です。複利では、利息を元本に上乗せして翌年の利息を計算するため、前年の利息にも利息がつきます。
 
単利と複利の計算方法の違いは、以下の通りです。
 

・単利

利息=元本×年利×年数

 

・複利(年1回or半年に1回)

満期総額=元本×{(1+年利)年数の累乗}
利息=満期総額-元本

 
実際に1000万円の元本で、金利0.1%で3年間定期預金に預け入れた場合に、単利と複利で利息を試算すると、以下のようになります。
 

・単利:3万円
・複利:3万37円

 
短い期間では差が出にくいですが、定期預金の期間が延びるほど単利と比較して複利の方が有利になります。
 

複利と単利のメリット

複利と単利では、異なるメリットがあります。
 

・単利のメリット:利息の計算が簡単で、運用の成果が見えやすい。
・複利のメリット:利息が元本に加えられて次年度の利息計算の基礎となるため、時間の経過とともに「利息が利息を生む」効果が働く。

 
複利運用は長期で運用すればするほど利益が大きくなるので、老後資金の貯蓄などにおすすめです。一方、単利運用は、利息額の予測がしやすく、数年程度の短期運用に適した方法であるといえます。定期預金の目的に合わせて、単利と複利を選択しましょう。
 

普通預金との金利差は?

定期預金と普通預金は、どちらも銀行の預金口座ですが、主な違いは期間の定めの有無です。
 
定期預金は、預け入れや引き出しに制限がある代わりに、普通預金と比較して金利が高く設定されています。
 
普通預金と定期預金それぞれの預金種類別店頭表示金利の推移(平均値)を表2にまとめました。なお、定期預金は預入金額1000万円以上/年の条件です。
 
表2

年月 定期預金金利
(%)
普通預金金利
(%)
2022年6月 0.005 0.002
2023年6月 0.004 0.001
2024年6月 0.027 0.02
2025年6月 0.256 0.182

出典:日本銀行 時系列統計データ検索サイト「主要時系列統計データ表」を基に筆者作成
 
事前に、直近の金利や、その時点での金利を把握しておくことも大切です。
 

定期預金では、金融機関により追加預金の可否が異なる

定期預金では、預け入れたときに元本・期間・金利が確定するため、金融機関によって追加預け入れの可否が異なります。定期預金で資金を運用する際は、定期預金の積立期間やその利息など、商品の特徴を把握した上で、自分にとって最適なサービスを選択しましょう。
 

出典

日本銀行 時系列統計データ検索サイト 主要時系列統計データ表
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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