「エアコンの室外機」の前に妻が育てている「鉢植え」がずらり…。これって、「電気代が高くなる」原因ですか?

配信日: 2025.08.10
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「エアコンの室外機」の前に妻が育てている「鉢植え」がずらり…。これって、「電気代が高くなる」原因ですか?
エアコンの電気代を少しでも抑えたいと考える家庭は多いでしょう。そんな中、「室外機の前に鉢植えがたくさん並んでいるけれど、これって影響があるのでは?」と感じたことはありませんか。
 
実は、室外機の周囲に物を置くことは、冷暖房の効率を下げ、電力消費を増やす原因となることがあります。
 
本記事では、エアコンの室外機の役割や、鉢植えが電気代に与える影響、適切な設置スペースの目安や節電のポイントについて解説します。
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エアコン室外機の前に物を置くと電気代は上がる?

エアコンの室外機は、室内の熱を外部に排出したり、外の空気を取り込んだりする重要な役割を持っています。室外機の前やまわりに鉢植えなどの物を密集して置いてしまうと、空気の流れが妨げられることがあります。
 
空気の流れが悪くなると、室外機が効率的に熱を放出できなくなるため、エアコン本体もより多くの電力を消費してしまいます。特に、夏場は室外機から高温の風が出ているため、その直前に鉢植えがあると熱がこもりやすく、エアコンの冷房効果が弱くなりがちです。
 
経済産業省 資源エネルギー庁が公開する「省エネ性能カタログ(2024年版)」でも、エアコンの効率を保つためには、熱の出入り口である室外機まわりの空気の流れをスムーズにすることが重要とされています。
 
空気の循環が妨げられると、無駄な電力を消費することになり、エネルギー効率の低下や電気代の上昇にもつながりかねません。
 
また、鉢植えなどの重い物を室外機の上に直接置くのは、放熱の妨げになるだけでなく、故障や本体への振動のおそれもあります。室外機の吸込口や吹出口にはできるだけ物を置かないようにしましょう。
 

室外機のまわりに確保したいスペースと鉢植えの適切な置き場所

では、どのくらいのスペースを空ければよいのでしょうか。エアコンメーカー各社は、室外機の効率的な運転のために、周囲に一定の空間を確保することを推奨しています。
 
例えば、Panasonicでは、室外機の前方(ファンがある側)は20cm以上、後方は5cm以上、側面は10~30cm以上のスペースを空けることを目安としています。さらに、上部は原則として開放が必要とされており、3方向以上の通風を確保することが推奨されています。
 
そして、ベランダなどに設置してやむをえず2方向しか開放できない場合には、冷暖房能力および消費電力が10%程度悪化する場合があるとされています。これは、通風不足により放熱効率が下がることで、エアコン本体が余分な電力を消費してしまうからです。
 

消費電力が10%悪化した場合電気代は何円高くなる?

では、実際に消費電力が10%悪化した場合、電気代はひと月でどのくらい変わるのでしょうか。一般的な10畳用エアコン(冷房時の消費電力を700Wと仮定)を例に、以下の条件で計算してみましょう。


【試算の条件】

・1日の使用時間:9時間
・1ヶ月(30日間)の使用
・電気料金単価:公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が目安として示している「1kWhあたり31円(税込み)」を使用
 
計算式
・1ヶ月の総消費電力量は 0.7kW × 9時間/日 × 30日 = 189kWh
・通常の状況での1ヶ月の電気代を計算 189kWh × 31円/kWh = 5859円
・効率が10%悪化した場合の電気代を計算。消費電力が10%増加するため、通常の電気代に1.1を掛け合わせます。 5859円 × 1.1 = 約6445円

この計算によると、室外機の置き場所が悪く、通風が妨げられるだけで、1ヶ月あたり約500円以上の差が出る可能性があります。夏の期間だけでも、2000円近い差額になることも考えられるでしょう。
 

室外機の効率を保ち電気代を節約する他の2つのポイント

室外機の前に物を置かないこと以外にも、効率を保ち、電気代を節約するためにできることがあります。ここでは、すぐに実践できる2つのポイントをご紹介します。
 
1つ目は、「室外機に直射日光を当てない」ことです。室外機本体の温度が上がると、熱交換の効率が低下してしまいます。すだれを立てかけたり、少し離れた場所に植木を植えたり、市販の室外機用日よけパネルを設置したりして日陰を作るのが効果的です。
 
ただし、この場合も室外機の吹き出し口をふさいでしまわないよう、風通しを十分に確保することが重要です。また、夏場は室外機が直射日光に当たると本体の温度が上がり、運転効率が落ちる傾向があります。
 
2つ目は、「室外機周辺の掃除」です。室外機の裏側や側面にある「フィン」と呼ばれる薄い金属板の部分は、空気中のホコリや落ち葉などで汚れやすい場所です。ここにゴミが詰まると、空気の通り道が狭くなり、熱交換の効率が落ちてしまいます。
 
フィンは柔らかく変形しやすいため、高圧洗浄機を直接当てるなどの強い力での掃除は避けましょう。汚れが気になる際は、専門業者に頼むのも1つの方法です。
 

室外機の前をふさがないだけで、毎月の電気代が変わることもある

エアコンの室外機の前に鉢植えなどを密集して置くと、空気の流れが悪くなり、冷房・暖房の効率が下がります。その結果、無駄な電力を消費し、電気代も高くなる原因となりやすいです。しかし、鉢植えを完全に排除する必要はありません。
 
室外機の周辺に十分なスペースを確保し、吸込口や吹出口の前をふさがない工夫をすれば、効率の低下や電気代の上昇を防げるでしょう。毎月の電気代を抑え、エアコンも長持ちさせるためには、室外機まわりの整理を意識して管理しましょう。
 

出典

Panasonic よくあるご質問 エアコン室外機の設置スペースと設置条件は
公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会 よくある質問 Q&A
経済産業省 資源エネルギー庁 省エネ性能カタログ(2024年版)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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