「室外機にカバー」実際どのくらいの効果がある!? 室外機を陰に置いた場合と日なたに置いた場合の電気料金を比較!
エアコンの使用が増える夏場は、家計への負担も増加する時期です。そんな中、「室外機にカバーをかけると電気代が下がる」という情報を見かけた方もいるでしょう。
しかし、本当に効果があるのでしょうか?
今回は、「室外機にカバーを使う」「陰に置く」「日なたに置く」という3つの条件で、電気料金や冷房効率にどれほど違いがあるのかを徹底解説します。
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目次
室外機は冷房の“かなめ”。日差しの影響は思った以上に大きい
エアコンの室外機は、室内の熱を屋外に放出する重要な装置です。
冷房時には、室内から吸い出した熱を室外機で外に排出することで、部屋の温度を下げています。そのため、室外機が高温環境にさらされると、排熱効率が落ちてしまい、より多くの電力を使って冷やそうとするのです。
特に真夏の日中、直射日光にさらされた室外機周辺の気温は、40~50℃を超えることもあります。そうなると、エアコンの消費電力が1.1~1.3倍にまで増加するというデータもあります。
実験データ:日なたと日陰でどれくらい電気代が違うのか?
あるエアコンメーカーや省エネ団体の実験では、次のような比較がされています。
・日なたに設置した室外機(直射日光を遮るものなし)
・日陰に設置した室外機(壁や屋根、カバーなどで直射日光を遮る)
これらの条件で24時間エアコンを稼働させた際の電力消費量を比べると、
・日なた設置:1日あたりの消費電力 約13kWh
・日陰設置:1日あたりの消費電力 約11kWh
という結果になりました。この差は約2kWhです。仮に電気代を1kWh=31円とすると、
2kWh×31円=62円/日
62円×30日=1860円/月
1ヶ月(30日)で約2000円近くの電気代の差が生じる計算になります。これが「たかが日差し」とあなどれない理由です。
「室外機カバー」には2つの種類がある
室外機にかけるカバーには主に2種類あります。
1.直射日光を遮る「日よけカバー(サンシェードタイプ)」
室外機の上に取り付ける、屋根のような構造のカバーです。太陽光を直接浴びないようにすることで、表面温度の上昇を抑え、放熱効率を保つ効果があります。
2. 全体を覆う「防雪・防塵カバー」
これは冬場の使用を目的としたもので、雪やほこりから室外機を守るタイプです。ただし、夏場に密閉タイプのカバーを使うと逆効果になる可能性があります。熱がこもり、かえって効率が落ちてしまうため注意が必要です。
効果を最大化するためのポイント
単にカバーをかけるだけでなく、以下のような工夫をすることで、室外機の効率をさらに高めることができます。
・室外機の周囲に風通しの良いスペースを確保する
室外機の背面と左右は10cm以上、正面は30cm以上の空間を空けて設置すると、排熱の妨げにならず効率が上がります。
・草木や物を近くに置かない
雑草や鉢植えなどが排気口の前にあると、排熱がこもって効率ダウンにつながります。定期的に周囲のチェックをしておきましょう。
・100均でも買えるアルミシートを活用
DIYでできる簡易的な日よけとして、アルミ製の遮熱シートを室外機の上に固定するだけでも効果があります。ホームセンターや100円ショップで手軽に手に入るのも魅力です。
結論:「室外機を日陰に+簡易カバー」で年間数千円~数万円の節約になる可能性も
エアコンの電気代を下げるために、温度設定やこまめなオンオフに意識が向きがちですが、実は見落とされやすい「室外機の設置環境」が節電効果に大きく影響します。
特に夏場は、室外機が直射日光を浴びることで本体の表面温度が上がり、冷房効率が落ちてしまいます。これによって、エアコンは必要以上に稼働し、消費電力が増加。電気代も自然と高くなってしまうのです。
各種実験やメーカーの検証結果からも、室外機を日陰に置いたり、直射日光を遮る簡易的なカバーを設置したりすることで、ひと月あたり数百円〜2000円、年間で数千円~数万円の電気代の節約につながることが分かっています。
また、日陰設置や日よけによって室外機の寿命が延びる可能性があるという副次的な効果も期待できます。エアコンの買い替え頻度が下がれば、長期的にはさらに大きな節約につながるかもしれません。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
