「入り切りするより安いから」と24時間エアコンを稼働しています。日中は仕事で家にいないのですが、それでもつけていた方がいいの?
最近では「24時間つけっぱなしのほうが効率がいい」と言って、外出時もエアコンを止めないという人も増えているようです。
しかし、日中に誰も家にいない時間までエアコンを稼働させておくことは、本当に節電になるのでしょうか?
この記事では、「エアコンのつけっぱなしは本当に得なのかどうか」を、使用状況や住宅環境ごとに解説します。
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目次
「つけっぱなし=安い」は本当? 実は条件次第
まず大前提として、「つけっぱなしの方が安い」といわれる理由は、エアコンの起動時に一時的に大きな電力を使うからです。設定温度まで一気に部屋を冷やす(または暖める)ときに最も電力を消費し、あとは温度をキープするための最小限の電力で運転する仕組みになっています。
そのため、短時間の外出(30分〜1時間程度)なら、切るよりつけっぱなしの方が電気代が安くなるケースがあります。ただし、これが数時間以上の不在となると話は別です。
【結論】日中ずっと不在ならエアコンは消した方が安い
日中に仕事で6〜10時間家を空けるというようなケースでは、エアコンをつけっぱなしにすると電気代は確実に高くなります。実際に、ある企業が行った実験でも、
●不在時間が2時間以上ならエアコンを一度切った方が電力消費が抑えられる
●24時間つけっぱなし運転は、一日で約1.5〜2倍の電力を消費する可能性がある
という結果が出ています。つまり、「つけっぱなしで安くなる」というのは、あくまで短時間の外出の話なのです。
電気代を抑えつつ快適に帰宅するには?
「消した方がいいのは分かったけれど、帰宅後のムワッとした部屋が嫌……。」という方におすすめなのが、以下の方法です。
1. スマートリモコンで帰宅前にエアコンをオン
スマート家電リモコンやスマホアプリを使えば、帰宅の30分前くらいにエアコンを自動でONにすることが可能です。これなら、無人の時間はしっかり節電できて、帰宅時には快適な室温になるでしょう。スマートリモコンは数千円で手に入るものも多く、工事不要で設置できるので、手軽な節電対策として人気です。
2. 冷気を逃さない工夫で、再起動時の電力を抑える
以下のような工夫で、再起動時の電力負担を軽減できます。
●遮熱カーテンや断熱フィルムで日射をカット
●窓や玄関の気密性を高め、外気の流入を防ぐ
●エアコンの風向きを水平または上向きに設定して、部屋全体を均等に冷やす
こうすることで、エアコンが無駄にフルパワー運転せず、立ち上がりの消費電力を抑えられるでしょう。
つけっぱなしの方が“得”なケースとは?
ここまで読むと「つけっぱなしは損」と思うかもしれませんが、条件によってはつけっぱなしの方が経済的な場合もあります。
たとえば、在宅時間が長く、1日に何度も入り切りを行う場合や、高気密・高断熱の住宅で室温がほどんど変わらない場合、真夏日などで外気と室温の温度差が大きく、エアコンがフル稼働になりやすい場合などが挙げられます。
こうした条件がそろえば、つけっぱなしでも電気代はそこまで上がらず、快適性とのバランスが取りやすいのです。ただし、長時間誰もいない家でエアコンを動かし続けるのは、やはりエネルギーの無駄遣いといえるでしょう。
まとめ:「短時間の外出」以外は、原則こまめにOFFが正解
「つけっぱなしが得」という情報は、一部の条件では正しいですが、日中に誰もいない長時間の不在中もつけっぱなしにするのは、節電どころか逆効果になるケースが多いのが実情です。
電気代を無理なく抑えつつ、快適な生活を維持するには、前述のつけっぱなしの方が得なケースを除き、「必要なときに必要なだけ使う」ことが一番のコツです。最新の機能や道具を活用しながら、賢くエアコンと付き合っていきましょう。
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
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